生青唐辛子の風味でお酒が進む 中国・湖南料理「咸鮮辣」

コクハク編集部
更新日:2019-07-02 13:03
投稿日:2019-05-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の梁宝璋さんに、青唐辛子の爽やかな刺激がこれからの季節にぴったり「咸鮮辣」(シェンシェンラー)のレシピを教えていただきました。
合うお酒=ビール、紹興酒、白ワイン、ロゼワイン(写真:iStock)
合うお酒=ビール、紹興酒、白ワイン、ロゼワイン (写真:iStock)

 香辣里 (シャンラーリー)は 中国・湖南省の湖南料理の専門店です。

「発酵、薫製、ハーブの3つが際立った湖南料理を提供します。しかも“農家楽”。湖南省の田舎料理を東京で本気で再現しますよ」

 湖南料理とはなんぞや?そう思う人も多いでしょう。ざっと特徴を挙げると、「さまざまな種類の唐辛子を使う」「食材も調味料も発酵したもの多数」「干して薫製させた腊肉(ラーロゥ)、腊魚(ラーユゥ)を調味料や食材に頻繁に使う」「蒸し料理も多い」「海がなく湖が多い地域のため淡水魚の魚種が豊富」「“干炒”という農家風の炒め方」などがあります。

「中華料理というとギョーザや麻婆豆腐、チンジャオロースなどを連想する方も多いでしょう。また、“中華=脂っこい”というイメージがあるかもしれません。しかし本場の湖南料理は、むしろ素材の味を生かした調理法。『香辣里』では“日本人がよく知る中華料理”ではなく、湖南料理一本に絞って料理を提供します。発酵調味料なども自分たちで作っています」

 料理名に入る「鮮辣」は、生の青唐辛子を使った辛さを意味します。日本語で表現する「辛い」は、中国語では「麻辣=花椒を使ったしびれと辛さ」「酸辣=酸っぱくて辛い」「糟辣=糟漬けした唐辛子の辛さ」など細かく分かれています。この料理は、食べる直前に棒でよく潰すのがポイント。青唐辛子の爽やかさが一層際立ちますよ。

【材料】

・青唐辛子 4本
・ピーマン 3個
・ピータン 2個
・ニンニク 4片
・醤油 3グラム
・塩 3グラム
・ゴマ油 3グラム

【レシピ】

1. 魚焼きグリルなどで、ピーマンをそのまま表面が焦げ付くまで焼き、皮をむく。ワタを取り、繊維にそって適当な大きさに切る。あまり細くしなくてよい。
2. 青唐辛子を適当な大きさに切る。
3. 食材、調味料の全てを器に入れ、食べる直前に棒(ゴマすり棒など)でよく潰す。

本日のダンツマ達人…梁宝璋さん

▽りょう・ほうしょう
 1963年、中国・黒竜江省チチハル市生まれ。油絵の画家だったが、32歳の時、中国残留孤児だった母親と共に日本に移り住んだ。故郷の東北料理を出す「味坊」を2000年、神田で開店。羊肉好きを中心に大人気店となり、16年「味坊鉄鍋荘」(湯島)、同年「羊香味坊」(御徒町)、18年「老酒舗」(御徒町)を開店。5店舗目となる「香辣里」は6月3日オープン。

▼香辣里
 湖南料理を提供する同店で味わえるのは、「発酵中華」「薫製中華」「ハーブ中華」。いわゆる普通の中華料理ではない。さらに、中国では都会人が田舎へ出向いて休日を農家などに滞在して楽しむことを「農家楽」と呼ぶ。これは同店のキーワードでもある。
東京都世田谷区太子堂4―23―11 GEMS三軒茶屋7階
℡03・6450・8791
営業時間17~24時(月~木)、17~翌3時(金)、11~翌3時(土)、11~24時(日・祝)

(日刊ゲンダイ2018年6月5日付記事を再編集)

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