"デート初回斬り"は損!53歳初婚男と夫婦になり分かったこと

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-02-16 06:14
投稿日:2021-02-16 06:00
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男女の事情を深堀りする「40代50代の大人婚」です。

初デート♡ でも、ソッコー帰りたくなった

case7-3.藤森小夜子さん(仮名/48歳)

 神奈川県の湘南地域であるショップを経営している藤森小夜子さん(仮名/48歳)は、30歳のときに元旦那様と結婚。10年後の40歳で離婚。43歳で10歳年上の旦那様と再婚しました。お子さんはいません。お2人は、小夜子さんのブログに旦那様がアプローチしたことが発端で出会います。会うまでの1年間は、メールのやり取りのみ。そしてついに初デートへの運びとなりましたが、小夜子さんは「帰りたくなりました(笑)」と言います。その理由は。

芥川龍之介を妄想していたら中尾彬だった…

「私が想像していた見た目とは、かけ離れていたからです。顔写真をアップしていない夫が送ってくるメールの内容で私は、好きな作家である太宰治先生や、芥川龍之介先生のようなルックスを妄想していました。つねに小難しい顔をしていて、体型がスラリとしていて、素敵だけど面倒くさい男です。

 でも目の前に現れたのは、中尾彬さんに似たがっしり体型の、ロマンスグレーの夫でした。だけど『やっぱり帰ります』と言うのはあまりにも失礼なので、食事へ行ったんです。想像とは違いましたが、見た目がイヤではなかったので。年齢を重ねると人生が顔に刻まれると言われていますが、私の好みはイケメンかどうかではなく、品がある人。夫には品が感じられたんです」

 では、初デートではどんな話を?

「夫は自分が勤務している上場前の企業に関する話を延々としていました。私はただひたすら聞き役に徹しましたが、イヤではなかった。自分が知らないストックオプションなど、すごい世界の話を教えてもらえたからです。

 当時の夫は53歳で、私とは初婚です。接客業をして実感していますが、人は男女問わず、誰しも自分の話を聞いてほしいものです。独身生活が長かった夫は、親身に話を聞いてくれるパートナーがほしかったのではないでしょうか。その気持ちが伝わってきたので、私は話を聞き続けたんです」

 見た目が好みではなく、会話も一方的に相手が話し続ける。婚活アプリやお見合いなどの出会いでは、一般的にゴメンナサイをする女性が多い男性のような気がしますが。

男性はちょっとくらい不器用なほうがいい?

「私は結婚したい同年代の女友達には、“初回斬り”はもったいないと伝えています。彼女たちは、『初めての食事デートで相手が奥側の席に座った』、『道路で車道側を歩いてくれなかった』など、“見切り発車”でいとも簡単に縁を切ってしまうからです。彼らはエスコートし慣れていないだけ、方法を知らないだけなのに。

 私の夫も交際当初はレストランに入ると、必ず奥側か壁側の、座り心地がいい席を率先して陣取る人でした。でもあるレストランへ行ったときに、自分と同じポジションに座っているのが全員女性だと気づき、考えを改めてくれたようです。

 以降、私はほかの女性と同じ席に座らせてもらえるようになりました。長い目で見る意識を持てば、男性は育ってくれます。

 女性が40歳をすぎてから結婚しようと思ったら、見た目が万人受けして経済力もあり、一緒にいて楽しい人はすでに結婚している前提で婚活をしたほうがいいと思います。

 もしこの条件を満たしていたら女性にモテるから、結婚後に浮気するかもしれません。

 だからこそ私は、不器用な男性に育ってもらったほうがいいと思っています。今の夫は若い頃から仕事が猛烈に忙しくて意外と出会いがなく、女性との接し方を磨く時間がなかったのかもしれません。

 仕事が多忙なのはいまも変わらないので、浮気はしないし、できないと信頼できます」

「一緒にいて楽しい」という条件は捨てた

「男性は育つから“初回斬り”はもったいない」

「40歳をすぎてから結婚しようと思ったら、見た目が万人受けして経済力もあり、一緒にいて楽しい人はすでに結婚している前提で婚活をしたほうがいい」

「不器用な男性に育ってもらったほうがいい。不器用な男性のほうが信頼できる」

 結婚相談所を運営できそうなほどの、的を射るアドバイス。大人婚を望む女性が見落としがちであり、参考になるポイントではないでしょうか。

 小夜子さんは自身の信条に従い、「経済力」1点のみを優先しました。一方で、譲歩した部分もあるのではーー。

「私は、『一緒にいて楽しい』という条件を捨てました。正直、話があまり合わないので、食事へ行ってもお互いに淡々と食べるだけ。会話が盛り上がることはありません。楽しさを求めていないので、読む書籍や見たいテレビ番組の趣味が違っていてもいいんです。私の仕事に興味を持ってくれなくてもいい。

 出会った頃からいまも、基本的に私は夫の話の聞き役です。仕事も聞き役。こんなに自分のことを話すのは久しぶりです(笑)」

更年期障害を理解しようとしてくれる夫

 一見、経済力を優先したがために殺伐とした夫婦関係を送っている印象を受けますが、私生活を聞くと実態は異なりました。

「家事は私が担当していますが、夫は朝食を食べないので、つくるのは夕食のみ。かといって、夫はまったく家事をしないわけではありません。お一人様歴が長いので、ちょっとした家事や自分の部屋の掃除はしています。

 更年期障害特有の症状を夫に伝えたら即理解してくれたことも助かっています。私がここ数年、ホットフラッシュ(自律神経の調節がうまくいかず、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなる)に悩まされていると打ち明けたら、書籍を買って勉強してくれたんです。

 症状自体はエクオールを飲み始めてから、少しずつ緩和されてきたのですが、こうしてお話ししてみて気づきました。夫は男性には理解しづらい更年期障害を受け入れてくれているうえに、経済的にもお世話をしてくれている。

 しかも私は、売り上げを気にせず好きな仕事が続けられる。とても幸せな状況にいるんですね。改めて思いました」

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ラブ 新着一覧


夢みたいな新婚生活に落ちた黒い影…志穂さんのケース#1
「あれって結婚だったのかなと、今でもよくわかりません。ただ、当時の日常を思い出すとムカムカして、吐いてしまうこともあるん...
神田つばき 2020-01-11 07:03 ラブ
都会暮らしの普通の女がいい女よりもいい出会いを増やす方法
「都会の女は出会いが多いでしょ」。田舎の友達からそう言われることはあるけれど、「良質な出会いがあるわけじゃない」と、そう...
ミクニシオリ 2019-06-26 06:00 ラブ
男女の喧嘩で話し合いが失敗するなぜ? 最新脳科学にヒント
 男女の違い……それは、人類が理性を獲得してからの永遠のテーマです。そこに起因した“すれ違い”がとくに顕著となるのが、男...
しめサバ子 2019-06-26 10:10 ラブ
「私の何が悪いの?」婚活がうまくいかない原因は思考にある
 山本早織の「結婚につながる恋コラム」第8回は、婚活が上手くいかずこのまま諦めた方がいいのでは……と悩んでいるあなたへ、...
山本早織 2019-06-25 14:06 ラブ
私とどっちが大事?筋肉男子と付き合うメリット&デメリット
「筋肉にうっすら浮かんだ血管が好き♡」「割れた腹筋に顔を擦り付けるのが刺激的で好き♡」と、男性の筋肉を愛する女性は増加傾...
しめサバ子 2019-06-25 06:00 ラブ
夫婦仲良しになりたいならすべきこと3つ…その特徴と秘訣は
 結婚前は、これ以上ないパートナーと思い結婚に至った人も多いはず。しかし、結婚して共同生活をすると、大きく落胆することは...
東城ゆず 2019-06-24 06:29 ラブ
「悪妻になったのは夫のせい」鬼嫁が開き直った切実な事情
「鬼嫁」と言われる女性たちの中には、悪妻な自分を自覚しつつ「私がこうなったのは夫のせい」と言い切る人もいます。本当は良妻...
並木まき 2019-06-24 06:00 ラブ
恋愛リアリティー番組 ここに注目すれば“恋愛上手”になれる
 恋愛リアリティーや恋愛バラエティーなどと言われるコンテンツが人気です。一緒に行動するうちに自然と恋愛感情が芽生える様子...
内藤みか 2019-06-24 06:00 ラブ
女性の勘違い“モテ仕草7選”…イタい!それ、バレてます!
「この仕草をすればモテる!」と、話題の「モテ仕草」。あなたは鵜呑みにしていませんか? でも、実はその行動、男性に全部バレ...
孔井嘉乃 2019-06-23 06:00 ラブ
友達の幸せを心から素直に喜べない「女性あるある」の解決策
 電子書籍も含めて、発売たちまち6万部突破のベストセラー『魔法の「メス力」』(KADOKAWA)の著者で恋愛コラム...
神崎メリ 2019-06-23 06:00 ラブ
彼が結婚を決意してくれない 待てない時に試すべき5つのこと
 少女漫画のように壁ドンしてくれる男性や、適切なタイミングで女性が欲しいと思っているキュン台詞を提供してくれる肉食系な男...
東城ゆず 2019-06-22 06:00 ラブ
鬼嫁で構いません! イジワル姑へのジワジワ効く復讐劇3選
 イジワルな姑にいつもいびられていると「いつか復讐したい……」と、心に決める女性も多いようです。しかし面と向かって仕返し...
並木まき 2019-06-22 06:00 ラブ
平然とトゲトゲしい言葉を…今どき鬼嫁が好む“3つの口グセ”
「鬼嫁」と呼ばれる女性には、口グセに共通点もあるようです。日ごろから、夫を罵ったり小馬鹿にしたりする鬼嫁も多いだけに、口...
並木まき 2019-06-21 06:00 ラブ
嫉妬する彼女は嫌われる むしろ男ウケする可愛いヤキモチ3選
 女性は「ヤキモチを妬く女は重い」と思いこみがち。そして、そのヤキモチの感情と自分の中で戦うことになります。しかし、ヤキ...
東城ゆず 2019-06-21 06:16 ラブ
不倫で本気にならないためには? 不倫男性に学ぶ女性の心得
 不倫中の女性にありがちなのが、「彼は本気なの?」と相手の気持ちを量ろうとしてしまうこと。でも、大前提として、不倫をして...
リタ・トーコ 2019-06-21 06:00 ラブ
HUNTER×HUNTERにみる「念能力6系統別」恋愛タイプ分析
 恋愛傾向にはいろいろなタイプがありますよね。こうした恋愛傾向をどう分類したら説明しやすいかな?と考えていたところ、人気...
しめサバ子 2020-07-06 04:12 ラブ