「ホタルイカの生姜醤油煮と天ぷら」春の味覚を2つの料理に

コクハク編集部
更新日:2020-05-06 06:00
投稿日:2020-05-06 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、純米酒と合わせたい「ホタルイカの生姜醤油煮と天ぷら」のレシピを教えていただきました。

「ぜひ富山県産で作って」

 夜明け前の富山湾にキラキラと揺れ動く青白い光の数々。そんな幻想的なホタルイカ漁は、春の風物詩です。とはいえ、水揚げ量では兵庫県の方が上回っていて、スーパーで手頃な価格で出回っているのも圧倒的に兵庫県産。

「でも、胴の太り具合といい、味噌の充実度といい、富山県産のほうが格段に上。味噌こそがホタルイカの醍醐味なので、多少値は張りますが、ぜひ富山県産で作ってください」

 ボイルしたホタルイカのつまみといえば、酢味噌和えがいちばん手軽ですが、川辺さんは甘辛味の煮ものと天ぷらに。

「ホタルイカは一度さっと煮たほうが生臭さがなくなって、よりおいしくなると思います。生姜をたっぷり入れるのがポイントですね。天ぷらにするときは、胴体が破裂して油がはねることもあるので注意してください」

 生姜醤油煮は味噌のうま味が凝縮し、濃厚な味わい。芳醇なタイプの純米酒を口に含めば、うま味がぐいぐい広がっていきます。天ぷらはサクッとした衣とプリッとした食感のコントラストが絶妙。油を切ってくれる酸のある純米酒を合わせれば、天ぷら→お酒→天ぷら→お酒の無限ループ状態に。

生姜醤油煮【材料】

・ホタルイカ(ボイルしたもの) 適量
・A(だし160ミリリットル、濃い口醤油、みりん各20ミリリットル、生姜2片分)

生姜醤油煮【レシピ】

1. ホタルイカは目とくちばし、軟骨を取る。生姜は千切りにする。
2. 鍋にAの材料を合わせて火にかけ、沸騰したら1を入れて煮る。ひと煮立ちしたらアクを取り、3~4分煮て火を止め、そのまま冷ます。

天ぷら【材料】

・ホタルイカ(ボイルしたもの) 適量
・天ぷら粉 大さじ3
・青のり 小さじ1
・水 大さじ4
・揚げ油 適量

天ぷら【レシピ】

1. ホタルイカは目とくちばしと軟骨を取り、キッチンペーパーで水けを取る。
2. ボウルに天ぷら粉、青のり、冷たい水を入れてよく混ぜ合わせる。
3. 天ぷら粉(分量外)を1に軽くはたいて2にくぐらせ、180度に熱した揚げ油で揚げる。浮いてきたらすぐに引き上げる。

本日のダンツマ達人…川辺輝明さん

▽かわべ・てるあき
 1974年、東京都生まれ。高校卒業後、専門学校を経て、ワーキングホリデーなどで3年ほど海外へ。帰国後、数軒の飲食店で修業をし、三軒茶屋の日本酒居酒屋「赤鬼」から2004年に独立。学芸大学に「件」をオープン。

▽くだん
 東急東横線沿線では横浜に次いで飲食店が多いといわれる激戦区・学芸大学駅前で愛され続けて14年。こだわりの日本酒は定番が40種類で、酒蔵とのコラボによるプライベートブランドもあり。名物は天然素材のみでとったダシで炊いたおでん。東京都目黒区鷹番3―7―4。

(日刊ゲンダイ2018年4月27日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「筋子納豆ピザトースト」太宰が愛したテッパンの組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...
「カレイの昆布和え」「アジのアボカド和え」ひと手間が大事
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
「ぶり山椒」ぶりの脂と山椒のピリッに焼酎のロックがすすむ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんに、焼...
3分で完成する「地獄豆腐」 箸が止まらぬ辛さにビールは最高
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんに、あ...
口の中でフワッと溶ける「親子丼リゾット」はワインと一緒に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...
「蛤と九条葱のさっと煮」驚くほど軟らかく仕上がるプロの技
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
洋風南蛮漬け 味が染み込んだ「ワカサギのエスカベッシュ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...
ニンニクと唐辛子とオリーブオイルで「サバ缶のアヒージョ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の居酒屋「じんから」の堅谷博さんに、...
フライパンひとつでできる「鶏レバーのレモンクリーム煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
焦がしバターが香る「サバのムニエル ブールノワゼット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...
新提案!旬の野菜でつくる「万願寺トウガラシの肉詰め焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のワインビストロ「CLOUD NINE...
ヘルシーおつまみ「アボカドのディップ」糖質を気にする人に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...
暑い日に「なすのスタミナそうめん」ナスと大葉の相性が抜群
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の居酒屋「じんから」の堅谷博さんに、...
万能の黒こしょうソースと「豚三枚肉とズッキーニのソテー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
豚バラともやしを重ねて蒸すだけ!食欲そそる夏☆満足おかず
 梅雨も明けて、すっかり夏ですね。暑い日はコンロの前に立つ時間を短くしたいもの。今回は「重ねるだけ」で簡単に作れる猛暑に...
ぐっち夫婦 2020-09-27 11:52 フード
白ワインと一緒に 「夏ヒラメと薬味野菜のカルパッチョ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かず...