アンチョビー感覚で「サバのへしことブロッコリーの炒め」

コクハク編集部
更新日:2020-03-11 06:00
投稿日:2020-03-11 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さんに、ブロッコリーの甘味が引き立つ「サバのへしことブロッコリーの炒め」のレシピを教えていただきました。

奥深い糠の香りと味とコク

 オーナーの山田さんの素材へのこだわりは、こんなところにも表れています。

「福井県の契約農家さんからお米を仕入れているのですが、その際に稲わらも送っていただいています。それで、カツオやブリ、サワラなどをあぶってタタキにする。自家精米して出た米糠は糠床として使っています。さすがに、へしこは自家製というわけにはいきませんが……」

 へしこは福井の名産品で、青魚やフグを塩と糠で漬けた保存食。独特の風味がのんべえをとりこにします。このへしこを調味料として活用したのが今回のダンツマです。

「アンチョビーのイメージですね。にんにくや乳製品との相性がいいので、お店ではへしこをピザにして出したりします」とは、高山さん。

 口にすると確かにアンチョビーに似てはいるような。ですが、奥深い糠の風味をまとったへしこの方が香りとコクは上かもしれません。ブロッコリーの甘味が引き立つ一品です。

【材料】

・ブロッコリー 100グラム
・へしこ 大さじ1
・油 大さじ1
・にんにく(チューブのすりお ろし) 小さじ2分の1
・醤油 小さじ1
・酒(または水) 大さじ2

【レシピ】

1. 油をひいたフライパンでみじん切りにしたへしこを炒め、香りが出たら、いったん火を止める。
2. 小房に分けたブロッコリーを茹でる。茹で時間の目安は1分。歯応えを残すのがポイント。
3. 火をつけた1に2を入れてざっと炒めたら、酒を加える。仕上げに醤油を鍋肌にかけ、香りを出したら完成。

本日のダンツマ達人…高山和慶さん

▽たかやま・かずよし
 1976年、茨城県生まれ。料理専門学校で和食を学び、帝国ホテル内の「東京 ■(吉の士が土)兆」で丸7年、研さんを積む。確かな技術に裏付けされたセンスあふれる料理の原点は、「子どもの頃に母がつくってくれた『ふろふき大根』です」と話す。穏やかな表情と語り口そのままの優しい味で客の舌を満足させる。

▽やまだや
 99年のオープン以来、客足の絶えない築地の創作和食店。オーナーの山田佳延さん(同左)が全国の生産者を訪ねて集めた食材がウリ。同じく厳選した酒は日本酒と焼酎だけでも常時50銘柄を用意する。メニューは6000円のコースのみ。「おいしい料理とお酒をゆっくり楽しんでいただきたいので」と時間制限は設けていない。予約必須。東京都中央区築地7―16―3 クラウン築地1F。

(日刊ゲンダイ2019年3月7日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


油っぽさゼロ!「自家製シーチン」作り方は意外にカンタン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
おうちでミシュランの味も!自炊に飽きた時に頼りになる3選
 目に見えないウイルスとの闘いで“コロナ疲れ”を引き起こす人が増えているといいます。なかには外食ができないためストレスが...
内埜さくら 2020-05-15 16:10 フード
「牛サガリの和風ステーキ」ヘルシーなスタミナ肉おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「パリパリキャベツ」今が旬! 味噌ダレで食べる春キャベツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...
「春野菜と山菜の酢味噌和えジュレ」ほろ苦さと香りを味わう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、濃...
「鶏唐揚げ 梅しばタルタル」人気メニューを斬新アレンジ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...
「白インゲン豆の冷たいスープ」暑い日に食べたい冷たい前菜
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さん...
「焼き筍~ふきのとう味噌&ブルーチーズ」グリルで丸ごと!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、皮...
「ちりめんじゃこの山椒煮」旬の香りがふわ~っと鼻に抜ける
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
「菜の花の水餃子」春の食材のほのかな苦味がアクセントに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉...
在宅ランチにマヨったら…隠しテクで絶品★納豆チャーハンを
 在宅勤務や休校の影響で、おうちでランチを作る機会も多いのではないでしょうか? 週末だけならまだしも毎日ともなると、パパ...
ぐっち夫婦 2020-05-27 14:29 フード
「サザエと新ジャガイモのサラダ~肝ソース~」後を引く食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・荻窪のフレンチ「Petit」の千葉良太さん...
「あさりとレタスの酒蒸し」やっぱり汁が一番おいしい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
「カリフラワーのスパイスフリット」家でも作れる万能ソース
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
「キャロットラペ」スパイスの香りが後を引くお洒落おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
「江戸前揚げ出し豆腐」まさかの味付けに驚くこと間違いなし
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「酒井商会」の酒井英彰さんに、...