客との愛欲に溺れ諦めたら…実姉の婚約者として現れた彼 #4

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-07-22 10:42
投稿日:2022-07-15 06:00

自分を救うためのオナニー

――続けてください。

「これほど惨めなのに、体は敏感に反応しました。彼の野太いペニスが挿入される瞬間や、抜き差しされる摩擦や圧迫を思い出しては、私も強い力でGスポットを掻きこすりました。

『ああ……Rさん……いいの、すごく気持ちいい……』と吐息交じりに囁いて――。

 自分が尋常でないことは分かりました。これほど不安で虚しい時にオナニーなんて、普通できませんよね?

 でも、私は違った。どうしてかは分かりません。

 彼と抱き合った至福の時間を思い出すことで、自分を救っていたのかもしれません。

泣きながらオナニーするも、終わりを悟ると…

 翌日も、翌々日も彼からの連絡は全くありません。

 私は悲しみに打ちひしがれながらも、彼とのセックスを思い出しては自慰に耽(ふけ)りました。

 彼のペニスをしゃぶりたい。彼にアソコを舐めてほしい。鋭い勃起で壊れるほど私を貫いてほしい。抱いて、抱いて、抱いて――!

 泣きながらオナニーをした夜もありました。

 それでも体は敏感に反応し、エクスタシーを求め、やがて絶頂に達してしまう。

 悪夢のようなディナーから3日後、私はお店に出勤しました。

 Rさんからの連絡は一切なく、もう終わったんだと悟ると、腐っている自分があほらしく思えて(笑)。

 出勤すると『あら、少し痩せた?』と、数人のホステスに言われましたが、私は笑って『ダイエット成功よ。3キロも落としたわ』と返しましたよ」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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