なぜ私の邪魔するの?才色兼備な実姉を恨んで生きてきた #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-08-22 17:26
投稿日:2022-06-24 06:00

六本木での合コンで運命の出会い

――続けてください。

「苦しいけれど、親元から独立しようともせず、実家に甘えっぱなしだった私が、のちに姉の夫となる男性と出会ったのは、モデル仲間に呼ばれた合コンでした。その時はすでに、ホステスが本業となっていましたが、友人たちにはモデルということにしてもらって――。

 相手の男性陣はIT関係者。3対3のこぢんまりした食事会で、場所は六本木の気楽な創作イタリアン。IT系らしく、皆、小ぎれいな身なりでノーネクタイ。挨拶もそつなくこなして、笑顔も自然にできる、いかにも女性慣れしている3人でしたね。

 特に気になったのは、Rさん(32歳)。切れ長の目と長身のスタイルが韓流スターを思わせるイケメンでした。

 前述したように、私は肉食女子ですから、積極的にRさんと会話しましたよ。他の女友達にも『Rさん狙い』だと言わんばかりの勢いで(笑)。

 男性との会話は、ホステス業で慣れていましたし、グラスのお酒が無くなりそうになったら『次、何を飲みます?』とメニューを見せたり、料理を取り分けたり……。

食事会のあと、すぐにLINEが

 私は小さい頃から傷ついた分、『人の顔色を見る』ことに長けていましたから、Rさんがどのような話題に興味を持ち、どうしたら私に関心を向けてくれるのか、慎重に会話をしました。

 ビジネスや旅行やグルメ、出身地、小説、車、映画、海外ドラマなど、様々な話題を振ってみましたね。

 で、分析の結果、彼は洋画の話に食いついてきたんです。特に『007』シリーズが好きで、歴代のジェームズ・ボンドの演技やエピソードに詳しい。私も『007』は全作品を見ましたから、それはそれは盛り上がりました。

 そして、お決まりのようにLINEを交換したんですが、食事会がお開きになった時、化粧室に行くと、LINEに『この後、2人だけで話さない?』と、さっそくデートのお誘いが来たんです」

 続きは次回

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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