「欲まみれの世界は無理」失敗実業家の男が家庭を持つより死守したいもの

並木まき ライター・エディター
更新日:2023-10-07 06:00
投稿日:2023-10-07 06:00

経営者は自分には合わなかった

「会社をやっていた頃は、昼夜を問わずに働いていましたし、いつも頭の中はカネ勘定。数人とはいっても従業員への給料の支払いとかもあったから、常にキリキリしていましたね。

 瞳ちゃんとはその頃に出会っているので、バリバリ働く姿が普通だと思っているのかもしれませんが、本当の僕はかなりグータラだし、上昇志向もありません。

 お金をたくさん稼いだって、使うのはブランド品とか高級なレストラン、旅行とか車とか酒代とか……、要するに見栄を張るためのものに散財するだけだったから、僕は今の生活のほうが性に合っているんです。

 だって経営をしていると周りも経営者ばかりになるから、どうしても見栄にかかるお金も増えるじゃないですか。

 そんなことに使うお金をあくせくして稼ぐよりも、静かに暮らしながら、そもそも必要最低限のお金だけ稼ぐほうが僕には合っているんです」

必死な生活には戻りたくない

 結婚については「願望は一切ないですね」とキッパリ言い切るマサユキさん。「縁があればしてもいいけれど、何歳までに結婚しないと! みたいなものは全くありません」。

「もう僕は、無理をして生きていくのはやめました。何事もほどほどでいいし、ストレスを感じるような人間関係や仕事には関わるつもりはありません。

 瞳ちゃんには言っていませんが、実は会社が潰れたあとに体調をガクンと崩してしまって、病気になってしまったんです。

 幸いなことに治療の甲斐があって今は治りましたけど、医者からはまたストレスの多い生活を送ると再発するかもしれないって言われています。それもあって、もうあんな必死な生活には、絶対に戻りたくないんですよ。

どうせ本気じゃないでしょ?

 これからの僕は自分の身体を第一に考えて、生活をしていくつもり。もう病気にはなりたくないですから。

 瞳ちゃんが本気で僕と結婚したいとか、働いてくれとか言い出したら、病気のことも話すつもりです。

 でも今のところ見ていると、瞳ちゃんはふわふわした感じで『結婚したーい』っていうレベルなので、僕の身体のことまでは打ち明けなくていいかなって判断しています。

 このまま別れて他人になるかもしれない恋人に、僕の健康状態まで把握させる必要はありませんからね」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


愛する彼はDVをふるう可能性がある? 見逃せない前兆3つ
 愛する彼がDV男になるだなんて、恋愛真っ只中には思いもしないはず。けれど、ちょっとしたきっかけで暴力が始まり、時には命...
内藤みか 2019-10-24 06:00 ラブ
めんどくさい彼氏の5つの特徴! 別れる前に見極めるべきこと
 付き合ったばかりの頃は大好きだった彼氏でも、時が経つにつれてだんだんと「めんどくさい」と感じてしまうことってありません...
男性を飽きさせない女性になる7カ条♡ 愛され続けるには?
 一度は大好きだった彼女に対して、「飽きたんだよね」なんて、ストレートに別れの理由を述べる男性は少ないでしょう。でも、ど...
リタ・トーコ 2019-10-23 06:35 ラブ
実はモテる! ぽっちゃり女子の“愛おしさ全開”あるある10選
 以前、仕事で「ぽっちゃり女子合コン」を企画したことがあります。(我こそは”ぽっちゃり女子です”という女性と、ぽっちゃり...
田中絵音 2019-10-22 06:00 ラブ
こんな男性は絶対にNG! 結婚相手を見極める3つのポイント
 結婚相手を選ぶ時、あなたは何を基準に相手を選んでいますか? 付き合って長いから何となく……、結婚適齢期だからとりあえず...
インリン 2019-10-21 06:01 ラブ
厳しい言葉も…シングルマザーはなぜ恋をしちゃいけないの?
 テレビの婚活番組や婚活イベントにシングルマザーが参加するのも珍しくない時代になりました。けれど、そうした女性に対し「子...
内藤みか 2019-10-21 16:23 ラブ
結婚の決め手は? 男性がプロポーズを決める女性の特徴5つ
 大多数のカップルは、相手に自分の恋心を告白をして両思いになり、交際に至りますよね。では、結婚の決め手はなんでしょうか。...
東城ゆず 2019-10-21 17:39 ラブ
夫の人生は転落まっしぐら…“さげまん鬼嫁”の恐怖エピソード
 世の中には、単なる“鬼嫁”なだけでなく、そこに“さげまん”要素が加わっている残念な女性もいるようです。  魑魅魍魎(...
並木まき 2019-10-20 06:00 ラブ
こんなはずじゃなかった”超年の差婚”別れとお金のエグい話
 齢が10歳以上はなれている相手との結婚を“年の差婚”と呼びますが、20歳以上離れている完全に一世代上の相手との結婚は“...
神田つばき 2019-11-17 12:04 ラブ
内助の功はダメ男を育成? 尽くし過ぎる女は実は愛されない
「枕に髪の毛がいっぱいついていて、『あれ?』というときがあった。ストレスからくるものかなと思いました」  ノーベル化学...
山崎世美子 2019-11-14 19:24 ラブ
妻はガク然…非常事態だからわかった“夫の隠れたる本性”3選
 日本全国に甚大な被害をもたらした台風19号。各地で前代未聞の事態となり、今なお被害の全容も明らかになっていません。そん...
並木まき 2019-10-19 06:47 ラブ
復縁チャンスはある?やり直せるかどうかは振られ方でわかる
「彼に振られてしまった。2年も付き合ったし、すごく気が合う人だったから、この人と結婚したかったのに。もうやり直す方法って...
七海 2019-10-18 06:00 ラブ
妻を蝕む サイコパス系モラ夫の“エキセントリックな口癖”3選
 サイコパスちっくな本性をもつモラハラ夫ほど、口にしがちなフレーズもあります。妻をじわじわと追い詰める、冷酷なそのセリフ...
並木まき 2019-10-18 06:00 ラブ
なぜシングルマザーは無職男とカップリングしてしまうの?
 シングルマザーが再婚相手や内縁の夫に選ぶ男性は、なぜか無職が多いんです。でも最初から無職だったわけではなく、報道などを...
内藤みか 2019-10-18 18:56 ラブ
男性が女性に運命を感じる瞬間…3つのタイミングが恋を生む
 男性も女性も運命を感じると、「この人かもしれない」と恋愛感情が生まれますよね。  では、男女はどんなタイミングで...
山本早織 2019-10-17 06:00 ラブ
ピュアで優しい? 女性経験ゼロ彼氏と付き合う5つのメリット
「遊んでる男の人と女性経験ゼロの男の人、彼氏にするならどっちがいい?」――。女子の間でちょくちょく話題に上がるこの議題。...
七海 2019-10-17 06:00 ラブ