23歳に本気の恋。40代男性が味わった“地獄と再生”の日々「妻とは離婚寸前だったのに」

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-06-27 11:50
投稿日:2025-06-27 11:50

土下座謝罪を受けれた妻に感謝

 翌日、和彦さんは妻に土下座して謝った。

「妻は涙ぐみながら『戻ってくるなら、いつでも受け入れるつもりだったわ』と許してくれました。母親って強いですね」

 その後、和彦さんは心機一転、自分磨きを始めた。

 ジムに通ってダイエットし、イメージコンサルタントのアドバイスを受けて、ファッションや髪型を変えたのだ。成果はみるみる表れた。

「2か月で10キロのダイエットに成功し、今もジョギングと筋トレを欠かしません。

 息子も「パパ、カッコいい!」と大喜びし、ようやく笑顔を向けるようになったんです」

今の幸せは神様がくれた2度目のチャンス

 いま、和彦さんは家族と平穏な日々を送っている。

 だが、一人になると、ふと優佳さんの顔が浮かぶことがあるという。

「なぜ、離婚届を出す直前に、彼女は去ったのか。それだけが今もわからないんです」

 人は「もうすぐ手に入る」と実感した時、不思議とその現実から身を引きたくなることがある――心理学でも、そんな傾向が知られている。

 不倫中は「結婚したい」と強く願っていても、いざ現実が近づくと、責任の重さに圧倒されて逃げたくなる――それは、恋という名の幻想が壊れるタイミングなのかもしれない。

 優佳さんの中で「心のよりどころ」であった和彦さんが、「現実の夫」になろうとした瞬間、彼女の幻想は崩れ、元彼へと走らせたのだろうか。

 和彦さんは語る。

「今の幸せは、神様がくれた2度目のチャンスだと思っています。あのとき電話をくれた友人は、命の恩人です」

 愛されたいという欲望は、時に人を破滅へと導く。

 だが、手を差し伸べてくれる人がいたなら、人は何度でも立ち上がれるのかもしれない。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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