暑い日には「手づかみ棒棒鶏」 キュウリで挟む逆転の発想

コクハク編集部
更新日:2020-07-20 06:00
投稿日:2020-07-20 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食店「かこい亭」の栫山賢一さんに、後味爽やかな「手づかみ棒棒鶏」のレシピを教えていただきました。

脇役のキュウリが主役へ昇華

 これは面白いアイデア。本来は付け合わせのキュウリに棒棒鶏の具材とソースを挟んでしまおうという発想です。

「友人にバーベキューに誘われて、箸も皿も必要のないツマミがあったら便利だなと。簡単で、おいしく、しかも片手で食べられる。酸味を利かせたソースが暑い屋外で食べるのに合うんでしょうかね、せっかくのお肉に見向きもせず、こればっかりつまんでいる人もいます」

 キュウリを半分に切って、それぞれに真ん中から3分の2ほどの切れ込みを入れます。ポイントは事前にキュウリを1%の塩水に30分から1時間漬けておくこと。これをしないと、具材を挟み込む際にキュウリが割れてしまいます。

 浅漬けの要領でしんなりさせたキュウリはそれ自体が下味となり、本来の甘味も増します。これはキュウリが主役の棒棒鶏と言っていいかも。コクのあるゴマのソースと合わせても後味は爽やかで、白ワインをガブガブやりたくなります。

【材料】

・キュウリ2本
・鳥のささみ60グラム(ボイルしたものを手で割いておく)
・玉ネギのスライス20グラム
・ニンジンのスライス10グラム(軽く湯通ししておく)

<ソース>
・白の練りゴマ小さじ1
・しょうゆ小さじ1
・酢、砂糖、白のすりゴマ、ショウガのすりおろし、ニンニクのすりおろし、糸切り唐辛子、ラー油、ごま油を各少々

【レシピ】

 キュウリ以外の材料をソースで和え、塩水に漬けたキュウリに挟み込んだら、最後に黒のすりゴマ(分量外)をパラリと振る

本日のダンツマ達人…栫山賢一さん

▽かこいやま・けんいち
 鹿児島県出身。高校卒業後、国内外で腕を磨き、35歳で大阪・北新地にシャモ料理店をオープン。瞬く間に人気店となり、15年8月にたったひとりで東京銀座に進出。オーナー、料理人、丁寧な給仕役の“三刀流”で訪れる客の舌と心を満足させている。

▽かこい亭
 祖父直伝の水炊きが自慢。生後10カ月以内の鹿児島産若シャモだけを実に50羽も使って抽出する珠玉の無化調白湯スープは一食の価値がある。中央区銀座7―5―12 ニューギンザビル8号館地下1階。

(日刊ゲンダイ 2017年7月28日付記事を再編集)

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