「ペポーゾ」肉好きの酒好きに最適 イタリアの牛スネ煮込み

コクハク編集部
更新日:2020-05-26 06:00
投稿日:2020-05-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回はミシュランの「ビブグルマン」にも選ばれた、東京・門前仲町のイタリアン「トラットリア ブカ・マッシモ」の大沼清敬さんに、赤ワインと合う煮込み料理「ペポーゾ」のレシピを教えていただきました。

ワインと肉のうま味がシミシミ~

 我々が知っているイタリアンの定番は、貧しい人たちが考えた料理が多いそうです。このペポーゾもそうで、「ドゥオーモ」(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の建造に関わったタイル職人たちが、作業をしている傍らコトコトと煮たのが始まりとか。ヒレやロースといった値が張る部位を食べられない人たちが、安く手に入る硬い肉をおいしく食べるために工夫した料理なんです。

「店ではホホ肉を使うのですが、スーパーではなかなか売っていないでしょうから、スネ肉で代用しました。煮ると軟らかくなりますが、脂がほとんどないのでトロッという感じにはなりません。じっくり噛んで味わう煮込み。そこがイタリアらしい」

 味付けのポイントは、粒のまま加える黒こしょう。煮てグズグズになっても鮮烈な辛さは変わりませんが、ワインと肉のうま味がシミシミになっていて、これだけでもお酒がクイクイと進みます。

「元が労働者の料理なので、パンをいっぱい食べられて、ワインもガブガブと飲めるような味付けになっています。お酒が好きな常連さんは毎回注文しますよ」

 少しトロッとさせたい場合は、半量にしたスネ肉に同量のバラ肉を加えて作るといいですね。のんべえにはたまらない一皿です。

【材料】

・牛スネ肉 540グラム
・塩 5.4グラム
・皮付きニンニク 1片
・粒の黒こしょう 6グラム
・赤ワイン 1本(750ミリ)
・ローズマリー 1枝

【レシピ】

 すべての材料を合わせて冷蔵庫で一晩おきマリネする。翌日、弱火で2時間ぐらい煮れば出来上がり。途中で水分が足りなくなったときは、水を加える。

本日のダンツマ達人…大沼清敬さん

▽おおぬま・きよたか
 1977年、埼玉県生まれ。高校卒業後に働いた洋食レストランで多様な食材を使うパスタのうまさに目覚め、イタリア料理の道に。都内や伊フィレンツェで修業後、29歳で丸の内の「デリツィオーゾ・フィレンツェ」でシェフとなり、39歳で独立、門前仲町に店を構えた。

▽トラットリア ブカ・マッシモ
 大沼シェフがイタリア滞在中に食べていたトスカーナ地方の料理が中心。小皿の野菜をいくつか頼んだあとで、ワインと一緒にメインの炭火焼きを楽しむ客が多い。客の7割がリピーターで、根強いファンが通う名店。ミシュランの「ビブグルマン」(安くてオススメできる店)にも選ばれている。江東区富岡1―24―11。

(日刊ゲンダイ2019年6月15日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「鶏ひき肉とマロニーの炒め物」知ったら最後リピート必至!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
 「肉のハナマサ」で激ウマポテチを発見!2021.10.7(木)
 関東地方を中心に展開しているスーパー「肉のハナマサ」は、とにかくお肉が安く買えるということで有名ですよね。筆者も月に1...
ほっぺた落ちる「鶏そぼろ」で温玉うどん♡ 2021.10.6(水)
 デジタル大辞泉によると、 【ほっぺたが落ちる】たいへんおいしいことを表す言葉。ほおが落ちる。  そうなんで...
「ちりめんじゃこ山椒煮」丁寧に極力時間をかけて煮詰める
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
「半熟!味付きうずらの卵焼き」極意は“お湯で温めておく”
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
「コンビネーションカレー炒め」予約の取れない店のまかない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
「鶏すき焼きの黄金比のたれ」コクとうま味の秘密はザラメ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
甘くて香ばしい「海老芋の唐揚げ」思わず笑みがこぼれます
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の鳥割烹「鳥田中」の田中惣一郎さん...
今が旬! ぶどう4種を食べ比べ 2021.9.29(水)
 信州の知り合いから、ぶどうをいただいたので食べ比べてみました。一度に一房を平らげてしまうほどのぶどう好きの筆者。こんな...
「鶏そぼろ豆腐」プロの仕上がりに少しでも近づける技とは?
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の人気焼き鳥店「鳥田中」の田中惣一...
「豚肩ロースで作るふわトロ角煮」煮込み1時間の時短レシピ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・築地のイタリアンバル「TIME」の時任健...
色鮮やか!「季節野菜のピクルス」は下準備とスパイスが肝
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・築地のイタリアンバル「TIME」の時任健...
大人のティラミス 2021.9.24(金)
 今回は「大人のティラミス」レシピを紹介していきたいと思います! 前回のアマトリチャーナに引き続き、本格イタリアンのお料...
「ブロッコリーのアーリオ・オーリオ」茹で時間は1、2分でOK
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・築地のイタリアンバル「TIME」の時任健...
「たっぷりキノコのアヒージョ」キノコは“事前に冷凍”がコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・築地のイタリアンバル「TIME」の時任健...
ピーマンと豚肉好きにはたまらないレシピ 2021.9.21(火)
 この夏、ピーマンの料理をたくさん食べました。一時期、台風などの悪天候が重なり高騰したこともありましたが、それでも手頃で...