3つのポイントを押さえてプロの味
いよいよ餃子レシピの登場です。野坂さんが「市販の皮を使って、簡単においしく焼ける方法」を伝授してくれました。
ポイント1は天日干し。白菜、キャベツ、シイタケを半日ほど天日干しします。ポイント2は肉屋で豚の背脂を手に入れること。刻んで鍋で溶かして鍋ごと冷まし使います。ラードは本来の風味が損なわれているので、背脂を。ポイント3は焼く前にボイルすること。
「本来、焼き餃子は水餃子の余りを焼いたもの。一度ボイルしておけば、あとは弱火でカリッとなるまで焼くだけ」(野坂さん)
市販の皮を使った餃子は、水餃子には向かないそうです。寿司に炊きたての米を使うように、水餃子には作りたての皮を。市販の皮を使うなら、焼き餃子で決まりです。
【材料】 40個分
・豚肩ロース肉(ブロック) 200グラム
・豚背脂 100グラム
・醤油 大さじ2
・ゴマ油 大さじ1
・塩・コショウ 少々
・白菜 200グラム
・キャベツ 200グラム
・ニラ 5本
・ネギ 1本
・シイタケ 4枚
・しょうが 20グラム
・ニンニク 4~5個
・餃子の皮 40枚
・サラダ油
【レシピ】
(1)豚肉の脂の多い部分は取り除き、大豆ほどの大きさに粗みじん切りする。皮ごとおろしたしょうがとおろしニンニクを加える。
(2)半日ほど天日干しした白菜、キャベツ、シイタケを粗みじん切りにする。ニラ、ネギも粗みじん切りにする。
(3)背脂をみじん切りにし、鍋に入れて弱火で溶かし、鍋ごと冷ましてから、醤油、ゴマ油、塩コショウを加えてよくかき混ぜる。
(4)肉と野菜を3に入れてよくかき混ぜ、1時間ほど冷蔵庫で寝かせる。
(5)餃子の皮1枚にスプーン1杯ほどのあんを入れて三日月形に包む。
【焼き方】
1. 沸騰した多めのお湯に餃子を入れ、浮いてきたらざるにあげる。くっつき防止のために軽く油をまぶし冷やしておく。
2. 焼く直前に水溶き上新粉に餃子を軽く浸す。
3. フライパンに油をひき、餃子を入れて焼く。弱火でカリッときつね色になったら出来上がり。焼き目を上にして皿に盛りつける。
本日のダンツマ達人…野坂由郎さん
▽野坂由郎(のさか・よしろう)
青森県出身。作家・小田実の旅行記「何でも見てやろう」に憧れ、英語を習いだしたが、そこで知り合った友人の影響で“中華の世界を見てやろう”と方向転換し、「東京大飯店」に就職。当時は中学卒業後に料理人修業をするのが普通。22歳だった野坂さんは、かなり遅めのスタートだった。33歳で「餃子の店 您好」を開店。
▽您好(ニイハオ)
2016年以降、ミシュランに掲載されている人気餃子店。「東京大飯店」時代、天気がいい日は野菜を天日干しし、大量に餃子を作った。水餃子といえばスープに入ったものが主流だったが、先輩たちの作る水餃子はゆでて食べる本場仕立て。残った水餃子は焼いて食べる。その時のレシピを今も生かしている。水餃子、焼き餃子、揚げ餃子に加え、手作りの腸詰めもこの店では外せない。東京都渋谷区西原2―27―4 升本酒店2階。
(日刊ゲンダイ2019年10月12日付記事を再編集)
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