「菜の花の水餃子」春の食材のほのかな苦味がアクセントに

コクハク編集部
更新日:2020-04-27 06:00
投稿日:2020-04-27 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前の中華料理店「チャイナサーカス」の劉玉栄さんに、白ワインに合う「菜の花の水餃子」のレシピを教えていただきました。

ゴロッとした豚肉に負けない春の香り

 日本の食材に感動した劉さんは、さまざまな餡を試作してきました。中国では見かけないミニトマトを生ノリと合わせてみたし、牛肉やキノコも使ってみたそうです。トマトのように水分が多い食材を使うと、餡がべちょべちょになってしまいそうに感じますが、「その汁が口の中ではじけて、うま味がパア~ッと広がるのも楽しいですよ」と笑います。なるほど、それはおいしそう!

 ひき肉を使わないところもこだわりです。ロース肉を包丁で粗くカットして、ゴロッとした食感を残す。その方がコシが強くてモチモチした劉さんの皮とのバランスもばっちり。

 うま味だって強く感じられます。そこにネギとしょうがの香りが加われば、それだけで十分にごちそうですが、今回は、菜の花もアクセントに使います。代表的な春の食材のほのかな苦味は、ゴロッとした豚肉に負けない存在感を放ちます。

 口の中で皮が破けた途端、春の香りがガツンと迫ってきます。決して埋没せず、邪魔をせず、それでいてちゃんと主張をする。最高のハーモニーです。

 季節が過ぎれば、ホウレンソウを代わりに使うのもいいかも。菜の花のような苦味はありませんが、その分、穏やかな味わいを楽しめます。これがまた、白ワインに合うのです。

【材料】

・豚肉(ロース) 1枚
・菜の花 15本
・白ネギ 3分の1本
・しょうが 8グラム
・油 15グラム
・醤油 10グラム
・日本酒 30グラム
・塩 8グラム

【レシピ】

1. 菜の花を湯引きする。
2. 湯引きした菜の花をみじん切りにして搾る。
3. 皮を作る。作り方は「劉媽包」と同じだが、お湯の代わりに菜の花の搾り汁を使う。
4. 豚肉を細かくカット。ネギはみじん切り。しょうがは細かく叩く。
5. ボウルに入れて、油、醤油、料理酒を加える。
6. ボウルにみじん切りした菜の花を加えて、よく混ぜる。
7. 塩を加え、よくかき混ぜる。
8. 皮に餡を包んだら沸騰したお湯に入れ、くっつかないよう時々混ぜながら7分ほど茹でる。

今日のダンツマ達人…劉玉栄さん

▽りゅう・りょえい
 1974年、中国・遼寧省大連市生まれ。子供の頃から母親に教わりながら料理に親しむ。中国のホテルで働いた後、99年に語学留学で来日し、食材のおいしさに感動。「日本の食材を生かしたお母さんの餃子を作りたい」と研究を始める。現在は同店のマネジャーであり、餃子・饅頭ブランド「劉媽包/LIUMA BAO」の責任者も兼務している。

▽チャイナサーカス
 フランス料理の人気店「キハチ」のスタッフだった田端豊巳さんが2016年にオープン。表参道のケヤキ並木を見下ろす絶好のロケーションで、日本の旬の食材を使った中華料理を堪能できる。ワインもスピリッツも国産をそろえ、化学調味料は一切使わない。どの料理もおだやかで、やさしい味わいだ。渋谷区神宮前5―8―5 ジュビリープラザビル2F。

(日刊ゲンダイ2018年4月5日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「柴漬けアーリオ・オーリオ」ワインに合う人気賄いメニュー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
自家製「鶏ハム」超簡単なのにしっとり&うま味じんわり!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「タコとオクラのマリネ」イタリア魚醤で味の輪郭くっきり
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「きゅうりのバルサミコ酢マリネ」うま味と歯ごたえが絶品!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「ピーマンとツナのサラダ」ピーマンのしんなり加減はお好みで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・芝公園の「イタリア料理 樋渡」の原耕平さ...
「イチジクのコンポート」コツはイチジクの赤さを残すこと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「あん肝の奈良漬け添え」まるでムース…奈良漬と相性抜群!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
うま味が濃厚!「煮帆立」帆立てとはまぐりのマリアージュ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
秋を先取り! 生落花生のおいしい食べ方♡ 2021.9.2(木)
 まだまだ暑い日が続きますが、無人販売所には少しずつ秋の気配が。  8月下旬から旬を迎える「生落花生」が並ぶように...
江戸前寿司の象徴「煮はまぐり」 余熱でふんわり軟らかく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
「長芋すりおろしゼリー」トロッとした食感にアサリのうま味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・浅草の「鮨 久いち」の出口威知朗さんに、...
やめられない止まらない「ガーリックチーズペッパーナッツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...
豊かな風味とコクの「レモングラスチキン」漬けて焼くだけ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...
夏に最適! さっぱりおいしい「酢ショウガ」2021.8.28(土)
 すっかり日常に欠かせなくなった無人販売所。今回は朝採れのショウガをゲットしました!  しかも青々とした葉っぱ付き...
人気ビストロのワイン半額セールに遭遇!2021.8.27(金)
 たまにはお洒落な街を歩いて右脳を刺激してみるか! と、東京・有楽町から丸の内方面に歩いて向かっていた、とある8月の夕暮...
「スパイシーチキンカリー」市販のサラダチキンで和の風味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・外苑前のグルテンフリーバインミー専門店「...