この人とはもう無理…法律婚を解消し事実婚を望んだ妻の胸中

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-05-01 06:19
投稿日:2021-05-01 06:00

卑しさに絶句…そして後悔

 Iさんが独身時代に買っていたマンションにMさんが引っ越してくる形で結婚生活はスタート。しかし、マンションにかかる費用もMさんは一切負担しようとせず、毎月10万円の生活費を家に入れるだけで、あとは知らん顔だったそうです。

「40代で、人並みに働いている夫が家庭に入れる生活費としては、ちょっとないな……って思ってきました。

 さらにMは、あるときに飲食代や文具の領収書を渡してきて『これ、Iの会社の経費から精算してくれる? どうせ会社のカネでしょう?』って言ってきたんです。

 この発言を聞いて、一気に愛情が冷めただけでなく、この男はこんなに卑しい根性の持ち主だったのか……と情けなくなりました」

「会社のカネ」という表現そのものも腹立たしかったものの、その“会社”を軌道に乗せるまで死に物狂いで働いてきた自分やスタッフの気持ちを踏み躙られた気持ちになったというIさん。

「金額ではなく、根性の問題」で、こんな夫と結婚した自分を心底、後悔したとのことでした。

相手の本性を見抜く難しさ

「それから2年の月日が流れていますが、私はその発言を一日たりとも忘れたことはありません。その発言があってから、私は『こんな人の妻として、法律上の責任も負いたくないし、もしも自分が先に死んだとしたら、私の資産がこんな夫のもとに相続されるのか……』と思ったら、絶対にイヤだという気持ちになりました。

 だから、いつかは法律的な夫婦関係を解消したい、100歩譲っても、この人とは事実婚まで。できれば別居もしたいとずっと思ってきました」

 コロナ禍に突入したことで、しばらくは物事を動かさずにいたというIさん。しかし、コロナ禍が長引いていることもあって、「ダラダラしているうちに時間ばかり過ぎるし、そろそろシロクロはっきりさせなくちゃ」という気持ちになったのだそうです。

 そして、夫に法律婚から事実婚への変更を提案。しかし、夫から「それなら普通に離婚する」と告げられたので、離婚にいたりました。今では、もうMさんとは連絡をとっていないそうです。

「おかげさまで、かなりスッキリしました」と笑顔で語るIさん。「Mが離婚に応じてくれないと思っていたので、せめて“事実婚”って提案しただけだったので、すんなり離婚してくれたことには感謝しています。

 結婚前に、相手の本性を見抜くのって本当に大事。私は過去にも一度結婚に失敗していますので、これでバツ2になりましたけど、入籍前に相手の“本当の姿”を知るのって、つくづく難しいなと痛感しています」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


見た目が全てじゃないけど…ありのまますぎる男性陣に落胆
 16人分の紹介書が届きました。年齢は49歳6人、48歳4人、47歳2人、46歳1人、44歳2人、43歳1人。年齢50歳...
今度はどんな男性が…大手企業と契約している2社目に挑戦
 相手の写真を見るまでに時間をかけている余裕はないので、今回は、紹介資料が月に2回届くというB社に入会しました。ここは大...
“アラフォー女子”がネックなの? メール返信はまさかの1人
「会員数日本最大」の言葉に引かれて入会したA社。インターネットの会員専用画面から文字情報が気になった3人に早速アクセスし...
いざ、パートナー探し…初期投資は締めて「12万円」ナリ
 独身崖っぷち、アラフォー女性記者が果敢に(?)潜入取材した結婚相談所の生態をリポートしていきます。  1回目は...