「春野菜と山菜の酢味噌和えジュレ」ほろ苦さと香りを味わう

コクハク編集部
更新日:2020-05-02 06:00
投稿日:2020-05-02 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、濃いめにとっただしに漬けた「春野菜と山菜の酢味噌和えジュレ」のレシピを教えていただきました。

ひたし地の“ダブル使い”がポイント

 春の到来を告げる山菜は、独特のほろ苦さと香りがごちそうです。

「山菜のおいしさを味わうなら、やっぱりおひたしに限りますよね。あくが強くて下ごしらえが大変そうに思うかもしれませんが、タラの芽やうるい、こごみなどは、さっと下茹でするだけなので、扱いやすいと思います。あとはおいしいだしさえあればいい」

 昆布とかつお節で濃いめにとっただしに調味料を加えてひたし地を作り、野菜を漬けるだけでなく、ゼラチンで固めたジュレを上からかけるという、ひたし地の“ダブル使い”がポイントです。

 ジュレのほうは、冷ますとどうしても塩味が落ちて味がぼけるので、塩ひとつまみを加えることがおいしさの決め手だといいます。お酒はフレッシュでみずみずしく、米のうま味を感じるうすにごりの純米酒を。春野菜の苦味をまろやかに包み込んでくれます。

【材料】

・菜の花、タラの芽、うるい、こごみ、ふき    各適量
・ひたし地(だし2リットル、塩10グラム、薄口醤油小さじ1、酒小さじ2、みりん小さじ1、砂糖1グラム)       適量
・ジュレ(ひたし地250ミリリットル、ゼラチン5グラム、塩ひとつまみ)

【レシピ】

1. ひたし地の材料を鍋に合わせて火にかけ、沸騰する手前で火を止める。
2. 塩とゼラチンを入れたボウルに1を250ミリリットル熱いうちに加えてよく混ぜ合わせる。粗熱がとれたら、冷蔵庫で2時間ほど冷やし、フォークでほぐす。
3. 菜の花、タラの芽、うるい、こごみはそれぞれ茹でて氷水にとる。ふきは塩で板ずりにしてから茹でて氷水にとり、筋を取る。
4. 水気をとり、食べやすい大きさに切った3を冷やした1のひたし地に2~3時間漬ける。
5. 器に盛り、ひたし地を張って2のジュレをのせ、酢味噌を回しかける。

《だしの取り方》
 鍋に水2リットルと昆布20グラムを入れて10~20分おき、中火にかける。沸騰直前に昆布を引き上げ、さし水100ミリリットルをしたらかつお節100グラムを入れて火を止める。1~1分半おいてこす。

《酢味噌の作り方》
 鍋に酢70ミリリットルと薄口醤油20ミリリットルを合わせて火にかける。和からし6グラムと砂糖20グラムを溶かし、白味噌200グラムを加えて溶き、最後にみりん少々を加える。

本日のダンツマ達人…川辺輝明さん

▽かわべ・てるあき
 1974年、東京都生まれ。高校卒業後、専門学校を経て、ワーキングホリデーなどで3年ほど海外へ。帰国後、数軒の飲食店で修業をし、三軒茶屋の日本酒居酒屋「赤鬼」から2004年に独立。学芸大学に「件」をオープン。

▽くだん
 東急東横線沿線では横浜に次いで飲食店が多いといわれる激戦区・学芸大学駅前で愛され続けて14年。こだわりの日本酒は定番が40種類で、酒蔵とのコラボによるプライベートブランドもあり。名物は天然素材のみでとったダシで炊いたおでん。東京都目黒区鷹番3―7―4。

(日刊ゲンダイ2018年4月26日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「中華風冷ややっこ」みじん切りにしたニラとミントをのせて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・四谷三丁目の中華料理店「南方中華料理 南三...
1人用小鍋で作る「チゲ鍋」 ピリ辛の魚介と豆腐をつまむ至福
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんに、1...
簡単で失敗なし!おうちで作るデリ風ごぼうサラダ☆副菜にも
 なかなか落ち着く様子の見られない新型コロナ。まだまだ在宅勤務の日が多いのではないでしょうか? マンネリ化してきたごはん...
ぐっち夫婦 2020-09-27 11:53 フード
ざくっと盛る「アボカドとアーモンドのピリ辛ポテトサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のドイツ料理が楽しめるワインバー「ワイ...
定番「ポテトサラダ」でも一味違う…ゴロゴロお肉のお得感
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さんに...
インド気分で「ショウガパクラ」冷えたビールとの相性は完璧
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・経堂のインド料理店「ガラムマサラ」のハサン...
懐かしい風味…シーフードミックスで作る「フィッシュカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、冷凍...
フライパン1個で作れる定番「メークインのフライドポテト」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
「シシトウの肉巻き」大人も子供も間違いなく好きな味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「タルトフランベ」王道トッピングで味わうアルザス風ピザ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
「イカとオクラの生姜醤油和え」お酒とご飯とおそばにも合う
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
「真鯛のかしら酒蒸しポン酢」フライパンで5分の料亭の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
「豆のサラダ」イタリアンの前菜に…時間を置くほど風味がUP
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「鳥モモ肉塩麹バター焼き」健康志向のお手軽フレンチつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
栄養士が伝授! きつ~い「残暑バテ」を予防する時短レシピ
「残暑バテが続いて食欲がない」「体がダルくて重い」――。そんな悩みを抱える方が増えがちなこの時期。体のメカニズムを知り、...
梅干しと和えた「豚しゃぶ」 ハチミツ漬けで夏の疲れ解消!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...