風邪ひけないし!免疫力を鍛えるために摂りたい栄養素って?

笹山真琴 ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
更新日:2021-02-24 06:00
投稿日:2021-02-24 06:00

免疫を鍛えるのにおすすめの栄養素は?

乳酸菌

 乳酸菌にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なります。乳酸菌は腸内環境を整えることで知られていますが、腸内環境が整うこと自体が免疫力の維持につながります。ヨーグルトを毎日食べるのはおすすめです。

β‐グルカン

 β‐グルカンは食物繊維の一種。マイタケやシイタケのようなきのこ類、酵母、穀物などさまざまな食材に含まれており、由来によって水溶性のものと不溶性のものがあり、どちらも重要です。

 β-グルカンは、一般的に免疫を上げる効果が報告されており、なかでも藻の一種で植物のように光合成をしつつ、自分で動くことができる特異な生き物であるユーグレナに含まれる「パラミロン」(β-グルカンの一種)には免疫調整効果があるとも発表されています。

 ユーグレナは肉・魚・野菜などが持っているような、人が必要とする栄養素をほぼすべて網羅しており(炭水化物以外のほぼすべての栄養素を摂ることができる)、バランスフードとして注目されています。

 マイタケのβ‐グルカンとユーグレナの「パラミロン」には、インフルエンザワクチンの効果を上げる「アジュバント効果」があることも分かっています。

 β‐グルカンは自律神経を整えてストレスを緩和させる働きもあるといわれます。自律神経のバランスを整えることは免疫のバランスの向上にもつながります。

LPS(リポポリサッカライド)

 リポポリサッカライド(LPS)は土の中にいる細菌由来の成分で、畑で育つ野菜、穀類、海藻類などに含まれています。

 LPSもまた、パラミロンに似た働きで、感染症の原因となる病原体を攻撃し退治する免疫細胞を活性化させることが分かっています。

ビタミンA、E

 ビタミンA、Eは、粘膜をつくるために必要なビタミンで、ウイルスが身体に侵入するのを防ぐことに役立つといえます。鶏や豚のレバー、あんこう肝、うなぎ、卵黄、にんじん、小松菜、ほうれんそうなどに含まれ、ビタミンEは魚介類やアーモンド、ナッツ、アボカドなどから摂ることができます。

ビタミンC

 皮膚のバリア機能を正常にする役割で、ウイルスが身体に侵入することを防いでくれます。ビタミンCはブロッコリー、ケール、キウイフルーツなどに多く含まれます。

身体を温める食品

 通常、人の体温は37度程度であることが好ましいですが、極端に体温が下がってしまうと風邪のウイルスに感染しやすくなることが分かっています。

 体温を上げる食材としてはショウガ、根菜類などが知られています。

ビタミンD

 世界的にも感染予防に効果的と認められ始めたビタミンD。しいたけなどのきのこ類に含まれるビタミンD2(植物由来)と、鮭などの魚類や卵などに含まれるビタミンD3(動物由来)があります。

 ビタミンDは、日光(紫外線)に当たることによっても、体内でつくることができます。干しシイタケ、サケやキクラゲ、内臓ごと食べられるししゃも、しらすなどから摂れ、食材を天日干しすることでより量が増えます。

こまめな水分補給も感染症リスク対策に!

 身体が水分不足になると、喉や鼻などの粘膜の表面の湿り気がなくなり、感染症にかかりやすくなる危険が。粘膜には「繊毛」と言われる細かい毛のようなものが生えており、繊毛は粘膜が湿っていることで細かく動き、粘膜についてウイルスなどの異物を外へと押し出します。

 加湿器で部屋の湿度を40%~60%程度にして、こまめに水分補給をするのがおすすめです。

 気温差の激しいこの時期に、免疫対策を意識したライフスタイルを心掛けましょう!

【監修者】大竹真一郎先生

 医師。総合内科専門医、特に消化器内科のスペシャリスト。神戸大学医学部を卒業後、愛仁会高槻病院でスーパーローテート研修(多科研修)を行い、その後は消化器専門医として内視鏡検査を中心に研鑽に励む。大腸内視鏡検査は通算1万例以上行い、おおたけ消化器内科クリニックを赤坂に開院。テレビ出演ほか、健康法やダイエット関連の著書も多数上梓している。

笹山真琴
記事一覧
ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
コンテンツ企画会社経営。医師や美容家など、医療・美容に詳しいオピニオンリーダーを取材し、最新のナレッジや製品について多数のメディアで執筆。グローバルにキュレーターを配する女性に向けたオピニオンメディア『UNICORN』主催。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


子どもの嘔吐処理の方法! 間違えると感染源が広がる恐れも
 夏も終わり、季節も移りゆくこのごろ。子どもたちの間ではノロウィルスやRSウィルスなど感染病が流行ってきています。感染病...
助けになりたい! 認知症の初期対応で気を付けるべきこと3つ
 親や身近な人が認知症だと診断されたら、多くの人が戸惑うでしょう。人によっては「本当に認知症なの?」と、疑いたくなるほど...
昭和のアッシーの令和版「ウーバーおじさん」の生態とは?
 古き良き昭和の時代、アッシーと呼ばれる種族が存在していました。  アッシーとは女性が移動手段=足として利用する男...
恐怖のリンパ浮腫疑惑と73歳卵巣がん患者に励まされた晩婚話
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
心身を鍛錬して精神統一…“にゃんたま”師匠に学ぶヨガ精神
 にゃんたマニアのみなさんこんにちは。毎日、快適で安定した心でお過ごしでしょうか?  きょうは、ヨガにゃんたまω師...
外見のことばかり指摘してくる男性にイケメンはいません!
 自分の見た目は、自分が一番よくわかってますよね? 「もう少し目が大きくなりたい」「小顔になりたい」「太ももが痩せた...
身も心もスッキリ♪ 楽しく踊ってストレスと運動不足を解消
 今回おすすめするアフターワークの過ごし方は「HIPHOPダンスを踊ろう!」です。週に1回でもダンスを踊れば、ストレスと...
秋の香り「金木犀」は女性の味方!エイジングケアにも期待
 9月の終わりに差しかかり「もう衣替えかぁ」なんて思い始める頃、ワタクシのお花屋さんの店先では、秋の風に乗ってどこからと...
目が腫れた時の対処法! 泣きたい夜&翌朝にできる7つのこと
 悲しいことや嫌なことがあった時、女性は思い切り泣いて消化し、次へと進んでいくもの。でも、翌朝にボコボコと目が腫れてしま...
ごはんを食べたのは誰? 空のお皿に“にゃんたま”が迷推理
 ええー! ごはんの器が空なんですけどー!  にゃんたま君専用のごはん皿が空っぽ。誰かが盗み食いしたようです。 ...
ポカンと開いたお口…閉じさせるためには何をしたらいい?
 こんにちは。小阪有花です。子どもが歩いてる時やテレビを見ている時、「うちの子ずっと口が開きっぱなしかもしれない……」と...
台湾人と日本人ママの違い…子供への対応次第で育児が楽に!
 台湾人の両親に育てられた私は、無意識に台湾式の教育法になりがちです。今回はどちらが正しい育児法かとか、どちらか正解かを...
がん日記から読み解く更年期障害「ホットフラッシュ」の脅威
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
顔の傷は男の勲章…戦う“にゃんたま”3兄弟のくつろぎタイム
 きょうは、にゃんたま3兄弟ωωωにロックオン♪♪♪  ごはんの後のくつろぎタイムにお邪魔しました。  兄ち...
別れた彼氏から連絡! 復縁ある? 残酷すぎる元カレの気持ち
 LINEにポーンといきなり「元気?」と連絡が来ることありますよね。どうでもいいオトコだったら無視かテキトーなスタンプを...
卵子凍結を行う手順 聞きなれない“ホルモン剤の投与”とは?
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...