「厚切りベーコンの酒粕漬け」あぶった香りだけでも飲める!

コクハク編集部
更新日:2020-01-13 06:00
投稿日:2020-01-13 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の立ち飲みの割烹料理店「さかづき」の坂下俊さんに、あぶった香りだけでもお酒が飲める「厚切りベーコンの酒粕漬け」のレシピを教えていただきました。

ベーコンは厚めにスライス

合う酒=日本酒(C)コクハク
合う酒=日本酒 (C)コクハク

 ある日、お店を訪ねると、坂下さんが腕組みをしながら、なにやら思案。目の前には、ゴツゴツとした濃い紫色の物体がザルの上に山積みされています。なんですか、それ?

「宇宙芋というんですって。今朝、豊洲の市場で見つけて、つい、面白いなと思って買っちゃったんですが……。さあ、どうしましょ?」

 苦笑いしながらも、坂下さんは楽しそうです。

 お店は立ち飲みの割烹スタイル。日替わりで提供されるコース料理は、未知の食材にも果敢に挑戦する坂下さんの意欲と、それを見事な酒の肴に仕立てるセンスの上に成り立っています。

 今回の一品もそう。仕入れ先の肉屋が「面白いものがあります」と持ってきた、バラ肉の表面に豚の血液成分を塗ってスモークしたややクセのあるベーコンを、ひらめきで酒粕に漬けたんだそう。

「これを焼いているときの香りだけでお酒が飲めますよ。ベーコンは普通のもので十分です。ただし厚めにスライスすること。合わせる日本酒は、石川県の遊穂のひやおろしでどうでしょう。しっかりとした香りとコクがベーコンに負けません」

【材料】

・ベーコン 100グラム
・酒粕 50グラム

【レシピ】

1. 厚めに切ったベーコンに満遍なく酒粕を塗り、密封袋で漬け込む(最低2日間)。酒粕は軟らかい「練り粕」を選ぶと使いやすい。
2. ベーコンが漬け上がったら、酒粕をざっくりと拭き取り、トースターで焼いて完成。焼き時間は約5分。

本日のダンツマ達人…坂下俊さん

▽坂下俊(さかした・しゅん)
 1985年、岩手県久慈市生まれ。水産高校の食物科を卒業後、豪州に留学。現地レストランの厨房で料理人としてのキャリアをスタートさせ、帰国後は横浜の中華街、フレンチ、パスタ専門店などで腕をふるった。その後、都内の和食店で料理と日本酒を学び、今年1月に独立。確かな料理はもちろん、丁寧で明るい接客にファン多数。

▽さかづき
 坂下さんが2019年1月にオープンさせた、立ち飲みの割烹料理店。料理はおまかせのみで、3品1500円、6品3000円の2種。日本酒は常時50種類以上が用意され、1杯650円。カジュアルな立ち飲みスタイルながら、クエやマツタケなどの高級食材を惜しげもなく使った本格的な料理と酒がリーズナブルに味わえると、早くも下町の人気店になっている。

中央区月島3―11―11 マガザン月島Ⅲ1階
℡03・5144・6226

(日刊ゲンダイ2019年10月24日付記事を再編集)

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