更新日:2020-08-29 06:00
投稿日:2020-08-29 06:00
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さんに、プロのコツが垣間見える「カレイの昆布和え、アジのアボカド和え」のレシピを教えていただきました。
たった2時間の昆布締めで白身魚は変わる
合う酒=白ワイン、日本酒 (C)コクハク
簡単そうに見えますが、この手の料理は凝りだすときりがないもの。カレイを食べてみると、ただ和えただけではありません。身はしっかりしているし、ほのかにうま味があります。
「実は昆布で2時間締めてあります」と木下さん。その後、塩昆布と和えていたんです。
「普通の昆布で挟むだけです。時間があれば、ぜひ、やってみてください」
もう一品のアボカドとアジは、組み合わせに驚きました。アボカドといえば、マグロでは?
「そうですよね。実は偶然生まれた料理です。たまたま、脂の乗ったアジでやってみた。すごくおいしくて、これだと思った」
コツはワサビをたっぷり入れること。ただし、この料理にも、何か、もうひと手間あるような気がしました。
「実はアボカドをぬか漬けにしています。2時間くらいですけどね」
日本料理は昆布のうま味や、発酵のひと手間によって淡泊な素材が劇的に変化します。アボカドをぬか漬けにすることで、同じく発酵食品の醤油との相性も良くなります。プロのコツが垣間見えた一品です。
本日のダンツマ達人…木下泰司さん
▽きのした・やすし
和歌山県出身。地元で修業後、横浜で5年、その後、強羅に移り、箱根の有名旅館「強羅花壇」へ。17年間責任者を務め、2017年4月、「新」に総料理長として移った。
▽日に日に新
「春秋」「暗闇坂宮下」などを手掛けた宮下大輔氏がプロデュースした浦和の新名所。店内は木工作家、富田文隆氏の作品がちりばめられていて、落ち着く空間になっている。素材を吟味した懐石料理のコースはもちろんのこと、埼玉の地酒、ワイン、クラフトビールなどとの組み合わせは斬新で、常に“新たな”発見がある店。埼玉県さいたま市浦和区仲町1―6―4 ソサナビル3F。
(日刊ゲンダイ2018年9月5日付記事を再編集)
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