コンビニ食材でイタリアン「アニョロッティ・ダル・プリン」

コクハク編集部
更新日:2020-10-29 06:00
投稿日:2020-10-29 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリカ」の堤亮輔さんに、イタリア北部の郷土料理「アニョロッティ・ダル・プリン」のレシピを教えていただきました。

ギョーザの皮でつくる詰め物パスタ

 “プリン”とは言ってもおやつではありません。アニョロッティ・ダル・プリンはイタリアの北部、ピエモンテ地方の郷土料理で、ラビオリのような詰め物パスタのこと。ダル・プリンは“つまむ”という意味の方言で、もともとは残り物の肉や野菜をミンチにしてパスタで包み、ダシで食べたのが始まりだとか。

 本来パスタはもちろん手打ちですが、「今回はコンビニで買えるものでイタリア料理が作れたらいいなと思って」(堤シェフ)と、パスタはギョーザの皮で、具は缶詰のコンビーフでアレンジ。

「コンビーフに赤ワインを少量加えると風味が加わって、缶詰特有の臭みも消えます。その日に飲むワインを先に開けて料理に使えば、ワインとの相性がいいだけでなく、食べる頃にはワインも開いておいしくなるので一石二鳥です」

 合わせるのは、ピエモンテ地方の土着品種、ネッビオーロのワイン。「王道中の王道、バローロで。その土地の料理は同じ土地で生産されたワインと相性がいいの定説通りです」

【材料】

コンビーフ 50グラム
赤ワイン 大さじ1
ギョーザの皮 9枚
バター 30グラム
粉チーズ 9グラム
黒こしょう 少々
塩 適量

【レシピ】

(1)ボウルに入れたコンビーフをフォークなどでほぐし、赤ワインを加え混ぜて9等分にする。
(2)ギョーザの皮に1をのせ、半分に折って包む。
(3)鍋にたっぷりの湯を沸かし、1%の塩を入れて2を3分ほど茹でる。
(4)フライパンにバターを熱し、3のゆで汁を少々加えてのばす。
(5)粉チーズを8グラム加えて溶かし、茹で上がった3を入れてからめる。
(6)皿に盛り、残りの粉チーズをかけ、黒こしょうを挽(ひ)く。

本日のダンツマ達人…堤亮輔さん

▽つつみ・りょうすけ
 1978年、熊本県生まれ。大学生のとき、居酒屋とイタリア料理店でのアルバイトを機に料理人を志し、中退して1年間イタリアへ。帰国後、辻調理師専門学校で学び、フランス料理店で3年間働いた後、イタリア料理へ。東京・駒沢「トゥ セイ グランデ」の料理長を経て、2013年に学芸大学に「オステリアバル リ・カーリカ」、15年に都立大学に「カンティーナ カーリカ・リ」、17年に学芸大学に「あつあつ リ・カーリカ」を開く。

▽あつあつ リ・カーリカ
 東急東横線学芸大学駅から徒歩2分。イタリアの郷土料理をベースに、和のテイストも織り交ぜた創作料理と自然派ワインが楽しめるバル。わずか7坪の店内はカウンター12席とスタンディングのみ。
東京都目黒区鷹番2―20―4。

(日刊ゲンダイ2018年11月27日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「叩き長芋と酒盗の磯辺巻き」日本酒好きにはたまらない!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
刺し身を使った簡単アレンジ「カツオとウドのなめろう」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、居...
「つぶしなます」盛りつけ前に指でギューッとつぶすのがコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・品川の「あじろ定置網」の西潟正人さんに、ウ...
ホクッとプリプリ「そら豆とエビのクリームチーズ和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインと一緒に「ソーセージとクレソンのペペロンチーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「イワシのリングアータ」脂の乗った身をサッパリといただく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
自家製の万能ダレが食欲をそそる「手羽先の甘だれ炒め煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「アジのパクチーなめろう」和の肴とパクチーの意外な好相性
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
春の味覚「ホタルイカとカブのマリネ」はひと手間でプロの味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
使う食材は2つだけ「菜の花のからし和え」は春らしさ満開!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
「イカ海鮮水餃子」出汁たっぷりの卵と海鮮の甘さがピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉...
スパイシーさが新しい「カツオと山芋のスパイスオイル和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「カキのワイン蒸しトマトサルサ添え」濃厚なのにサッパリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
あっさり「ベーコンと玉ネギの和え物」は箸休めにうれしい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
新潟の伝統調味料がいい仕事する「タコとかんずりベーコン」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「菜の花の昆布締め」染み込んだ出汁とほんのりした苦み
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...