更新日:2023-11-03 13:32
投稿日:2023-10-20 06:00
ついにスマホを向けられて
――いいじゃないか。もうこれが最後のセックスなんだ。存分に楽しもう。弓香だって、もっと大胆になれよ!
――ひどい! 私はそんな女じゃない!
心からの叫びでした。
こんなふうに見世物にされるなんて……。屈辱的な気持ちに包まれながら、それでもヴァギナはペニスを欲してやまない。いつから私はこんなふしだらで下世話な女に堕ちたんでしょう。
真正面には相変わらず、男たちがせせら笑うようにこちらを眺めています。1人の人物がスマホをかかげた時、
――きゃあああっ!
私は全身の力を振り絞って敬一を突き飛ばしました。呆気にとられる彼を横目に素早く衣服を身に着け、一目散に部屋から逃げ出したんです」
玩具にされたことへの怒りと憎しみ
――甘いセックスから一転、悲惨な目に遭ったのですね。
「はい……あまりにもショックで、あの時の記憶は定かではありません。ただ、敬一が私を軽々しく扱ったことが許せなかった……。自分の欲望を満たす玩具にされたことに、吐き気がするほどの憎しみを感じました。
ホテルを後にした私は、ふらふらとあたりを彷徨いました。冬季にはイルミネーションが煌めく六本木のこの近辺は、敬一と何度もデートをした場所です。
(あんな人じゃなかったのに……)
屈辱的なセックスに打ちひしがれながら歩を進めていた時、バッグの中のスマホが鳴りました。取り出すと、液晶画面には『英明さん』の名前が表示されているではありませんか。
私は恐るおそる、通話ボタンを押しました」
次回に続く。
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