口の中でフワッと溶ける「親子丼リゾット」はワインと一緒に

コクハク編集部
更新日:2020-08-26 06:00
投稿日:2020-08-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のフレンチ「ボワ ヴェール」の川口かずのりさんに、シメに食べたい「親子丼リゾット」のレシピを教えていただきました。

お好きな食べ方でどうぞ

 青森の食材の何に引かれているのですか?

「素晴らしさを挙げるとキリがないのですが、ひとつは東京や大阪にはない不便さ。具体的には、青森の多くの地域は冬、雪がたくさん降るため農作ができない。言い換えれば、自然が定めたほどよい時間、土地が休まるということ。そういう土地で作られた野菜は、ミネラルたっぷりで、味が濃いんです」

「けやぐ」という津軽弁が象徴する人間関係も川口シェフをとらえて離しません。「けやぐ」とは、親友という意味。「契約」からきています。

「友と付き合うというのは、契約するということ。いい時も悪い時も付き合う。商売をしていると“いい時”だけの付き合いがほとんど。でも、青森を通してできた関係は、いい時も悪い時も“けやぐ”なんです」

 川口シェフが青森のPRに努める一方で、青森の食材の生産者の中には「川口シェフのためなら」と従来のものとは違う“味”づくりに取り組んでくれる人も多いそうです。

【材料】

・鶏肉
・醤油
・ニンニク
・吸い物よりやや濃い味付けの煮干しでとっただし(顆粒だしでもOK)
・生クリーム
・麩
・冷やご飯
・かたくり粉
・卵
・スイートチリソース
・白髪ネギ
・ミツバ

【レシピ】

(1)常温に戻した鶏肉を醤油とおろしニンニクでよくもみ、しばらく置く。
(2)鶏肉を焼く。八分ほど火が通ったら、スイートチリソースと醤油を1対1で混ぜたソースを絡める。アルミで包んでトースターやオーブンで焼き、中まで火を通す。
(3)だしを2つに分ける。一方のだしに生クリームを1対1で入れて火にかけ、麩を投入。麩が軟らかくなったら冷やご飯を入れ、汁がなくなるまで煮詰め、深さのある皿に盛る。
(4)もう一方のだしを温め、水溶きかたくり粉でとろみをつけ、溶き卵を入れてかき卵汁にする。
(5)ご飯に4をかけ、ご飯の上に鶏肉、白髪ネギ、ミツバをのせる。スープだけ、スープとご飯、全て一緒に……などさまざまな食べ方で。

本日のダンツマ達人…川口かずのりさん

▽かわぐち・かずのり
 1974年大阪府堺市生まれ。大阪あべのエコールキュリネール辻フランス料理専門カレッジ卒業後、フランス・ブルゴーニュ「ル・ベナトン」へ。帰国後は、勝どき「クラブNYX」、西麻布「クリニャンクール」でフランス料理シェフの宮本雅彦氏に師事。帝国ホテルの「レ・セゾン」、日比谷三信ビルの「ラ・プロムナード」などを経て、「現代青森料理とワインの店ボワ ヴェール」のオーナーに。

▽ボワ ヴェール
 青森の食材にこだわった料理を提供。テーブル席がほとんど青森県出身者や青森ファンで埋まる、ということも。この店でプロポーズをし、新婚旅行は青森、そこでできた子供と一緒に食べにくる客もいる。ぜひ一度は食べてほしいのが、「本日の前菜盛り合わせ」。青森各地の旬の野菜を、シンプルな調理法でいただける。東京都港区西新橋1―13―4 B1。

(日刊ゲンダイ2018年8月3日付記事を再編集)

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