憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2019-09-02 06:45
投稿日:2019-09-02 06:00

衝撃的だった妻からの電話

――どのような内容だったのでしょう?」

「実は……ドラッグパーティだったんです」

――ドラッグパーティ?

「はい、よく噂になっていますよね。彼から『今度の連休、もしよかったら○○(東南アジアのある国)に行かないか?』と誘われました。詳しく訊くと、奥さんも交え、幾人かの夫婦とともにドラッグでキメた時に『夫婦交換(スワッピング)』をするいわゆる乱交パーティのことです。まさか、有名女優の美咲さんが、海外でドラッグパーティで乱交を……? 目の前が真っ暗になりました」

――それで邦子さんはどのようにお返事を?

「もちろん断りました。Kさんいわく『妻は淡泊で、セックスはつまらないけれど、ドラッグでキマると、めちゃめちゃ身悶えるんだ。海外だから合法だよ。他の仲間もいい奴らだし、もう最高のセックスパーティだよ』って楽しそうに笑うんです。……ショックでした。あまりにも多くの情報が一気に、それこそ洪水のように押し寄せて、頭が真っ白になりました。海外では合法と言っても、ばれれば日本でもSNSなどでバッシングされるでしょうし、体を蝕んだり、依存症になったり、と、心配の種は尽きませんよね。その場で断り、あとは逃げるように帰りました」

――その後、Kさんや美咲さんとは?

「Kさんからの連絡には一切出ませんでした。ドラッグと聞いただけで恐ろしい。そして、有名女優でありながら、海外ではクスリに溺れてセックスしまくっている美咲さんを、以前のような憧れの対象で見ることはできなくなりました。当然、「追っかけ」もやめました。あまりにも大きな落胆でしたから。でも、短期間でも夢を見させてくれたKさんとの思い出を「穢れたもの」にはしたくありません。どんなことでも「人生経験」と割り切っています」

 最後に彼女は優しく微笑んで「そろそろお客様との同伴の待ち合わせだわ。今日もがんばってくるわね」と、白い歯をこぼしながら、笑顔で去って行った。

 Kさんとの不倫が良かったのか、悪かったのか――筆者の私は考えてみる。

 おそらく明朗な邦子さんのことだから、こう答えるであろう。

 ――起きていることは、すべて正しいわ!

 衝撃的な話ではあったが、彼女のエネルギッシュなオーラにとても救われたひと時だった。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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