「シュークルート」寒い夜は煮込み料理で体の芯から温まろう

コクハク編集部
更新日:2019-11-26 06:00
投稿日:2019-11-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さんに、寒い夜にぴったりな「シュークルート」のレシピを教えていただきました。

アルザス料理の王道

「シュークルートがあるから、うちの店はもっているようなもの(笑い)」(オーナーの富田さん)というジョンティの絶対的エース。自家製のベーコンやソーセージ、塩漬けした豚すね肉を豚のブイヨンでじっくりと煮込むというプロのレシピを、家庭用にアレンジしてくれました。ちょっぴり上級者向けです。

「ザワークラウトは、プレス機能のついた漬物器で作るのがベストです。発酵させる過程でキャベツが水に漬かっているのが成功の秘訣であり、漬物器で圧をかけるのが効率的に失敗も少なく作れます」(富田さん)

 ザワークラウトは市販の瓶詰で代用して、ラード、ジュニパーベリー、キャラウェイ、ブイヨンといったスパイスやスープの力を借りれば、本格的な味に近づきます。

 寒い夜にはコトコト、コトコト……煮込み料理をゆっくりと味わうぜいたく。相棒にはぜひ、アルザスのリースリングを。

【材料】

・キャベツ 2分の1個
・塩 キャベツの重さに対し1・2%
・ビール(発泡酒などでも代用可) 30㏄
・玉ねぎ 2分の1個
・ラード(サラダ油や豚肉の脂身でも代用可)
・ジュニパーベリー(黒コショウでも代用可) 5粒
・キャラウェイシード 1つまみ
・ブイヨン(顆粒の洋風コンソメを溶いたもので代用可) 150㏄
・好みの肉類2種(豚バラ肉の塊、ソーセージなど)

【レシピ】

1. ザワークラウト(発酵キャベツ)を作る。粗めの千切りにしたキャベツに塩をまぶし、保存容器に入れ、重しなどで負荷をかけ水分を出す。全体がひたひたに漬かるほどの水分が必要となるが、途中で水(分量外)を足してもいい。4~5日かけて寝かせる。
2. ラードを入れた鍋を中火にかけ、1センチ幅のくし切りにした玉ねぎを加えて軽く炒める。①とビールを加え、混ぜ合わせる。
3. 2の鍋に豚バラ肉の塊(塩漬けしたものなら、なお良し)やソーセージなど好みの肉類、スパイス類を加え、煮込めば出来上がり。

本日のダンツマ達人…斎藤光さん

▽ジョンティ
 オーナーの富田裕之さんが都内300軒以上の物件を歩き回り、ベストを探し出したという浅草橋に店を構えたのは、2009年5月のこと。都内の老舗洋菓子店でパティシエを務めたのち、ワインに魅了されると同時に飲食のサービス業に開眼。フランスの各地を旅するうち、アルザス地方の街並み、料理、ワインに惚れ込み、おいしい酒と料理とお客をつなぐという精神のもと、アルザスに特化した専門店をオープンさせる。

 大きな黒板に書かれたメニューはざっと約40種類。本日のモツ料理、グラタン、お魚料理といった定番の日替わりメニューに心躍るワイン好きの食いしん坊にはたまらないオトナ向けの食堂だ。厨房を任されている斉藤光シェフの腕は安定感抜群でファンが多く、冬の風物詩であるイノシシやウサギといったジビエ料理も3月末まで楽しめる。
東京都台東区浅草橋2―5―3。11時半~14」時LO、18時~21時半LO(土日祝/12~15時LO、18~21時LO)。水曜・第3火曜休。

(日刊ゲンダイ2018年11月9日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


のどと胃腸に優しい紅白料理「カブと赤カブ ニンニク和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代々木上原の「吉田風中国家庭料理ジーテン」...
誰が作っても失敗しない!「棒々鶏」は簡単&作り置き向き
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代官山の煮込みダイニング「Choi.S」の...
「豆腐と玉ねぎのからし和え」自家製からしドレッシングで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の和食店「おにくのおすし 浅草店」の南...
「厚切りベーコンの酒粕漬け」あぶった香りだけでも飲める!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の立ち飲みの割烹料理店「さかづき」の坂...
「マカポテサラダ」銀座の女性への心配りが込められた一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食とワインのお店「時喰み」の佐々木...
天日干しで甘さを引き出す「大根の醤油漬け」のひと手間
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・幡ケ谷にある「餃子の店 您好」の野坂由郎さ...
「チーズのカリカリ焼き」じっくり弱火でチーズを焼くだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
「ウナギと卵のオープンサンド」ふわとろでボリューム満点!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
これは反則ワザ!「ウニじゃがバター」でねっとり感を堪能
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のダイニングバー「麦酒屋るぷりん」の海...
【豆苗まるごと豚バラ鍋】ごま油はひと工夫で香味アップ!
 鍋のシーズン真っ盛り。市販の鍋スープもいいですが、いつも同じ味でちょっと飽きたなぁというときにおすすめの鍋を紹介します...
ぐっち夫婦 2020-02-13 15:20 フード
「キウイのカツレツ」キウイの“皮”が食感のアクセントになる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
「ニンジンとレーズンのクミン風味」シンプルな素材と香り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
「ミニトマトのナムル」漬けダレがトマトの甘味を引き立てる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
スイーツ系おつまみ「黒豆クリームチーズ」で正月の箸休め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
「とこぶしの唐揚げ」間接的に火を入れてうま味を逃がさない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
「大人のオムライス」鶏肉の中に焼き飯をたっぷり詰めて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は広島市・鷹野橋駅の鉄板料理店「こぱん亭」の鬼頭典...