酒のアテになるごはん
やまだやの名物のひとつが「土鍋ごはん」です。「これが楽しみなんですよ」というファンも多いそう。
のんべえは米の飯だってツマミにしちゃうんです。そう思ってお願いすると、「お酒のアテにもするなら、やや濃いめの味付けがいいですよね」と高山さんが考えてくれたのが、さばの缶詰を使ったこのひと品。
使うさばの缶詰は水煮でも味噌煮でもOK。炊飯器に材料を入れてスイッチを押すだけでも、うまいさばごはんが出来上がるが、ここはやっぱり土鍋を使って炊きたいですよね。
「といっても、そう難しいことはありません。ポイントは2つ。最初は弱火にかけ、沸いてきたら一度、蓋を開けて中身をかき混ぜること。蓋は開けちゃいけないなんて言われますが、ご家庭の土鍋だと、これをしないと均等に火が入りません。かき混ぜたら、再び蓋をして、火加減を中火強にする。パチパチと音がし始めたら火を止め、10分くらい蒸らしたら完成です」
さば缶のうま味を吸ったお米は、ツヤツヤでモッチモチ。高山さんの言うように、濃いめの味付けが冷えた日本酒によく合います。
材料
・米 1合
・さばの缶詰 1缶
・エリンギ 大1
・水 160㏄
(炊飯器で炊く場合は140㏄)
・さば缶の汁 30㏄
・濃い口醤油 10㏄
・顆粒だし 小さじ1
レシピ
1. 米をとぎ、材料をすべて土鍋に入れる。エリンギは薄切りに。
2. 弱火にかけ、沸騰したら蓋を開けて中身を混ぜる。
3. 再び蓋をしたら火を中火強にし、パチパチと音がしたら火を止める。
4. 10分蒸らしたら完成。
本日のダンツマ達人…高山和慶さん
▽たかやま・かずよし
1976年、茨城県生まれ。料理専門学校で和食を学び、帝国ホテル内の「東京 ■(吉の士が土)兆」で丸7年、研さんを積む。確かな技術に裏付けされたセンスあふれる料理の原点は、「子どもの頃に母がつくってくれた『ふろふき大根』です」と話す。穏やかな表情と語り口そのままの優しい味で客の舌を満足させる。
▼やまだや
99年のオープン以来、客足の絶えない築地の創作和食店。オーナーの山田佳延さん(同左)が全国の生産者を訪ねて集めた食材がウリ。同じく厳選した酒は日本酒と焼酎だけでも常時50銘柄を用意する。メニューは6000円のコースのみ。「おいしい料理とお酒をゆっくり楽しんでいただきたいので」と時間制限は設けていない。予約必須。
東京都中央区築地7―16―3 クラウン築地1F
℡03・3544・4789
(日刊ゲンダイ2019年3月9日付記事を再編集)
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