日本酒でもワインでも
今回は野趣あふれる一品です。
「豚バラの脂と、淡泊なイカでありながらコクのあるゴロが絶妙にマッチングし、みそ調味料がそれぞれの素材の味を引き出させてくれます」
スルメイカは北海道、東北で真イカとも呼ばれ、ポピュラーな食材。そのまま刺し身やイカソーメンが一般的ですが、塩辛、イカめし、スルメなどにも加工されています。胴に張りがあり、透き通ったツヤのある濃い茶色の身なら鮮度がいい証拠です。
「合わせみそは作り置きも可能な万能調味料です。北海道名物の鮭のちゃんちゃん焼きや、野菜やコンニャクの田楽などにも使えるので用途が広い。別合わせで使うマヨネーズは合わせみそとの相性が抜群。グッとコクとまろやかさが出て、あっという間に和風テイストに変わります」
店のソムリエである三上さんのオススメは、ワインならライト~ミディアムボディーの赤。特に熟した果実味とスパイシーな風味、そして濃厚な味わいのメルローやシラーを。白ワインならしっかりコクがあるが、強烈な個性やクセがないシャルドネを合わせたいですね。辛口の日本酒は冷やでも燗でもOK。酒量が進むこと請け合いの一品です。
【材料】(4人前)
・スルメイカ 1パイ
・豚バラスライス 200グラム
・キャベツ 1/6
・たもぎ茸 1パック
・長ネギ 1/2本
・ニラ 1束
・モヤシ 1袋
(A)合わせみそ
・田舎みそ 250グラム
・白みそ 250グラム
・砂糖 200グラム
・酒 45㏄
・みりん 30㏄
<別合わせで>
・マヨネーズ 適量
【レシピ】
1. スルメイカは皮をはがさずに、足とゴロを身から外す。身、ゴロ、足と豚バラスライス、野菜類を食べやすい大きさにぶつ切りにする。
2. ボウルに(A)をすべて入れ、よく混ぜ合わせて合わせみそを作る。
3. (A)を大さじ3に対し、マヨネーズは大さじ2の割合で加える。
4. アルミホイルを敷き1の具材をのせ、上から3をかけてアルミホイルで包み、オーブントースターまたはグリルで約15分焼いて出来上がり。
本日のダンツマ達人…西澤一暢さん
▽にしざわ・かずまさ
1978年、北海道旭川市生まれ。中学卒業後、料理好きな父親の影響もあり、この世界に飛び込む。北海道内のホテルや飲食店で17年間修業し、料理長、店長を経て独立。2012年5月11日、全国から舌の肥えた人間が集まるすすきのに「澤」をオープンした。日本料理の専門調理師および調理技能士(厚生労働省認定)の資格を持つ。
▽さわ
修業中の店で出合ってほれ込んだSPF(特定病原体不在)ポークのオリジナルブランド「ひこま豚」(北海道森町産)を使って、25種類の料理を提供している。同店ソムリエの三上健太さんが、地元の旬な魚介類や野菜を使った料理に合わせ、ワインや日本酒、焼酎を厳選して用意。“ひこま豚とまごころ料理”を看板に、来客の笑みがこぼれ、かつ末永く愛される店を目指している。札幌市中央区南三条西3―5―2 都ビル2階(地下鉄南北線すすきの駅徒歩2分)。
(日刊ゲンダイ2018年6月1日付記事を再編集)
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