サルサソースは作ってから1時間置く
オイスターバーが各地に定着し、一年を通しておいしいカキが食べられるようになりました。三陸には、桜の時季に合わせて流通する、大ぶりのカキもあります。そんな海のミルクがトップシェフの手にかかると、一段と濃厚さを増します。
「生食用のカキを仕入れたら、少量の白ワインとニンニクで蒸すだけ。時間? レシピ本には、15分と書かれていたりしますが、ふたが少し開いたら出していい。蒸し足りなければ、もう一度蒸せばいいですから」
生食用だから、それくらいの蒸し加減で大丈夫。一口含むと、ふっくらとした海のミルクはギュッと濃縮され、ほんのりとしたニンニクがサルサとカキのエキスを一つにまとめてくれます。濃厚なミルクがサッパリとした後味を残して胃に落ちる。最高のワインのアテです。
「サルサソースは作ってすぐ使うのではなく、1時間置くのがコツ。塩分で食材から出る水分が、ソースになじむのです」
そしてハラペーニョ。
「辛味が苦手の方は粗く、辛味を強めたければ細かく刻むのもポイントです」
食べて気づいたのは、ニンニクの風味。ソースに加えず、蒸して風味だけ残すから、香りと後味が優しいんですね。パクチーの風味も相まって、春らしい一皿です。
【材料】
・カキ(殻つき) 6個
・ニンニク 1片
・白ワイン 少々(ニンニクが浸る程度)
【レシピ】
ニンニクが浸るぐらいに鍋に白ワインを入れたら、殻つきのカキを入れて火にかける。カキの殻が開いたら殻からはずしてできあがり。
【材料】サルサソース
・トマト 1個
・ハラペーニョ 1枚
・パクチー 2分の1束
・タマネギ 2分の1個
・塩 適量
・コショウ 適量
・オリーブオイル 小さじ1
【レシピ】
トマトの種を抜き、1センチ角に切る。ハラペーニョとタマネギはみじん切り。パクチーは茎の部分も小口切りに。すべてを混ぜて、1時間ほど味をなじませる。仕上げにライム果汁を少々。ライムがなければ、レモンで。レモンの方が酸味が強いので控えめに。
今日のダンツマ達人…市川路朗さん
▽いちかわ・じろう
ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。
▽ジィーロ
ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。横浜市中区野毛町1―29。
(日刊ゲンダイ2018年3月20日付記事を再編集)
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