豚のすべての部位を味わう
難しい名前ですが、簡単に言えば、豚の煮こごり。でも、関山さんの手にかかると、こんなに美しく仕上がります。材料を見て、ちょっと驚かれた方もいるかもしれません。こんな食材、手に入るんでしょうか?
「お肉屋さんに言っておけば、大丈夫です。豚足は骨を外して、あとの材料は手に入れば。野菜、ハーブ(タイム、ローリエ)と一緒に煮込むんです」
ゼラチン質が溶け出してきたら、肉を取り出して適当な大きさにカットして戻します。バットに流して冷やせば、一晩で固まります。それだけです。
「ソースはレモンだけでも、オリーブオイルを振るだけでもいい」
この料理には思い出があるそうです。
「フランスのロワール地方のワイナリーを巡っていたときに、ワイナリーのオーナーが作ってくれた。向こうのワイナリーは農家が多く、豚を飼っているんですね。来客があると、その豚を振る舞うのが最上級のもてなしとされているんです。ですから、豚は無駄なく使う。モモは生ハムにしたり、焼いたり。端っこの肉はこうやってテリーヌにするんです」
最高のぜいたくです。
【材料】
豚足、豚耳、豚舌、豚の頬肉など適量
タマネギ2個
ニンジン1本
セロリ1本
ニンニク2片
タイム4本
ローリエ1枚
水3.5リットル
塩20グラム
【レシピ】
全部を鍋に入れてアクを取りながら2時間茹でる。肉を取り出し、冷ました肉を5ミリ角にカット、煮汁はとろみがつくまで煮詰める。肉を煮汁に戻し、型に入れて、一晩冷やし固める。
本日のダンツマ達人…関山真平さん
▽せきやま・しんぺい
いまや、予約が取れない名店として有名な関山米穀店のオーナーシェフ。米屋みたいな名前だが、ワインを飲ませる名店だ。店は10人くらいでいっぱいになる。カウンターの中はオープンキッチン。そこで1人で腕を振るう。鮮やかな手つきと手際の良さは見ているだけで楽しくなる。
▽関山米穀店
祖父から続いた米屋を関山さんがレストランに。東京都千代田区神田小川町3―9。
(日刊ゲンダイ2017年7月14日付記事を再編集)
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