「タコのクリームチーズサテトム和え」はコクのある味わい

コクハク編集部
更新日:2020-09-30 06:00
投稿日:2020-09-30 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・芦屋のビストロ「Isshiki」の一色幸作さんに、酸味と辛味が調和した「タコのクリームチーズサテトム和え」のレシピを教えていただきました。

ニンニクのピクルスを添えて

 かつて魚料理専門のイタリアンで修業していた時、週2回は早起きして神戸市の中央卸売市場に出掛け、魚を見る目を養いました。一色シェフの得意分野は魚介料理。個々の魚の特性や調理方法に関する知識は豊富です。

「ただ軸足はフレンチに置いているので、今もクラシックなことを勉強しています。フレンチは比較的酸味のある料理が多いのですが、辛さのあるものは少ない。特に暑い時季は、香辛料を利かせた方が食が進みます。そこでベトナムの食べるラー油『サテトム』を使ってみました」

 レモンを搾り、辛味を加え、試行錯誤を繰り返し、クリームチーズにたどり着きました。

「これはお菓子の材料だとか、料理の材料だとかいう区別は本来なく、豚のソースにダークチェリーを入れたり、和食にしても桃とヒラメのサラダとか、そういった発想を意識的に取り入れるように心掛けています」

 アクセントにスライスしたニンニクのピクルスを添えます。食べるラー油のピリッとした辛味と濃厚で酸味のあるクリームチーズの味わいが、タコの食感と絶妙に合います。

【材料】

・タコ 足大2本
・酒 適量
・クリームチーズ 大さじ1
・食べるラー油 小さじ1
・塩、コショウ 適量
・レモン汁 適量
・ニンニクピクルス 適量

【レシピ】

(1)酒とお湯の分量は1対1が基本。貝やイカなど魚介をさっと湯がき、湯引きする時はこの配分で間違いない。
(2)湯がいたタコは冷水に取らず、おか上げして空気中で冷ます。理由はタコ独特の臭みを取るため。
(3)常温になったらブツ切りにしてクリームチーズ、食べるラー油をかける(マックスで小さじ1)。
(4)塩、コショウ、レモン汁を和える。
(5)食感が残る程度に湯がき、スライスし、ピクルス液に漬けていたニンニクを添える。

本日のダンツマ達人…一色幸作さん

▽いっしき・こうさく
 神戸市灘区出身。中学生時代から寿司職人に憧れ、高校卒業後、辻調理師専門学校に進学し、和洋中料理を学び、最終的にフレンチを選択。神戸の「メリケンパークオリエンタルホテル」を経て、オーナーシェフのフレンチなどで修業を積み、2017年12月、芦屋の山手の閑静な住宅街に「Isshiki」をオープン。

▽Isshiki
 カウンター10席ながら店内はゆったりとくつろげる空間が広がる。ランチは、前菜付きの生パスタ(1080円)と目玉焼きチーズハンバーグプレート(1290円)の2種類。夜は、アラカルトのみの本格フレンチ。近所に住む芦屋マダムで賑わっている。兵庫県芦屋市東山町2―6。

(日刊ゲンダイ2019年9月18日付記事を再編集)

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