KALDIで買える「間違いのない白ワイン」。白の王道銘柄はシャルドネ、ソーヴィニオン・ブランだけ?

市野瀬瞳 フリーアナウンサー
更新日:2025-02-26 06:00
投稿日:2025-02-26 06:00

白ワインの王道といえば、「シャルドネ」か「ソーヴィニオン・ブラン」だけ?

 ここ数年ずっと、仕事を終えて自宅へ帰る途中、名古屋駅構内のKALDIに立ち寄ってワインを物色するのが“日課”となっております。KALDIは短いスパンでワインの品揃えが変わる傾向があり、商品棚を覗く時点からして楽しい♪

 今夜はスタンダード白ワイン! と決めて、いつものようにウキウキしながらKALDIへ向かった某日。まぁ白というと、きっと多くの方々は王道の「シャルドネ」か「ソーヴィニオン・ブラン」をイメージすることでしょう。

 しかし残念なことに、この日は両銘柄ともに個人的にグッとくるものが店頭になかったんですね…。ですが、ここで引き下がるワケにはいかないのが、ワインオタクの市野瀬。隅から隅までくまなく目で追いかけていると、まさかの1000円台で、ワインラバーたちに愛されている『間違いない品種の1本』に出会えました!

 シャルドネと唯一肩を並べる二大高貴白ブドウ品種、リースリングです。ちなみに私の周りのクロウトたちは、好きな品種をリースリングと言いがちです(笑)。

【こちらもどうぞ】絶対に役立つ!「白ワインの品種はたった4つ」覚えればいい

リースリングの魅力は?

 ドイツワインの名声を築いた伝統品種・リースリングの魅力は、なんといっても優雅さ&繊細さ。ええ、私の永遠の憧れです(苦笑)。晩熟なリースリングは、ドイツのような寒冷地域でゆっくり育つことによりそのおいしさが“開花”すると言われていて、その土地のテロワール(気温、日照時間、降雨量などブドウ畑を取り巻く全ての環境要因)の特徴をすこぶる反映するんです。

 辛口から甘口、さらには超絶高価な貴腐ワインまで様々なスタイルで、ブドウ畑や生産年の個性を表現する能力を備えている優秀かつ高貴な品種…それが今回の主役です。世界各国広い地域で栽培できるシャルドネと違い、リースリングは場所を選ぶので、他品種に比べてやや栽培しにくく、比較的お値段も高めに販売されているんですよ。

ドイツ最古のワイン生産地・モーゼル生まれの1本

 なのにこの価格とは…さすがカルディ様♡

 ってことで私が手にとった1本は『Riesling MOSEL(EKW モーゼル リースリング)』1,337円・税込み)です。ドイツ最古のワイン生産地・モーゼルは、ドイツのライン川に流れ込むモーゼル川流域に広がる産地で、香り高く繊細でエレガントな酸味が最大のウリのリースリングが生まれます。

 外観は澄んだ輝きのあるレモンイエロー。とにかく華やかで上品で、白い花のような可憐な香り…柑橘系果物や青リンゴ、ハーブやミネラル香も感じられますね。

 時間とともにハチミツのニュアンスもふわりと顔をのぞかせてきて、ずっと愛でていたくなるような香りなわけですが、お味も申し分ございません!

リースニングの香りといえば「ペトロール香」

 一口目のアタックはとっても軽やか。ドライな甘味で、爽やかでキメ細かい酸味、苦味は穏やかで、まさにエレガントでミネラリーな味わいです。

 リースリングに顕著に出るペトロール香(コレワイン界の超専門用語で、分かりやすく言うと、石油のような香り。コレ私大好きなんです!)もしっかりと感じられ、絶妙なバランスで調和する甘味とスッキリとした酸味の一体感が素晴らしい~。

 やはりリースリングにしかない深みと繊細さを届けてくれました。

魚介類、ソーセージ、ハム&チーズとの相性グー!

 サーモンやホタテのカルパッチョなど魚介料理に合うのはもちろんのこと、ワインのミネラル感と合わせて岩牡蠣も最高!!

 香りとの同調でレモンやハーブを使ったお料理にも合いますし、ペアリングの基本である”同郷”効果で、ドイツの食文化であるソーセージや、ハム&チーズの盛り合わせなんかにも、手軽にできるペアリングとしてオススメです。

 ちょっとクロウトになった気分で、この1本をぜひお試しを…!

「私の好きな品種はモーゼルのリースリングよ♡」

 この一言で、「おっ、この人だいぶワイン分かってるな…」と思われるコト間違いなしです!笑

市野瀬瞳
記事一覧
フリーアナウンサー
1984年12月25日新潟県生まれ。横浜国立大学在学中、女子大生リポーターとしてテレビデビュー。大学卒業後、NST新潟総合テレビの局アナになり、2012年に中京テレビに移籍。2020年にフリーアナウンサーになる。ラジオのレギュラー出演をはじめ、2021年には日本テレビ「踊る!さんま御殿!」に出演し話題となった。

2021年10月にJ.S.A.認定ワインエキスパートの資格を取得。2022年7月にはワイン国際資格であるWSET(Wine & Spirit Education Trust)Level 3に合格。2021年11月、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定の「唎酒師」、2022年10月、ドイツワインケナー、日本酒と焼酎の知識に特化した「J.S.A.認定SAKE DIPLOMA」、2023年1月に「NAPA VALLEY WINE EXPERT」、2023年2月「J.S.A.ワイン検定認定講師」、2023年4月「日本ワインアドバイザー」を取得。

現在、東海ラジオ「Saturday Flavor」、MBSラジオ「クリス松村のザ・ヒットスタジオ」のレギュラー、テレビCM「みどり法務事務所」に出演中。

XInstagramYouTubeオフィシャルブログ事務所HP

関連キーワード

フード 新着一覧


まるでステーキ! 分厚さが魅力の「ポークのしょうが焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインに「モルタデッラとタレッジョのクロスティーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
生クリームのコクが決め手「カニとブロッコリーのサラダ 」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
簡単だけど見た目は華やか「千枚漬け寿司」おもてなしにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、手軽...
つぶ貝をエスカルゴに見立てた「つぶ貝のガーリックバター」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
お酒にも合う「さば缶ごはん」 土鍋で炊くとさらに美味しい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「クリームチーズ醤油漬け」味噌漬けよりもシャープな風味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
クミンシードが香る「干し芋の熱々スパイシークミンバター」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「赤坂 まるしげ」の与那覇朝雄...
暑い日に食べたい「蒜泥黄瓜(キュウリのニンニク和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「モヤシのスパゲティ」お安いモヤシで作る簡単イタリアン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・西大橋駅近くのイタリアン「トラットリアパッ...
「ちょっとタイム、車エビとこしょう」熱々をカリッとどうぞ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
あの里芋が大変身!シャキシャキ食感が新しい「里芋そば」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂「多に川」の阿部学さんに里芋の新しい魅...
「めんたいパスタ風うどん」めんたいこの程よい塩気がクセに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・小岩の立ち飲み屋「カミナリ3ダー」の北岡圭...
「ヒラメの昆布締め」引き締まった身に昆布のうまみが染みる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さ...
簡単万能ソースで南仏の味を楽しむ「タコのマリネ香草風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾...
「サバの味噌煮缶とトマトの煮込み」2つの酸味が味に深みを
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリ...