5分炊くだけでほっこり「水ナスのぬか漬けと桜エビの煮物」

コクハク編集部
更新日:2019-07-02 13:16
投稿日:2019-06-18 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さんに桜エビのだしが優しい「水ナスのぬか漬けと桜エビの煮物」のレシピを教えていただきました。

「もったいない」から生まれた斬新な一品

 木下さんの出身地、和歌山は、大阪・泉州の近く。そこの名物、水ナスのぬか漬けは大好物のひとつだそうです。とはいえ、通販などで買うと、たいてい余ってしまうのが悩み。

「家内が捨てていいかって聞くんですよ。ダメダメと言って、考案したのがこの料理です。もともと発酵食品ですから、野菜がおいしくなっている。それを使わない手はありません」

 木下さんは大変な料理人なのに、家でも気軽に包丁を握るそう。中3、高1の子どもが2人分のお弁当も、ずっと木下さんが作っている。

 もちろん、愛情からなのでしょうが、そのほかに「素材を捨てるのはもったいない」という気持ちがあるとのこと。

 桜エビも重宝な素材です。どんな家庭にも使い残しが引き出しの奥にありがち。それを、さっと組み合わせて作ると、魔法のような味になります。

「水ナスは大きく切ってください。歯ごたえがおいしいんですよ」

 桜エビのだしが染み込んで、優しい味わいに。こうした一品が挟まると、また、お酒が進むのです。

【材料】

・水ナスのぬか漬け 1個
・桜エビ 100グラム

【レシピ】

 水ナスのぬか漬けを洗って、大胆にざく切りにする。だし10、薄口1、みりん1の割合の煮汁を沸かし、桜エビを投入。カットしたナスも加えて、5分間炊く。たっぷりのかつお節をかけて出す。

本日のダンツマ達人…木下泰司さん

▽きのした・やすし

 和歌山県出身。地元で修業後、横浜で5年、その後、強羅に移り、箱根の有名旅館「強羅花壇」へ。17年間責任者を務め、2017年4月、「新」に総料理長として移った。

▼日に日に新

「春秋」「暗闇坂宮下」などを手掛けた宮下大輔氏がプロデュースした浦和の新名所。店内は木工作家、富田文隆氏の作品がちりばめられていて、落ち着く空間になっている。素材を吟味した懐石料理のコースはもちろんのこと、埼玉の地酒、ワイン、クラフトビールなどとの組み合わせは斬新で、常に“新たな”発見がある店。
埼玉県さいたま市浦和区仲町1―6―4 ソサナビル3F
℡048・825・1112
営業時間11~14時、17~22時
不定休

(日刊ゲンダイ2018年9月8日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


天日干しで甘さを引き出す「大根の醤油漬け」のひと手間
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・幡ケ谷にある「餃子の店 您好」の野坂由郎さ...
「チーズのカリカリ焼き」じっくり弱火でチーズを焼くだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
「ウナギと卵のオープンサンド」ふわとろでボリューム満点!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
これは反則ワザ!「ウニじゃがバター」でねっとり感を堪能
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のダイニングバー「麦酒屋るぷりん」の海...
【豆苗まるごと豚バラ鍋】ごま油はひと工夫で香味アップ!
 鍋のシーズン真っ盛り。市販の鍋スープもいいですが、いつも同じ味でちょっと飽きたなぁというときにおすすめの鍋を紹介します...
ぐっち夫婦 2020-02-13 15:20 フード
「キウイのカツレツ」キウイの“皮”が食感のアクセントになる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
「ニンジンとレーズンのクミン風味」シンプルな素材と香り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
「ミニトマトのナムル」漬けダレがトマトの甘味を引き立てる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
スイーツ系おつまみ「黒豆クリームチーズ」で正月の箸休め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
「とこぶしの唐揚げ」間接的に火を入れてうま味を逃がさない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
「大人のオムライス」鶏肉の中に焼き飯をたっぷり詰めて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は広島市・鷹野橋駅の鉄板料理店「こぱん亭」の鬼頭典...
「アミエビキムチ」うま味を引き出すのはひとつまみの砂糖
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、和...
「シメサバとイチジクの前菜」切って盛りつけるだけでお洒落
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「メリプリンチペッサ 渋谷...
「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外...
赤提灯メニューを気軽に!「箱シューマイからのエビチリ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の小料理屋「きになる嫁デラックス」の...
「トンノ・エ・ファジョーリ」ツナ缶と白いんげん豆のサラダ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・...