ハイボールが進む「豚バラの3日干し」 うま味をギュッと凝縮

コクハク編集部
更新日:2020-01-21 17:40
投稿日:2020-01-21 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿ゴールデン街にある「ぱいんつりー」の村山廣樹さんに、グルタミンのうま味が凝縮された「豚バラの3日干し」のレシピを教えていただきました。

初日だけは手間暇をかける

 東京・新宿ゴールデン街で25年間、営業を続けている「ぱいんつりー」は、味にウルサイ酔っぱらいが集まる、ツマミがおいしいと評判の店です。

 この「豚バラの3日干し」は、パンチェッタの簡易版。パンチェッタとは、ブロックの豚バラ肉を塩漬けしたもの。カルボナーラの中に入っているうま味の強い肉といえば、分かりやすいでしょうか。店主の村山廣樹さんは、パンチェッタも手作りしています。

「豚肉の塊を塩漬けするパンチェッタは、完成までに2週間~1カ月もかかります。もっと手軽に早くできないかと考えたのが、この3日干しです。初日だけ手間暇をかければ、3日間だけでも十分おいしいモノができますよ」(村山廣樹店主)

 手順は、パンチェッタの作り方とほぼ同じ。違いは、ブロック肉ではなく、5ミリ程度の豚バラ肉を使うことだそう。

 豚バラに粗塩、こしょう、スパイスをすり込み、キッチンペーパーでくるみ、さらに新聞紙で緩く包んで冷蔵庫で寝かせます。水分が出てくるので、こまめにキッチンペーパーを取り換え、この作業を3日間、繰り返します。

「大事なことは、初日は豚肉から大量の水が出るので頻繁にペーパータオルを替えることです。1日に5回くらいです。替えないと臭くなります。サラリーマンなら土曜日に始めた方がいいでしょう。水分がなくなると豚肉が硬くなり、グルタミンのうま味が凝縮されます。3日経ったら、フライパンで焼くだけです」(村山廣樹店主)

 やはり味がギュッと凝縮されているからうま味が強い。ハイボールにピッタリです。

 ぱいんつりーには、自家製のパンチェッタを譲って欲しいと求める客も多いそう。先日も、「彼氏にカルボナーラを作ってあげたいから」という20代の女性カメラマンに2ブロック分けたといいます。日本では、パンチェッタではなくベーコンを使ってカルボナーラを作っている店が多いそうです。

【材料】

・豚バラブロック
・塩、こしょう
・さんしょう、コリアンダー、パセリなど

【レシピ】

1. 豚バラ肉のブロックを5ミリ程度に切り分ける。
2. 塩、こしょう、スパイスを豚バラ肉にすり込む。
3. ペーパータオルで包み、さらに新聞紙で緩く包み、冷蔵庫に入れる。
4. 豚肉から水分が出てきたら、ペーパータオルを替える。
5. 3~4日したら、フライパンで焼く。

本日のダンツマ達人…村山廣樹さん

▽むらやま・ひろき
 1949年生まれ。自ら海釣りに行き、釣った魚を店でさばいて客に提供している。韓国文化に詳しく、韓国料理も得意。

▽ぱいんつりー
 創業25年。日曜日は伝説のストリッパー仙葉由季さんが、店主を務めている。
東京都新宿区歌舞伎町1―1五番街

(日刊ゲンダイ2018年2月15日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


未経験の食感にびっくり!「レーズンバター」をおウチで作る
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
手抜きでもおいしい! 食欲そそる「ニンニクの芽の素揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
老若男女に愛される定番の品「マカロニ(マカロニサラダ)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「レンコンのマリナーラ風」瓶詰ピザソースならすぐに完成
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「Petalo」の酒匂駿佑...
生ハムの“食べるドレッシング”!?女子会向けごちそうサラダ
 おうちで女子会をするとき、「生ハム」をとりあえず買うことってありませんか? そのまま食べることも多いかと思いますが、今...
ぐっち夫婦 2020-03-15 15:31 フード
「温野菜と漬物タルタルソース」ご飯のお供がイタリアンに!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代官山のイタリアン「ARMONICO」の佐...
フライパンで作る「鶏炭火焼きとひよこ豆のシェリー蒸し」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のシェリー専門のスタンディングバー「バ...
「あさりのシードル蒸し」りんごの甘みと酸味の相性が抜群!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のガレット&国産クラフトシードルの専門...
プロ直伝!「レバームースパテ」で朝食も晩酌も幸せな時間に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに...
「肉せんべい」豚ロースを延し棒で薄くしたら低温でパリッと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
「鶏とあさりのブイヨン」フレンチの基本をおウチで作る
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
山形のだしをアレンジ「マグロだし」ヘルシーなサラダ感覚で
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、山形...
和風ケイジャンスパイスをイメージした「鳥肉の塩麹漬け」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「鶏皮カラシ和え」安い食材が爽やかなおツマミに大変身!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
サクッと仕上げる「ブロッコリーの素揚げ サムライソース」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「赤坂 まるしげ」の与那覇朝雄...
「糸島塩豚の明太柚子胡椒」とろーり軟らかなのに煮崩れなし
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩...