「ナスの揚げ浸し」揚げ油にごま油をちょい足しで風味アップ

コクハク編集部
更新日:2019-10-01 06:00
投稿日:2019-10-01 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・麻布十番の有名鮨店「鮓職人 秦野よしき」の秦野芳樹さんに、有名店の人気メニューを家庭用に簡単アレンジした「ナスの揚げ浸し」のレシピを教えていただきました。

ナスと油と酢飯の融合

「当店の名物のひとつになっているものに、『ナスの握り』があります。スライスして揚げたナスを自家製のタレに漬け込んだもので、創業当時から季節を問わずにお客さまにお出ししています。寿司ネタとしては変わり種ですが、私にとっては大切なものなのです」

 修業時代、賄い飯の調理を任された秦野さん。賄い飯は早い、うまい、安いが基本。そこで調理場に余っていたナスを揚げ、めんつゆにくぐらせて、酢飯の上にのせたところ、どんぶりをかき込む先輩職人の顔に笑みが広がり、親方に「うまい!」とホメられたそうです。

「いってみれば、このナスの握りは職人としての自分の原点。初心を忘れないように、毎日、お客さまに出しているんです」

 もちろん、秦野よしきで人気のこの寿司ネタはそれだけで最高のおつまみになります。店では、自家製タレに5時間漬け込んだ揚げナスをザルにあげ、キッチンペーパーに包んで1日寝かせますが、家庭ではその手間は必要なし。タレもめんつゆで代用可能です。揚げ油に風味づけ程度のごま油を加えるのがポイントですよ。

【材料】

ナス        1本
市販のめんつゆ 適量
大根おろし 適量
ごま油 適量

【作り方】

1. 厚さ1センチ程度にスライスしたナスを180度の油(分量外。ごま油を適量加えて風味をつける)でさっと10秒ほど素揚げにする。
2. 揚げたナスをめんつゆにくぐらせる。めんつゆの濃度はメーカー表示に従うが、ざるそばのつけ汁よりやや濃いめくらいがいい。
3. 大根おろしを添えて出来上がり。

本日のダンツマ達人…秦野芳樹さん

▽はたの・よしき
 東京都調布市出身。国士舘大学法学部へ入学と同時に寿司店での修業を始める。赤坂、銀座、白金台の有名店で腕を磨いて25歳で独立。2013年、麻布十番に「すし道」を開店。15年6月に店名を現在のものに改めた。学生時代に剣道、柔道で鍛えた屈強な体とは対照的な、人懐こい笑顔と繊細な料理で各界著名人にもファン多数。


▽鮓職人 秦野よしき
 趣向を凝らしたツマミと江戸前の伝統を守りながらも独自の工夫を加えた握りが自慢。フルネームの屋号には「仏、伊料理では当たり前。ライバルはジョエル・ロブションです」との決意が込められている。メニューは1万5000円のおまかせのみ(消費税、サービス料別)。
東京都港区麻布十番2-8-6 ラベイユ麻布十番 B2F
℡03・3475・4004

(日刊ゲンダイ2017年12月7日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


定番のお鍋だけじゃもったいない「春菊のナムルとおひたし」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「あげ納豆」うま味調味料のちょい足しでお店の味に大変身
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「白魚の卵とじ」お出汁をたっぷり吸った白魚を卵と一緒に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
胃袋狙い撃ち!彼に作ってあげたいハンバーグでキーマカレー
「オトコの胃袋をつかんだら勝ち!」とはよく言ったものですが、実際に料理上手の女性は人気が高いですよね。だったら、善は急げ...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:03 フード
「豚のスペアリブのみそ漬け」お肉好きにはたまらない一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さん...
表面のチーズが焦げたら食べ頃「トマトとツナのチーズ焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
シンプル調理の「チキンと野菜のグリル、サルモリリオ添え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
コンビニチキンにかけるだけ…究極のお手軽「棒々鶏」レシピ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・阪東橋の広東料理店「壱龍釜」の唐子庭さんに...
外はパリパリ、中はとろ~り「タラ白子のカダイフ焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・北新地の人気店「カラーズ」の加藤吾郎さんに...
「シバ漬けと茗荷のゴマ油和え」「チーズの煮切り醤油づけ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・歌舞伎町で25年営業の老舗「ぱいんつりー」...
「蒸し鍋」ひと手間加えたオリジナルポン酢でプロの味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は熊本市の創作居酒屋「旬家はちどり」の喰田信治さん...
野菜不足を感じたら…さっぱりおいしい「すし屋のサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島のそばの名店「のぶ庵」の三宅泰子さんに...
令和初ハロウィン おうちで“デリ風かぼちゃサラダ”もいいね
 10月の定番イベントとなったハロウィン! 今年も各地ではイベントが行われるのでしょうか。友人と街に繰り出すのも楽しいで...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:02 フード
「スペイン風目玉焼き」アツアツとろ~り半熟卵が味の決め手
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・東銀座のビストロ「イバイア」の深味雄二さん...
「鶏ササミ春巻き」2度揚げすることでパリッとした食感に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代々木上原の中華料理店「吉田風中国家庭料理...
「穴子おこわ」ちょっとお腹に入れたいときの“おしのぎ”に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の割烹「まめ多 」の降旗壽眞子さんに、...