「ちりめんじゃこ山椒煮」丁寧に極力時間をかけて煮詰める

コクハク編集部
更新日:2021-10-05 06:00
投稿日:2021-10-05 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さんに、おつまみにもお茶漬けにしても美味しい「ちりめんじゃこ山椒煮」のレシピを教えていただきました。

必要に応じてショウガをたっぷりと

合うお酒=日本酒(C)コクハク
合うお酒=日本酒 (C)コクハク

 京都のお土産などでも有名なちりめんじゃこの山椒煮。大切なのは、よく乾いた新鮮なちりめんじゃこを手に入れること。いい素材選びは「お客さまに対する礼儀」と、ちょっぴり照れくさそうに教えてくれました。

「極力時間をかけて煮詰めてください。小魚のじゃこにしっかりと味を入れるためには、『丁寧に仕事する』に限ります」

 鳥田中の料理は、必要に応じてたっぷりとショウガを入れるのも特徴です。まずはレシピ通りに試作し、その後、お好みで調味料を足し引きすれば、「作り手のオリジナルになりますので、ぜひいろいろと試してみてください」とのこと。

 山椒が苦手だったら入れなくてもいい。そのまま日本酒のアテにするのはもちろん、炊きたてのご飯の上にのせて締めてもいいし、お茶漬けにしても。さりげない小付けにも、食材に敬意をはらう料理人のエスプリがピリッと効いています。

材料

・ちりめんじゃこ 200グラム
・山椒の水煮 5~10グラム
 (お好みで)
・ショウガの皮 5グラム
・水 150㏄
・日本酒 100㏄
・濃い口醤油 30㏄
・薄口醤油 20㏄
・みりん 30㏄

レシピ

(1)水を張ったボウルにちりめんじゃこを浸し、小さなゴミなどがあれば取り除く。ザルに上げ、水気を切っておく
(2)大きめの鍋にすべての材料を入れ、火にかける。弱火から中火でゆっくりと煮詰めていく。途中、木べらなどで全体をかき回し、アクを取る
(3)煮汁がほぼなくなれば、出来上がり。輪切りにしたシシトウ(分量外)を軽く炒めて一緒に器に盛りつけても

本日のダンツマ達人…田中惣一郎さん

▽田中惣一郎(たなか・そういちろう)
 1962年、東京生まれ。高校卒業後、東京の下町で料理人としての修業を始める。23歳の時、新橋「京味」へ。ふぐ調理師職人として板場に立ち、故・西健一郎氏から仕事を学ぶ。37歳で独立し恵比寿に「和食 ごっ惣」を開店、2017年に現在の地で、京都の地鶏と野菜を中心としたおまかせのコース料理屋「鳥田中」をオープンさせた。

▽鳥田中(とりたなか)
 京味の技法を生かしながら、西氏から常日頃聞かされていた「素材の持つ味を大切に」を実践する予約困難の超人気店。できるだけ邪魔せず、できるだけ丁寧に、「選んだ素材の良さをお客さまへと伝えたい」と、優しい味わいの料理を提供している。コロナ禍で予約販売した「地鶏焼鳥弁当」も即完売。妥協しない味と芸術的な美しさで客を魅了した。東京都墨田区墨田3―25―7。

(日刊ゲンダイ2021年9月30日付記事を再編集)

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