「色白のお肌がいっそう映えますね」呉服屋・イケメン若旦那は熱海の旅館でマクラ営業? #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-04-11 06:00
投稿日:2025-04-11 06:00

逢瀬が忘れられない

 帰京後、静香さんは300万円を超える買い物に、母や祖母には叱られたという。

「その後、航平さんとの逢瀬が忘れられず、私は店に通いました。でも、通うだけではいけません。ちゃんとお金を落として、彼に貢献しなくちゃ。店には相変わらず航平さん目当ての女性客が『若旦那、新作はまだ?』『若旦那、今度お食事に行きません?』と彼を狙っているんです。相変わらずモテモテの彼。でも、彼と特別な関係を持った私は、いくぶんか優越感に浸っていたのも事実です」

 しかし、思いがけないことが起こった。

セレブから告げられた衝撃の事実

「ある日、銀座の和光前で信号待ちをしていたら、

――あら、静香さんじゃないの。

 名前を呼ばれ、振り向きました。見れば、航平さんの店で時々会う日本舞踊の師範・涼子さんです。50代のふっくらとしたセレブは、確か熱海の展示会にも来ていたはず。

――涼子先生、こんにちは。

 私は笑顔で会釈をすると、涼子さんは含み笑いをしながら近づいてきたんです。

――ねえ、熱海の展示会、最高だったわね。あなたったら若旦那とさっさと個室に消えちゃうんだもの。気が気じゃなかったわ。

――あ…ああ、あの日は、お勧めの訪問着を…。

 そう言いかけた私の言葉を、涼子先生が遮りました。

――いいのよ。だってあの後、私も別室に呼ばれたんだから。ふふっ。

――え?

――若旦那ったらタフよね。とても40歳には思えない。だって、夜の部では久恵さんともよ。

――久恵さんて…あのお琴の師匠の…?

――ええ、久恵さんたら今年還暦よ。女は灰になるまでって本当ね。若旦那も商売上手なんだから。

 くすくすと笑う彼女を前に、私はひざがから崩れ落ちそうになるほどのショックを受けたんです」

 続きは次回。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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