「ナスと豚バラの八丁味噌炒め」調理の肝はナスの“揚げ”焼き

コクハク編集部
更新日:2022-10-18 06:00
投稿日:2022-10-18 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇の「大衆居酒屋みやらび」の神里正治さんに、ご飯のおかずにもなる「ナスと豚バラの八丁味噌炒め」のレシピを教えていただきました。

一面ごとに焼き色をつけていくイメージで

 酒の肴にも、ご飯のおかずにもなる一品です。見るからにボリュームがあり、食べ応えがあります。口に運ぶと、ナスの甘味と豚肉のウマ味のほか複雑さを感じるのは……。

「八丁味噌は、甘いイメージを持つ方がいます。でも、原料は大豆と塩と水のみで、甘くありません。名古屋の味噌煮込みを甘く感じるのは、砂糖を加えるせい。その量を加減すれば、八丁味噌の複雑さが生きる。それがこの味噌ダレです」

 なるほど、調味料に醤油を使っていません。調理のポイントは、ナス。一口大の乱切りにしたら、揚げ焼きにします。ナス1本に対し、油は大さじ2~3杯。中火でじっくり焼くように炒めていきます。あまり返さず、一面ごとに焼き色をつけていくイメージです。

「ナスは、油を吸いやすいですが、途中で油を足してはいけません。油を足すと、ナスがベチャベチャになります。しばらくすると、油を吸ったナスから余分な油と水分が染み出してきますから。全体に焼き色がつき、皮がカリッとして、甘い香りがしたらOKです」

 ナスの揚げ焼きを丁寧にやれば、その後の調理は一気に進みます。見た目ほどコッテリせず、スッと胃に収まります。青唐辛子や七味などをプラスしてもおいしいですよ~。

【材料】2人前

・ナス 2本
・豚バラ 50グラム
・ニンニク 1片
・油 適量
味噌ダレ
・八丁味噌 大さじ3
・砂糖 大さじ2
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1

【レシピ】

(1)味噌ダレを混ぜ合わせておく。

(2)ナスを一口大の乱切りにしたら、揚げ焼きに。「全体に油を吸わせたら、余分な油が出てくるまでじっと我慢するのがコツ」。全体に焼き色がついたら、皿に上げる。

(3)フライパンに油を引いて、弱火でスライスしたニンニクを炒め、香りを抽出。キツネ色になったら、取り出しておく。

(4)3の油で豚バラを炒める。火が通ったら、2とニンニクを加えて、味噌ダレを絡めれば出来上がり。

本日のダンツマ達人…神里正治さん

▽神里正治(かみざと・まさはる)
 東京の料理店で10年修業し、地元の那覇に戻り、安里の「くちがふう」で厨房に立つようになると、魚介の目利きのよさと丁寧な調理で人気店に。老朽化に伴う店舗の閉店で、みやらびへ。この道38年のベテランはどこまでも魚を愛する魚好き。

▽大衆居酒屋みやらび
 チャンプルーや魚介料理、時にはヒージャー(ヤギ)刺しなど素朴な沖縄料理がズラリ。その多くが500円前後で、常連客が夜な夜な集う。オーナーの女性と板前の大将の人柄がよく、地元の人にとっては大切なゆんたく(おしゃべり)の場所。

 沖縄県那覇市安里1-7-17

(日刊ゲンダイ2020年7月16日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「アミエビキムチ」うま味を引き出すのはひとつまみの砂糖
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、和...
「シメサバとイチジクの前菜」切って盛りつけるだけでお洒落
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外...
赤提灯メニューを気軽に!「箱シューマイからのエビチリ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...
「トンノ・エ・ファジョーリ」ツナ缶と白いんげん豆のサラダ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・...
「ザンギのアジアン風」パクチーの根っこを捨てずに活用して
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
うま味がジュワ~ッとにじみ出る「しじみ出汁巻き卵」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
「仔羊のカレー煮込み 温玉のせ」卵を崩すタイミングに悩む
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
生もと系の酒にぴったり「腐乳拌魚生(マグロの腐乳和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「豚ひき肉とタケノコのレタス包み」パンチの効いた味と食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
みかんが香る「鯛のカルパッチョせとか風味のビネグレット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
2つの新食感「生マッシュルームとプチヴェールのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
「カルボナーラ」多めの茹で汁でクリーミーな仕上がりに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「鶏のタコ焼き風」ソースとマヨネーズとかつお節で風味良し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・江戸川区の立ち飲み居酒屋「カミナリ3ダー」...
【エビマヨとアボカドのパリパリピザ】餃子の皮でお手軽に!
 前回はパクチー餃子をお伝えしましたが、餃子の皮って……余りがちじゃないですか? そういえば冷蔵庫に餃子の皮が余ってたな...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:10 フード
「寅王しいたけのラクレットチーズ焼き」味のポイントは酒盗
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...