皮を捨てるなんてもったいない!
魚好きによる、魚好きのためのツマミは、何と皮!
「魚の皮は、多くがとてもおいしい。捨ててしまうのはもったいない。まずは食べてみて」
そう言って差し出されたのは、伊豆の網代から直送されたイシガキダイの皮のぬた。一切れを口に運ぶと、皮に含まれるゼラチン質と酢みそが重なり合って、しみじみとウマいんです。ゼラチン最高! ウマ味が凝縮されているから、焼酎も日本酒もしっかりとした味のタイプがピッタリ。
「アイナメやカサゴの皮なんて最高。ヒラメやカレイもいいね」
ウロコをしっかり取って、皮を引いたら、熱湯に20秒ほどくぐらせます。縮んで厚みを増した皮を氷水で冷やし、小口に切ったら、ツマやワカメなどと一緒に器に盛って、酢みそに合わせるだけでOK。皮のイメージを一新させる極上の一皿です。
【材料】
・好みの魚の皮
・湯 適量
・大根のツマ 適量
・ワカメ 適量
《作り方》
(1)好みの魚の皮を熱湯で湯引きする。時間をかけ過ぎると皮が溶ける。20秒ほどで皮がぷくっと縮んだら、すぐに冷水にとる。
(2)1を氷水でしっかりと冷やしたら、水気をふき取る。
(3)2を小口に切る。
(4)小鍋にみそとみりんを入れて弱火にかけ、混ぜる。照りが出たら火を止め、酢を加えてさらに混ぜる。
(5)器に、ツマやワカメなどと一緒に3を盛ったら、4を適量かければ出来上がり。余った酢みそは、タッパーなどに入れて冷蔵庫で保存。
本日のダンツマ達人…西潟正人さん
▽にしがた・まさと
1953年、新潟生まれ。魚好きが高じて、神奈川県逗子市に地魚料理店「魚屋」を開き、20年営む。その後、2015年、東京・品川にオープンした「あじろ定置網」の料理顧問に。東京海洋大学非常勤講師(魚食文化論)。
▽あじろ定置網
静岡・網代の定置網で取れた新鮮な魚介が毎日、直送される。スーパーには並ぶことのない珍しい魚に出合えるとあって、魚好きで連日、満席。西潟氏が板場に立つのは金曜のみ。
東京都港区港南4-5-1
(日刊ゲンダイ2019年12月12日付記事を再編集)
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