「脈なし、気づいて」超ポジティブ男に翻弄される女性の憂鬱

並木まき ライター・エディター
更新日:2022-03-05 06:00
投稿日:2022-03-05 06:00
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷”“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

超ポジティブ男にうんざり

 瑞恵さん(仮名・40歳女性)は、仕事の関係で知り合った年下男性のケイジさん(仮名・36歳男性)に数カ月にわたって口説かれています。しかし瑞恵さんは、ケイジさんに恋愛感情を抱いておらず「しつこくされて、本当に困っている」とため息をつきます。

「ケイジさんは、究極のポジティブ男なんだと思うんですよね。私は何度も、やんわりと“その気がない”ことを伝えていますが、まったく動じる様子もなければ、引いてくれる気配すらありません」

猛アプローチ…でも恋愛感情はゼロ!

 ケイジさんは、とにかく押して・押して・押しまくる口説き方を得意とするようで、例えば、瑞恵さんが「料理が得意」だと知ったら、わざわざ電話をかけてきて「食べに行くのが楽しみだなぁ。早く家に行きたいよ」などと勝手に言い出し、その様子に瑞恵さんがあっけに取られていると「照れているの? しばらく女性の手料理を食べていないので、本当に楽しみだから素直に伝えているんだよ」などと押しまくってくる有様だそうです。

「私は2年前に離婚をして、それ以来、もう再婚するつもりもありません。好きな人ができれば恋愛はするかもしれませんが、ケイジさんに対してはまったく恋愛感情がないので、どんなに押されても、付き合う気はありません」

 こう断言する瑞恵さん。ケイジさんからのアプローチには「コロナ禍だから落ち着いたら、そのうちに」「仕事が立て込んでいるので、電話はちょっとまたの機会にしてください」などと“大人の対応”で脈なしであることを伝えているものの、相手には伝わっていないのか、アプローチの手を緩めてくれないそうです。

「付き合って」とは言わないずるさも疲れる

「『好きだ』と言ってくる一方で、『付き合ってほしい』とハッキリ言ってくるわけではないので、私からも『付き合えません』とハッキリとした言葉で伝えるチャンスがないまま、今に至ります。

 ケイジさんは、自分が傷つかないよう、核心に迫る言葉を使わずに、私が付かず離れずの関係をキープできる距離感を意識しつつ口説いてきている感じで、とにかく疲れますね」

 ほぼ毎日のようにLINEが届き、2日に1回は電話までかかってくるのだそう。仕事の関係で知り合った間柄ということもあり「ひょっとして仕事の話かも」と思うと、電話を無視し続けるわけにもいかず、3回に1回程度は応じているのだそうです。

「だけど、1度電話に出てしまうと1時間は一方的に話し続けるし『今ちょっと忙しい』と言えば『何時なら電話できる?』としつこいので、本当にウンザリなんです」

 自らを「欲しいものは必ず手に入れるタイプ」だと豪語するケイジさんに対して、瑞恵さんは「まともに取り合うエネルギーすらもったいなくて、とにかく疲れる」とのこと。今後も仕事上の関係性は続いていくので、できるだけ波風の立たない形で恋愛対象から外してもらえないかと苦慮しています。

 では、なぜケイジさんはここまで強引に瑞恵さんに言い寄っているのでしょうか。瑞恵さんが「脈なし」であることは、それなりの恋愛経験を積んだ大人ならわかりそうなものなのですが……。

 実はそこには、ケイジさんなりの事情が潜んでいました。次回に続きます。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


離婚を切り出された夫が妻に取った行動…真由さんのケース#3
 夫からの無視や大きな物音などに耐えかねて心身症と診断された真由さん。このままでは自分がダメになる、と気づいて離婚を決意...
神田つばき 2020-01-11 06:57 ラブ
女性が告白して恥をかかないコツ 本心を探る4つのフレーズ
 俳優の三浦春馬さんが映画の舞台挨拶で、所属事務所の後輩・恒松祐里さんの「三浦さんの顔が好きなんです」という突然の告白に...
山崎世美子 2019-11-14 19:24 ラブ
周囲の評価が“すごくいい旦那さん”ほどモラハラ男である実態
 モラハラが激しい男ほど、世間に本性がバレないよう、姑息な画策をしているのも実態です。  魑魅魍魎(ちみもうりょう)な...
並木まき 2019-09-28 07:05 ラブ
上から目線? 何げなく口にしていたマウンティング台詞4選
 女子会でついついやってしまうマウンティング。 「彼からの指輪、ティファニーで~」と惚気られたら、「わたしもいいと思っ...
七海 2019-09-27 06:00 ラブ
心が蝕まれる…サイコパス夫が口にする“冷酷なフレーズ3選”
 サイコパス気質な夫ほど、背筋が凍るような冷たい言葉を妻に平然と浴びせます。  魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分...
並木まき 2019-09-27 06:00 ラブ
無趣味な女性が彼氏を作るなら…“カメラ男子”がいい理由3つ
 甘党男子、オタク男子。あなたのお好みはどんな男子ですか? 一般的に女性よりも、男性の方が趣味にのめりこんでいる人が多い...
ミクニシオリ 2019-09-26 06:00 ラブ
舞い上がり注意!呼べば来る“有料男子”は恋人ではありません
 呼べば来る有料男子、出張ホスト(レンタル彼氏)などをしている男性たちは、ガチ恋客の扱いに悩むことがあります。彼に本気に...
内藤みか 2019-09-26 06:00 ラブ
“人生経験値が浅い夫”が妻の知人に吐いた残念すぎる暴言3選
 人生経験値が浅すぎる男を夫にすると、とんだ赤っ恥をかく展開が待っているかもしれません。  魑魅魍魎(ちみもうりょう)...
並木まき 2019-09-25 06:12 ラブ
嫌いになったわけじゃないけど…彼氏に疲れた時の対処法4つ
 嫌いになったわけじゃないのに、彼氏に「疲れた」と感じることがある女性は、意外に多いと筆者は感じています。振るのは惜しい...
東城ゆず 2019-09-25 06:00 ラブ
夫がイライラ! 妻にイラつく夫たちの言い分4選と賢い対処法
 男女のイライラするポイントは大きな相違がありますよね。当然、その仲直りも一筋縄にはいきません。女性は、友達同士や井戸端...
東城ゆず 2019-09-24 06:00 ラブ
結婚するならネトオタ男子!安定して家族を支えていける理由
 結婚相手にするならネットオタクな男子がいい――。その理由が分かりますか? どちらかと言えばオタクとは結婚したくない。そ...
ミクニシオリ 2019-09-24 06:00 ラブ
恋愛ご無沙汰女子がドン引き…“恋心が一瞬で冷めた”彼の行動
 はじめは「ちょっといいかも」と思っていた男性を意識して見ていたら、ちょっとした言動で一気に冷めてしまうことって、意外と...
田中絵音 2020-05-20 11:25 ラブ
“ナルシスモラ男”にご用心! 彼らのアンビリバボーな発言3選
 ナルシスト×モラハラがセットになった“ナルシスモラ男“と付き合うと、驚くほど理不尽な思いをさせられる展開が待っているか...
並木まき 2019-09-23 07:31 ラブ
「ウチの嫁は鬼嫁!」と言い張る夫のピントがズレた主張3選
「うちの嫁って、鬼嫁なんですよ…」と打ち明けてくる男性からよくよく話を聞くと「それって鬼嫁なんじゃなくて、夫が悪いのでは...
並木まき 2019-09-22 06:00 ラブ
夫婦という名の“支配者”と“服従者”…真由さんのケース#2
 暴力や暴言ではなく、大きな物音や舌打ち、ため息や無視で真由さんを言いなりに動かすモラハラ夫との生活。目に見える傷こそ残...
神田つばき 2020-01-11 06:59 ラブ
人肌恋しい時の恋愛は危険!? 心が寂しい時の4つの対処法
 秋の訪れを感じた時、一人の家に帰ったりした時など、なぜか人肌恋しくなってしまうことってありませんか? でも、そんな時に...
孔井嘉乃 2019-09-22 06:00 ラブ