シンプルイズベスト! 3分で完成「万願寺唐辛子の焼き浸し」

コクハク編集部
更新日:2020-07-29 06:00
投稿日:2020-07-29 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・向島の老舗料亭「櫻茶ヤ」の添野光二さんに、直火で焼いた「万願寺唐辛子の焼き浸し」のレシピを教えていただきました。

甘じょっぱさと歯ごたえが後を引く

「日本料理の神髄は、やっぱり引き算だと思います。若い頃は、あれもこれもと、つい足し算になってしまいがちですけどね」

 調理科のある高校を卒業後、数々の日本料理店で修業を積んだ添野光二さん。たどり着いた答えのひとつがこれです。

「口の肥えたお客さんほど、引き算ですね」

 それにしても、この一品は、あまりにもシンプル。材料は万願寺唐辛子だけです。3分で完成してしまいます。

「サラダ油を塗った万願寺唐辛子を金属の箸に刺して、ガス台の火でバチッバチッと焼いてください。焦げ目がついたら、熱いうちに醤油とダシの同割のタレにくぐらせ、器に盛ったら花かつおをかける。これで終わりです。カンタンでしょ」

 一口、食べると、甘じょっぱくて、歯ごたえがあり、後を引くおいしさ。お酒のつまみなのに、いくらでも食べたくなっちゃう。おすすめの酒は、断然ハイボールです。

「万願寺がなければ、獅子唐辛子でもいいですよ」

「素人が料理を上手に作るコツは手を加えすぎないこと。やり過ぎないことです」

 このおつまみなら、やり過ぎることもなさそうです。

【材料】

・万願寺唐辛子
・花かつお

【作り方】

(1)万願寺唐辛子にサラダ油を塗り、網で直火で焼く。
(2)焼き目がついたら、熱いうちに鰹ダシと醤油が同割の汁にくぐらせる。
(3)器に盛ったら、花かつおをかける。

本日のダンツマ達人…添野光二さん

▽そえの・こうじ
 栃木県出身。58歳。調理科のある高校を卒業後、上京。五反田の割烹を振り出しに京都料理の店、新潟料理の店、ホテルなど日本料理店で修業。

▽櫻茶ヤ
 昭和8年創業。いまも芸者を残す都内随一の料亭街である墨田区向島で4代続く老舗の料亭。一歩、中に入ると、多くの文化財や絵画、陶器、掛け軸が飾ってあり、別世界。最近は外国人客も来店している。墨田区向島5―24―10。

(日刊ゲンダイ2017年9月12日付記事を再編集)

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