相性は立証済み「カレースパイス風味の鳥ハム秋りんご添え」

コクハク編集部
更新日:2021-12-03 06:00
投稿日:2021-12-03 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・本所吾妻橋の「割烹 船生」の船生宜之さんに、「カレースパイス風味の鳥ハム秋りんご添え」のレシピを教えていただきました。

爽やかな酸味と甘さもプラスされて重層的な味に

 船生さんは、フルーツを合わせた料理が得意です。このメニューからも、その一端がうかがえます。

「もともと和食ではいちじくを白和えや天ぷらにしますし、自然の甘味や酸味があって完成しているフルーツを合わせると、意外な発見があって面白い。りんごは、昔のCMにもありましたがカレーと相性がいい。あん肝と合わせてもおいしいですよ。ダジャレではないですが、牡蠣(かき)と柿もいい組み合わせです」

 沸騰させずに5時間も火にかけておくのはハードルが高そうに感じますが、「休みの日や天気が悪い日など、出かける予定がない時に作ってみてください。もちろん、たまにチェックする必要はありますが、基本的にほったらかしでいいので、それほど面倒ではないと思います」。

 ジューシーで香ばしい風味をまとったむね肉だけでもおいしく、りんごも一緒に頬張ると、爽やかな酸味と甘さもプラスされて重層的な味に。爽やかな白ワインを開ければ、特別な休日を過ごせるでしょう。

材料

・鳥むね肉 1枚
・りんご 2分の1個
・料理酒 100㏄
・濃い口醤油 40㏄
・塩 少々
・ブラックペッパー 少々
・粉末カレー粉 少々

レシピ

(1)料理酒と濃い口醤油を合わせて火にかけ、沸騰したら冷ましておく
(2)鳥むね肉に塩、粉末カレー粉、ブラックペッパー少々をすり込み、フライパンで皮目から強火で表面を焼き付ける
(3)ジップロックに2の鳥むね肉と1の調味液を入れ空気を抜き、少し大きめの鍋にお湯を張って沈め、70~75度くらいの温度にキープしながら5時間くらい火を入れる。時間が経ったら火を止め、そのまま自然に冷ます
(4)鳥むね肉を取り出し、残った調味液を煮詰めてタレを作る
(5)鳥むね肉を5ミリくらいの厚さに切り分ける。りんごは食べる直前に細い千切りにして鳥むね肉に添える。最後に4のタレをかけて完成

本日のダンツマ達人…船生宜之さん

▽船生宜之(ふにゅう・よしゆき)

 1974年、栃木県日光市生まれ。中学生の頃から料理やお菓子作りをするようになり、高校3年生の夏に料理人になると決意。調理師学校を卒業後は「器、食材、サービスを含めて最高のものを見たほうがいい」と考え「なだ万本店 山茶花荘」へ。その後、神楽坂の割烹料理店や飛騨牛専門店を経て、2011年に「割烹船生」をオープンした。

▽割烹 船生(かっぽう ふにゅう)

 本格的な和食を手頃な価格で食べられる下町の人気店。無農薬の野菜など体に優しい食材を使ったメニューの数々で世のグルマンたちを魅了している。「おいしい料理でお腹いっぱいになってもらいたい」という店主の思いがあふれるコース料理はボリューム満点。自家製のカラスミや名物のだし巻き卵サンドなど丁寧な仕事がなされた料理がズラリと並ぶ八寸は圧巻だ。季節の食材を使ったシメの土鍋のご飯も絶品。東京都墨田区東駒形3-5-6 千葉ビル1階。

(日刊ゲンダイ2021年11月20日付記事を再編集)

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