「女は求められてなんぼよね」還暦女とも男女の仲に…若旦那を共有するセレブ妻らの同盟 #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-04-18 06:00
投稿日:2025-04-18 06:00

彼会いたさに再び呉服屋へ

「航平さんと会うのがつらく、3週間ほど呉服屋には通えませんでした。でも、やっぱりダメですね。一度関係を持ってしまうと、未練を抱いてしまう。結局、彼会いたさに呉服屋の門をくぐりました。航平さんは何もなかったように笑顔で迎えてくれたんです。

 ――静香さん、いらっしゃいませ。今日の水色のお着物も清楚でお似合いですね。しばらくお運び頂けなかったので心配していたんですよ。

 ――ごめんなさい。ちょっと体調を崩していたので…。

 私はとっさに笑顔を作りました。誰のせいで心を病んでいたのか、気にも留めていないでしょうね。そんな女心など知るはずもない彼は、

 ――ちょうどよかった。静香さんが先日購入された訪問着に似合う帯が入荷したんです。どうぞ奥の部屋へ。

 ――えっ、奥の部屋…ですか?

 ふだんは『スタッフ以外、立ち入り禁止』と書かれたドアがあることを知っていました。しかし、

 ――今はスタッフが出払っているので。

 私は促されるまま小部屋に招き入れられました。ほの暗い四畳半ほどの空間。その一角には、花菱模様のフォーマルな袋帯が飾られていました。

毒づいても彼にあらがえない

 ――ステキ…艶(あで)やかですね。

 ――静香さんの艶やかさには適(かな)いませんよ。

 そう囁かれたときでした。あっと思う間もなく彼に手を取られて、引きよせられたんです。彼は着物の袷(あわせ)を広げることなく、背後から裾をめくりあげて迫ってきました。

 抵抗するふりをしましたが、女って弱いですね。言いたいことはいっぱいあるのに、私を『女』にさせてくれる唯一無二の彼にあらがうことなどできません。

(他の客にも同じことしてるんでしょう?)

 そう胸中で毒づいても、心とは裏腹に体は敏感に反応しました。声を出しちゃダメ…と思うほど、昂(たかぶ)りが増していくんです。

 結局、その日も男女の関係となり、勧められた25万円の袋帯を購入しました」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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