「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」濃厚なのにサッパリ

コクハク編集部
更新日:2020-03-23 06:00
投稿日:2020-03-23 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに、春らしさたっぷりの「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」のレシピを教えていただきました。

サルサソースは作ってから1時間置く

 オイスターバーが各地に定着し、一年を通しておいしいカキが食べられるようになりました。三陸には、桜の時季に合わせて流通する、大ぶりのカキもあります。そんな海のミルクがトップシェフの手にかかると、一段と濃厚さを増します。

「生食用のカキを仕入れたら、少量の白ワインとニンニクで蒸すだけ。時間? レシピ本には、15分と書かれていたりしますが、ふたが少し開いたら出していい。蒸し足りなければ、もう一度蒸せばいいですから」

 生食用だから、それくらいの蒸し加減で大丈夫。一口含むと、ふっくらとした海のミルクはギュッと濃縮され、ほんのりとしたニンニクがサルサとカキのエキスを一つにまとめてくれます。濃厚なミルクがサッパリとした後味を残して胃に落ちる。最高のワインのアテです。

「サルサソースは作ってすぐ使うのではなく、1時間置くのがコツ。塩分で食材から出る水分が、ソースになじむのです」

 そしてハラペーニョ。

「辛味が苦手の方は粗く、辛味を強めたければ細かく刻むのもポイントです」

 食べて気づいたのは、ニンニクの風味。ソースに加えず、蒸して風味だけ残すから、香りと後味が優しいんですね。パクチーの風味も相まって、春らしい一皿です。

【材料】

・カキ(殻つき) 6個
・ニンニク  1片
・白ワイン 少々(ニンニクが浸る程度)

【レシピ】

 ニンニクが浸るぐらいに鍋に白ワインを入れたら、殻つきのカキを入れて火にかける。カキの殻が開いたら殻からはずしてできあがり。

【材料】サルサソース

・トマト 1個
・ハラペーニョ  1枚
・パクチー  2分の1束
・タマネギ  2分の1個
・塩 適量
・コショウ  適量
・オリーブオイル  小さじ1

【レシピ】

 トマトの種を抜き、1センチ角に切る。ハラペーニョとタマネギはみじん切り。パクチーは茎の部分も小口切りに。すべてを混ぜて、1時間ほど味をなじませる。仕上げにライム果汁を少々。ライムがなければ、レモンで。レモンの方が酸味が強いので控えめに。

今日のダンツマ達人…市川路朗さん

▽いちかわ・じろう
 ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。

▽ジィーロ
 ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。横浜市中区野毛町1―29。

(日刊ゲンダイ2018年3月20日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「柴漬けアーリオ・オーリオ」ワインに合う人気賄いメニュー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
自家製「鶏ハム」超簡単なのにしっとり&うま味じんわり!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「タコとオクラのマリネ」イタリア魚醤で味の輪郭くっきり
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「きゅうりのバルサミコ酢マリネ」うま味と歯ごたえが絶品!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「ピーマンとツナのサラダ」ピーマンのしんなり加減はお好みで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「イチジクのコンポート」コツはイチジクの赤さを残すこと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「あん肝の奈良漬け添え」まるでムース…奈良漬と相性抜群!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
うま味が濃厚!「煮帆立」帆立てとはまぐりのマリアージュ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
秋を先取り! 生落花生のおいしい食べ方♡ 2021.9.2(木)
 まだまだ暑い日が続きますが、無人販売所には少しずつ秋の気配が。  8月下旬から旬を迎える「生落花生」が並ぶように...
江戸前寿司の象徴「煮はまぐり」 余熱でふんわり軟らかく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「長芋すりおろしゼリー」トロッとした食感にアサリのうま味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
やめられない止まらない「ガーリックチーズペッパーナッツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...
豊かな風味とコクの「レモングラスチキン」漬けて焼くだけ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...
夏に最適! さっぱりおいしい「酢ショウガ」2021.8.28(土)
 すっかり日常に欠かせなくなった無人販売所。今回は朝採れのショウガをゲットしました!  しかも青々とした葉っぱ付き...
人気ビストロのワイン半額セールに遭遇!2021.8.27(金)
 たまにはお洒落な街を歩いて右脳を刺激してみるか! と、東京・有楽町から丸の内方面に歩いて向かっていた、とある8月の夕暮...
「スパイシーチキンカリー」市販のサラダチキンで和の風味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...