「オイルサーディンのパプリカ香るシェリー蒸し」お酒が進む

コクハク編集部
更新日:2022-03-07 06:00
投稿日:2022-03-07 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のシェリー専門のスタンディングバー「バル・センブラドル」の須釜伸一郎さんに、お酒が止まらなくなること請け合い「オイルサーディンのパプリカ香るシェリー蒸し」のレシピを教えていただきました。

おそろしく酒欲をそそる豊潤さ

 こりゃもう断然、シェリーを家に置きたくなりました。問題は最初の1本を何にするかですよね。

「それはやはり『ティオ・ぺぺ』でしょう。フィノの代表的な銘柄で、松田優作や吉田茂が愛飲したことでも知られています」

 そうそう、ドラマ「探偵物語」にも登場したティオ・ペペ。当時は謎の酒でしたが、今でも十分ツウ好み。それを選んだ優作はやはりすごいです。

 吉田茂が好んだのは「イギリス留学経験があるからでしょう」と須釜さんは言います。というのも、シェリーは英仏戦争で流通が途絶えた仏ワインの代わりに造られ、もっぱらイギリスで飲まれていたから。ちなみにその時に持ち込まれたシェリー樽を使って熟成されたのがスコッチウイスキー。シェリーの方が歴史が古いんです。

 そんな“違いの分かる男”たちが愛した酒に合わせたいのがこちらの料理。簡単なのに恐ろしいほど酒が進む♡。隠し味はシェリーとパプリカ粉。パプリカ粉はスペイン料理によく使われる香辛料の一種で、辛味はないのですがカツオ節のような香りとうま味を料理に加えてくれます。

「この香りとうま味がシェリーと合うんです。一振りするだけで味が全然変わります」

 近ごろはスモークタイプもあり、よりツマミ的に。なるほど、まずはティオ・ペペとスモークパプリカ粉だな(メモメモ)。

《材料》

・オイルサーディン 1缶
・ニンニク 2片
・パプリカ粉 適量
・ドライシェリー 30㏄
・黒ニンニク 2片
・パセリ粉 適量

《作り方》

(1)テフロンフライパンにオイルサーディンの油を入れる。
(2)ニンニクのみじん切りを①に入れ、弱火で香りが出るまで加熱する。
(3)2にオイルサーディン、パプリカ粉、ドライシェリーを入れ、フタをして蒸し焼きにする。
(4)皿に盛り、黒ニンニクを添え、仕上げにパセリ粉を振る。

本日のダンツマ達人…須釜伸一郎さん

▽すがま・しんいちろう
 茨城県五霞町出身。大学時代からバーやレストランで働き、25歳で銀座のシェリー専門店の社員に。30歳の時にスペインを旅し、さらにシェリーの深みにはまる。2016年に独立、バル・センブラドルをオープン。深い知識と情熱から、人呼んで“シェリーの宣教師”。

▽バル・センブラドル
 シェリー専門のスタンディングバー。センブラドルとは“種まく人”という意味。食材とシェリーの相性の種をまき、多くの人が集まる店をと名付けた。辛口のマンサニーリャから極甘口のペドロ・ヒメネスまで常時約12種類のシェリーを揃える。1杯1100円~。シェリーと相性抜群のタパス(小皿料理)は500円~。東京都中央区銀座6-3-17 悠玄ビル別館1F角。

(日刊ゲンダイ2020年1月17日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


これもモヤシ!?「大鰐温泉もやし」でヘルシー常備菜♡
 もやしが好きです、好きで仕方がありません。お腹もココロも満たされるおつまみの代表格、焼きそば(時に焼うどん)はほんとー...
【蒜泥黄瓜(キュウリのニンニク和え)】ビールと相性抜群
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
【豆鼓菜圃辣醤】台湾の食べるラー油はお酒が進む逸品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
骨付き肉を食べるなら…サイゼリヤ一択! 2022.1.27(木)
 無性に骨付き肉が食べたくなる時があります。野生(?)の血が騒ぐのでしょうか。本能のままに肉にむしゃぶりつきたい。そんな...
【酸梅泡菜】台湾風漬物は酸味のある日本酒にピッタリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
【ちりめんじゃこ山椒冷奴】たまり醤油は4、5回分けて差す
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩...
「旬のお野菜とフルーツとチーズ」チーズがこだわりの一皿
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
百均グッズでオリジナルシリアルバー作り 2021.1.20(木)
 以前ご紹介した「電子レンジチップスメーカー」に続き、ダイソーでお菓子作りグッズを発見しました。その名も「レンジで簡単シ...
「TOYOタッキー」特別な日のディナーにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
「マグロとアボカドの磯辺和え」3つの工夫で極上のウマ味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂にある「多に川」の大森雄哉さんに「マグ...
「筋子とマッシュポテトのサンドイッチ」紅白で晴れやかに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
「白トリュフの塩パン」で“ジャにの”体験 2022.1.15(土)
 いまネット上で話題になっている、Truffle BAKERYの「白トリュフの塩パン」を知っていますか? 今回は、売り...
「骨付き鶏もも肉の源たれ煮」万能調味料に“おんぶにだっこ”
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
横浜のディープスポットで絶品カレーを食す 2022.1.13(木)
 カレーが好きです。冬に凍えた体を芯から温めるのもよし、暑い夏に汗だくで食べるもよし。ちょっと胃腸がお疲れ気味……なんて...
「しめ鯖のキウイマリネ」店主が追求するキウイ料理の進化系
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...
お手軽「ホタテフライのカシスソースとらっきょうタルタル」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「ロックフィッシュ」の間口一就さん...