体重同じでもたるんたるん…体型の変化に打ち勝つ「太りにくい」生活習慣

コクハク編集部
更新日:2023-11-30 06:00
投稿日:2023-11-30 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 体重に変化はないのに明らかに太った!

 今日は里穂さん(33歳女性/仮名)からの相談です。

「体重は前と同じなのに、最近体型が崩れてきちゃって。鏡で見ると、明らかに前より太った感じがするんです……」

 溜息をつく里穂さんに、えりのボスはうなずきながら答えました。

「私にも経験があるわ。筋肉が減って脂肪が増えると、体重が同じでも体型が変わってしまうのよね。

 体型の変化に悩む人は、30代頃から増えてくるのよ。30代以降は基礎代謝が低下してくるから、20代と同じ生活習慣を続けていると体型が崩れやすくなるの」

 深刻そうな顔で、里穂さんはえりのボスの声に耳を傾けています。

「前は履けたズボンのウエスト周りがきつくなったり、ワンピースを着たときのボディラインがたるんで見えたり……体型の変化って、困るわよね」

「はい……。どうしたらいいんでしょう」

生活習慣の見直しと、太りにくい食べ方を身につけることが大切よ。ポイントを解説するわね」

「お願いします、えりのさん!」

 目を輝かせる里穂さん。これは放っておけません!

2. 太りにくい生活習慣と食べ方のポイントは?

「太りにくくするには、まずは運動が大切よ。脂肪を燃焼させて筋肉を増やすために、ウォーキングなどの有酸素運動や、スクワットなどの筋トレを無理のない範囲で続けてみて。そのうえで身につけてほしいのが、『太りにくい食べ方』よ」

「食べ方を工夫するだけで、太りにくくなれるんですか?」

 えりのボスはにっこり笑ってうなずきました。

「ええ。食べ方はとても重要よ。具体的なポイントはふたつ。ひとつ目は『早食いをせず、よく噛んで食べること』。ふたつ目は『野菜から先に食べること』

 これらのポイントを守ると、食事による血糖値の上昇をゆるやかにすることができるのよ」

 食事によって血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が分泌されます。

 インスリンには脂肪をからだに貯蔵するという働きがあるため、インスリンが過剰に分泌されると太りやすくなってしまうのです。

「よく噛んでゆっくり食べると、血糖値の上昇が緩やかになるの」

「そうなんですね。でも、野菜から先に食べるのはなぜですか?」

「野菜は食物繊維が豊富だからよ。食物繊維には消化吸収をゆっくりにする働きがあるから、野菜を先に食べると血糖値の急上昇を避けることができるの」

 太りづらい食事に欠かせない食物繊維について、詳しく見ていきましょう!

3. 太りにくい食事には食物繊維が必要

 食物繊維は、私達の健康に欠かせない食品成分です。血糖値の上昇を抑えて太りにくくするほか、便秘を予防する、血中コレステロールの濃度を低下させるなど、さまざまな働きを担っています。

 厚生労働省では1日当たりに摂取する食物繊維の目標量を成人男性21g以上、女性18g以上としています。しかし、実際の推定平均摂取量は14g前後であるといわれており、食物繊維不足の人が多いのが現状です。

 食物繊維は、野菜や海藻、きのこ、豆類などに豊富に含まれているため、これらの食品を積極的にとり入れていきましょう!

4. 太りにくいからだ作りのポイント3選

太りにくいからだ作りは、生活習慣や食事でのちょっとした工夫から。手軽に実践できる対策を3つ紹介します。

4-1. 食事のはじめに食物繊維

 高血糖を防ぐため、食事は食物繊維の多いメニューから食べ始めましょう。野菜やきのこなどを使った味噌汁やサラダ、おかず類を選ぶのがポイントです。

4-2. 朝食を抜かない

「太りたくないから」と考えて朝食を抜くのはNGです! 朝食を抜くとからだが飢餓状態になり、昼食を食べたときに血糖値が急上昇しやすくなることも……。

 朝食を食べないと、かえって昼食を食べすぎてしまい、肥満につながる場合もあるので要注意です。

4-3. お酒の飲みすぎに注意

 毎日のように晩酌している人は、お酒の飲みすぎにも注意してください。お酒を飲みすぎると、肝臓はアルコールの代謝で手一杯になり、代謝しきれなかった食品中の栄養素が脂肪としてため込まれてしまうのです。

 また、お酒は食が進むため、ついつい食べすぎて肥満の原因になる場合も……。お酒は節度を持って、食事とのバランスを大切にしましょう。

5. 太りにくいからだ作りには漢方薬もおすすめ

 太りにくい生活習慣や食べ方の工夫に加えて、漢方薬を活用するのもおすすめです!

 運動やよく噛んでゆっくり食べる習慣などを続けたいと思っていても、忙しい毎日のなかではできないときもあるでしょう。

 しかし、漢方薬なら自分の症状と体質に適したものを服用するだけなので、無理なく続けることができます。

 ダイエットのサポートには「代謝を上げる」「むくみを解消する」「脂肪の吸収を抑える」「脂肪の燃焼を促進する」などの働きを持つ漢方薬が使われます。

 ただし、ダイエットに使われる漢方薬は複数あるため、自分の症状と体質に合った種類を選ばないと、十分な効果が得られないことも……。

 自分に合う漢方薬を見極めるには、漢方薬のプロに相談するのが安心です。

 最近は、スマホで専門家に相談できる漢方薬のオンライン個別相談サービスが話題になっています。自分の都合のいいタイミングで気軽に利用でき、漢方のプロがあなたにぴったりの漢方薬を自宅に配送してくれるので便利ですよ。

6. 太りにくいからだ作りを目指す女性におすすめの漢方薬

 代表的な漢方薬を紹介します。実際に服用する際には、自分の症状と体質に適しているかを専門家に相談することをおすすめします。

6-1. 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 水太りの傾向があり、汗をかきやすい人に適しています。消化吸収に働きかけ、水分バランスの乱れを整えて余分な水分の排出を促します。

6-2. 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 便秘気味で、おなかの皮下脂肪が気になる人に適しています。脂質代謝に働きかけて、余分な脂肪を燃焼させたり、排便を促したりする働きがあります。

6-3. 大柴胡湯(だいさいことう)

 おなかの張りが気になる、便秘気味の人に適しています。からだの余分な熱を取り除き、脂質代謝を改善します。

7. 太りにくい食べ方・生活習慣を身につけてメリハリボディを目指そう!

「食べ方や生活習慣のポイントを教えてくれて、ありがとうございます! さっそく今日からチャレンジしてみますね」

 嬉しそうにお礼をいう里穂さんに、えりのボスも笑顔を返します。

「継続は力なり、よ。忙しくてゆっくり食べたり運動したりできないときもあるかもしれないけれど、是非意識してみてね」

「はい。それと、『自分に合う漢方薬を探す』というのも興味があるので、専門家に相談しに行きたいと思います。漢方薬でインナーケアって、前から興味があったんです」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

「ありがとうございます!」

 えりのボスに送り出され、里穂さんは弾む足取りでサロンをあとにしました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


やば太った、年イチ勝負服のウエストがきつい!対処法は?
 お呼ばれした時やフォーマルな場などで、年に数回しか着ない服ってありますよね。でも、久々に着てみたら「ウエストがきつい!...
「プチ断食」って何? 前日から終了後までのやり方&注意点
 プチ断食とは、一週間に一日断食を行うダイエット法です。誰でも簡単に取り入れることができる手軽さが魅力な反面、正しいやり...
男ウケするモテネイル4選♡ ネイルが苦手な男性の本音も!
 女性はネイルをするとテンションが上がって、ウキウキしますよね♡ 何も塗っていないそっけない爪よりも、ネイルをしていたほ...
【意外と知らないまつ毛の話】なぜ伸びない?NG習慣&対処法
 くるんとカールした長いまつ毛の目元って、とてもキュートですよね♡ でも、中には「まつ毛がなかなか伸びない」「なかなか生...
【アロマオイル入門】初心者でも簡単♡使い方5つ&注意点
 近年、流行りのアロマオイル。興味を持っている人の中には「どう使ったら良いのか分からない」と、なかなか手を出せずにいる人...
脱おてもやん!年代別チークの入れ方・選び方・垢抜けテク♡
 血色感を出すのに欠かせないチーク。でも、何年もチークの入れ方を同じにしていませんか? 実は、チークは年代別に入れ方を変...
まつげパーマを長持ちさせたい!すぐできる方法5つとNG行動
 目元を魅力的に見せたり、メイク時間を短縮させるために、まつげパーマをしている人は多いでしょう。まつげがくるんとアップし...
目指すはカトパン!全方位型“ふんわり女子アナメイク”のコツ
 雑誌やテレビで見かける芸能人や有名人に「なれるものなら、あの顔になりたい!」「あんな姿に生まれていたら、私の人生も違っ...
憧れの“ハンサム女子”になるには?意識したい7つのポイント
 凛としてかっこいい「ハンサム女子」は、性別問わず憧れの存在。そんなハンサム女子に密かに憧れを抱いている人もいるのではな...
季節の変わり目は“ゆらぎ肌”に注意!春のお手入れのコツ5選
 長い冬が終わって待ちに待った春が来たのに、なんだか肌の調子が悪い……と感じたことはありませんか? もしかすると、それは...
不器用でも大丈夫♡ 誰でも簡単にできるまとめ髪アレンジ4つ
 ヘアアレンジが苦手で一年中同じ髪型をしている人は、意外と多いようです。でも、髪型を変えると印象をガラッと変えられるので...
「ヘッドスパ」のやりすぎにご注意! 正しい頻度とメリット
 美容に敏感な女性たちの間で、すっかり定番のケアになった「ヘッドスパ」。女性にとって嬉しいメリットがたくさんありますが、...
【種類別】クマ隠し方法!カラーテクニックで健康的な顔に♪
 目の下のクマでお悩みの人は多いでしょう。クマがあると、顔の印象が大きく変わってしまいますよね。 そこで今回は、頑固なク...
イメチェンするならボブスタイル♡ 定番人気の長さ&種類は?
 ヘアスタイルの中でも、幅広い年代に愛されている「ボブスタイル」! でも、一言でボブといっても、長さやデザイン別にたくさ...
化粧水の重ね付けでうるうる肌に♡ メリット&正しいやり方
 乾燥が気になる季節になると、化粧水を重ね付けしている人も多いでしょう。でも、リサーチしてみると「化粧水の重ね付けは意味...
2022年のトレンド眉毛は3つ! 描き方を変えて垢抜け顔に♡
 顔のパーツの中でも、第一印象に大きく影響する眉毛。でも、眉メイクはいつもの形でマンネリ化してしまいがちなので、気がつけ...