レンジで温め、片面だけ火を通す
夏の滋養食として知られるウナギは、天然だと秋から冬にかけて脂が乗ります。
冬眠に備えるためで実は今が美味しいんです。シロウトが天然を用意するのは無理でしょうが、林さんは「スーパーの養殖もおいしくなってるよ」というので、ウナギの一品料理を作ってみましょう。
「ウナギのつまみで簡単なものは、うざくね。薄切りしたキュウリの塩もみと一緒に三杯酢で和えるだけだから、チョー簡単」
スーパーで仕入れたウナギは、そのまま使ってもよし、ひと手間加えてもよし。ひと手間って?
「タレを洗い流すの」
スーパーのウナギについているタレには酸化防止剤が含まれます。ウナギの強い脂の酸化を抑えるためで、それを洗い流してから、電子レンジで温め、魚焼きグリルなどで皮面だけサッと火を通すと、香ばしく仕上がります。市販のウナギにはタレがついているのに、別添えのタレがあるのは、こうやって食べるのが正しいからです。
「面倒なら洗わなくてもいいけど、洗う方がおいしいよ」
手間を惜しまず、おいしくいただきましょう。
材料 4.5人分
・キュウリ 2本
・ウナギ 1匹分
・ショウガ 少々
【ウナギのタレ】
・氷砂糖 30グラム
・みりん 50㏄
・濃い口醤油 50㏄
【うざくのタレ】
・白だし 50㏄
・ウナギのタレ 30㏄
・酢 20㏄
・白糖 10グラム
・醤油 少々
レシピ
(1)キュウリを斜め薄切りにして塩をふって、水気を絞る
(2)ウナギのタレをすべて鍋に入れて煮詰める。氷砂糖が溶ければOK(別添えのタレで代用してもいい)
(3)2を冷ましたら、うざくのタレと合わせる。酢は好みで調節を
(4)ウナギを洗ってタレを除いたら、電子レンジで20秒ほど温める
(5)4を魚焼きグリルで皮面のみ弱火でサッと火を通す。すでに火が通っているので、サッとで十分
(6)5を2センチ幅に切る
(7)器に1を盛り、6をのせたら、ショウガの千切りを添え、3を回しかければ完成
本日のダンツマ達人…仲島宏明さん
▽林 成(りん せい)
中国福建省出身。沖縄留学で来日し、その後東京へ。新橋の「うな新」(閉店)で修業し、ウナギ職人の道へ。12年前に独立。ウナギの串焼きは、愛知・三河産を注文を受けてからさばく。「僕より包丁さばきが速い人は見たことない」
▽心天
ウナギの串焼き居酒屋。骨と骨の間に残る赤身の「赤ばら」、その上の白身「白ばら」、皮を巻いた「串巻」など部位ごとに分けた串は、1本300円前後。ウナギの紹興酒煮(980円)をはじめオリジナルメニューも充実している。東京都中央区日本橋蛎殻町1―14―7。
(日刊ゲンダイ2021年10月12日付記事を再編集)
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