「まぶたのたるみ」原因と予防法。おでこのシワにボトックスが不向きな人は注意【目元の美容専門医師が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2024-11-25 06:00
投稿日:2024-11-25 06:00

ボトックス治療が向いていない人もいる

 患者さんの中にはおでこのシワを改善させるためのボトックスを希望されても「まぶたが重くなるタイプなので、適応がありません」と施術できない診断になるケースは珍しくありません。

 眼瞼下垂(がんけんかすい)の症状が強く、日頃から目を開けるためにおでこの筋肉(前頭筋)を無意識に使っている人などは、ボトックスを打つことで目が開けにくくなり、日常生活に支障が出てしまう場合も…。

 手の平でおでこを覆って前頭筋が動かないようにした状態でまぶたが無理なく上がるかどうか。セルフチェックをやってみるのもいいでしょう。

 最終的にクリニックで診断を受け、ボトックス治療が向いてない場合でも、まぶたの皮膚を切除する眉下切開でおでこのシワは消せるので、安心してください。

おでこが下がらない美容医療的予防法は…

 逆に、ボトックスが適している人はまぶたのたるみがなく、おでこを使わなくても目が開けられるタイプです。まぶたは、隣接するおでこのたるみが直に影響するパーツ。それが、特殊な部位であるゆえんです。

 美容医療でおでこを下げないようにする予防法は、定期的なHIFUや高周波がおすすめ。おでこの筋肉や皮膚を引き締めることでたるみにくくします。

 眉毛を下げる方向に動かす筋肉(皺眉筋や眼輪筋、眉毛下制筋など)の力を弱めるための、眉間や目尻のボツリヌストキシンも効果があります。シワ予防にもつながり、私も3カ月に一度、受けています。

まぶたがたるむ原因は「まばたき」

 まぶたのたるみを訴え、来院される患者さんの中で、最も多い原因は何だと思いますか? 日頃の「まばたき」です。

 ヒトは日に1~2万回のまばたきをすると言われ、使い続けたヘアゴムがビヨ~ンと伸びてしまうように、自然現象であるまばたきをすることで、徐々に伸縮性がなくなっていくのです。

 年齢を重ねるとたるみが生じるのは仕方のないこと。ただし、極力伸びさないために、摩擦や炎症を加えないように心がけたいところです。

 長年のアイプチや、紫外線対策を怠ってまぶたに付加がかかり、炎症が続いているような状態を放置しておくと、皮膚はどんどん伸びてしまいますし、アトピーやアレルギーで目を擦る癖があるのも、慢性的な炎症につながります。

 炎症同様、乾燥も大敵。洗顔後に保湿する習慣がない人は、慢性的に皮膚にハリがない状態となり、皮膚の弾力がなくなってシワが入りやすく、お化粧ノリも悪くなります。

 皮膚のシワをたるみが出てきたと訴える患者さんには「日頃のケアの積み重ねを怠らずに行いましょう」とお話ししています。

 美容医療は施術に限らず、日々のケアも重要。多くの症例と向き合い、治療・診断する経験を活かして開発されたクリニック発のスキンケア商品はいろいろ出ているので、気になるものがあったら、担当医と相談の上、お試しになってもいいかもしれません。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


夏のメイク直し最強アイテム4選♡ ミスト使いで差をつけよう
 皮脂や汗で、メイクがドロドロに崩れやすい夏。特にマスクをつけた日には、ムレや擦れも起こるため、朝のメイクを保つのは至難...
正しいブラッシングのポイント&意外と知らない5つの注意点
 美しい理想的な髪を目指し、シャンプー選びやトリートメントに気を使っている人も多いでしょう。しかし、美髪にはブラッシング...
男ウケを狙うなら?知っておきたいモテ髪&NG髪の特徴6選♡
 せっかく髪型を変えるのであれば、男性から「可愛い」と思われたいですよね。どんなに同性から評判が良かったり、自分では気に...
大人気のヘアケアアイテムは違う! ツヤ髪で目指せ若返り♡
 美容記事やランキングなどで常連のヘアケアアイテムは、人気なだけあって本当に髪が生き返ります! 髪がキレイだと健康的に見...
紫外線から髪や頭皮を守ろう!ヘアケアでできるUV対策5選
 夏になると、顔や手足に日焼け止めを念入りに塗っている人も多いでしょう。でも、忘れてしまいがちなのが、髪へのUV対策! ...
マスクに甘えていませんか? “マスク老け”の原因&予防方法
 コロナが始まってから、すっかり定着したマスク生活。息苦しさなどの不便はあれど、顔が隠れることで「ノーメイクでも平気」「...
男性はぽっちゃり好き? モテ体重&モテ体型の6つの特徴♡
 女性だったら「男性からモテる理想の体重になりたい」と、一度は思ったことがあるもの。しかし、モテ体重は男性目線と女性目線...
リンスとコンディショナーは何が違う?効果を高める使い方
「シャンプー後にリンスやコンディショナーをつける」というのは、もはや常識ですね。でも、リンスとコンディショナーの違いを知...
ニキビ跡をメイクで完全に隠す方法!揃えるべきアイテム4選
 せっかくニキビが治ったのに、しつこく残ってしまうニキビ跡。本当はナチュラルメイクをしたいのに、ニキビ跡に合わせてついつ...
アルコール除菌で手荒れ急増!すぐに試せる「美指」対策7選
 コロナ対策のため、頻繁に手洗いをするようになった最近。どのお店の入り口にもアルコール除菌アイテムが置いてあり、手指消毒...
メイク持ちをアップ♪メイクキープスプレーの使い方&選び方
 女性にとって、メイク崩れは厄介な悩みのひとつ。せっかく時間をかけてメイクしたのに数時間後に崩れてしまう……あるあるです...
ストレス太り診断! 太る理由&ストレス予防の対策5選!
 人間誰しも、何かしらのストレスに悩まされていることでしょう。そんなストレスから過食になる人も多く、「ストレス太り」で、...
キャンメイク、セザンヌも…プロが推す夏のプチプラ新作3選
「キャンメイク」「セザンヌ」「ダイアン」は、ドラッグストアで買える大人気プチプラブランド。毎シーズンの新作には、デパコス...
「キャンメイク」夏の新作で大人の“マスク顔メイク”に挑戦!
 マスク生活が続く今、日々のメイクを見直している女性も多いですよね。リモートワークやちょっとした外出ではメイクをしっかり...
割れたパウダーファンデを復活させる方法!リメイクも可能♡
 パウダーファンデーションをうっかり落として粉々に……コスメあるあるではないでしょうか? でも、がっかりするのはまだ早い...
男性ウケ抜群!すっぴんっぽいメイクのポイント&作り方♡
 長いあいだ同じメイクをしていると、ふと「似合ってないかも?」なんて、違和感を感じることがあります。そんな時は、メイクを...