「枝豆の中国風おつまみ」口に入れた瞬間スープがジュワッと

コクハク編集部
更新日:2021-01-26 06:00
投稿日:2021-01-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、2年連続でミシュランのビブグルマンに輝いた大阪・西天満の中華料理店「中国菜 香味」の矢谷幸生さんに、枝豆の常識を覆す一品「枝豆の中国風おつまみ」のレシピを教えていただきました。

もう普通の枝豆では物足りない…

 枝豆をさやごと口に入れた瞬間、ジュワッとスープが出てきて、塩、山椒(さんしょう)の香り、唐辛子のピリッとした味わいが広がります。豆に汁が染みて、味が深い。

 もともと中国に伝わる伝統料理で、上海では紹興酒の搾りかすをもう一度、紹興酒に浸して搾ります。搾った汁は香りと甘味が強くなり、それに枝豆をつけて食べるのです。それを日本風にアレンジした、酒飲みのために考えられたような料理です。

「普通に皿に盛り付けると、ただ枝豆を湯がいたようにしか見えないので、あえて汁につけたままの状態にしました。枝豆の両サイドを切ることで、そこからうま味が入り込みます。上品に1つずつ取り出して食べるのではなく、1さやごと口に放り込んでください」

 味もさることながら、見た目も鮮やか。下準備として、あらかじめ枝豆を塩で揉んでおくと、枝豆の表面が塩の粒子で傷つけられ、表面の細かな毛が取れ、湯がいた時に緑色が映えるそう。

 枝豆の常識を覆す一品。これを食べたら、もう普通の枝豆では物足りなくなります。

材料

・枝豆 1袋(約180グラム)
・鷹の爪 10本
・粒山椒(中国山椒) 10粒
・塩 適量
・老酒または日本酒 少々

レシピ

(1)枝豆は生のまま両端を切る。
(2)たっぷりの塩でスリ込むように揉む。
(3)沸騰した、たっぷりの湯で5~6分茹でてザルにあげる。
(4)水400㏄、塩12グラム、中国山椒、鷹の爪と酒を合わせて沸かす。
(5)沸騰したら枝豆を入れ、温度が下がるのでもう一度沸かして、冷ませば完成。

本日のダンツマ達人…矢谷幸生さん

▽矢谷幸生(やたに・ゆきお)
 大阪府松原市出身。子供の頃、中華鍋とお玉が当たる「カチン、カチン」という音に憧れ、小学校4年の時、「将来の夢は」という欄に「調理師」と書いた。辻調理師専門学校卒業後、在学中に講師を務めていた千葉県柏市の老舗中華店「知味斎」の料理長にその意欲と熱心さを買われ、9年間、修業を積んだ。料理は全て手作りで「できることは全部やる」という現在の店のコンセプト、経営のノウハウは全て知味斎で叩き込まれた。32歳で店を始め、今年13年目を迎えた。

▽中国菜 香味(シャンウェイ)
 2020年、21年と2年連続ミシュランのビブグルマンに輝き、リーズナブルでこだわりの料理の数々が味わえる。常に新しい味を求め続けるオーナー兼シェフの矢谷さんは、オープン以来、毎年4、5回、わざわざ休暇を取って北京や上海、四川省、香港などに買い付けに行っている。山積みにされた数種類の唐辛子や山椒を味見し、どんな料理に合うかを考え、納得したものだけを仕入れるというのだから探求心旺盛だ。店の名前は「知味斎」の「味」と、同店で一緒に修業した先輩が経営する四川料理店「飄香」の「香」から取った。「飄香」は現在、銀座三越など東京で3店舗を展開する有名店だ。大阪府大阪市北区西天満3―6―15。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


【酸梅泡菜】台湾風漬物は酸味のある日本酒にピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
【ちりめんじゃこ山椒冷奴】たまり醤油は4、5回分けて差す
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩...
「旬のお野菜とフルーツとチーズ」チーズがこだわりの一皿
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
百均グッズでオリジナルシリアルバー作り 2021.1.20(木)
 以前ご紹介した「電子レンジチップスメーカー」に続き、ダイソーでお菓子作りグッズを発見しました。その名も「レンジで簡単シ...
「TOYOタッキー」特別な日のディナーにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
「マグロとアボカドの磯辺和え」3つの工夫で極上のウマ味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂にある「多に川」の大森雄哉さんに「マグ...
「筋子とマッシュポテトのサンドイッチ」紅白で晴れやかに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
「白トリュフの塩パン」で“ジャにの”体験 2022.1.15(土)
 いまネット上で話題になっている、Truffle BAKERYの「白トリュフの塩パン」を知っていますか? 今回は、売り...
「骨付き鶏もも肉の源たれ煮」万能調味料に“おんぶにだっこ”
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
横浜のディープスポットで絶品カレーを食す 2022.1.13(木)
 カレーが好きです。冬に凍えた体を芯から温めるのもよし、暑い夏に汗だくで食べるもよし。ちょっと胃腸がお疲れ気味……なんて...
「しめ鯖のキウイマリネ」店主が追求するキウイ料理の進化系
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
お手軽「ホタテフライのカシスソースとらっきょうタルタル」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
青森のソウルフードで「切込みのピザ」 発酵食品の三重奏
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
「キノコサーディン」缶のままコンロで加熱するだけで美味!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...
便利アイテムを活用!“手抜き”美味レシピ 2022.1.6(木)
 料理が苦手です。子どもの頃からそうでした。母のお手伝いをした記憶は皆無だし、調理実習やキャンプなどではいつも小さくなっ...
失敗しない「カマンベールフォンデュ」 温め直しOKの手軽さ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・神田のトラットリア「ZeCT by Lm...