ツナ缶はオイル漬けのほうがリッチな仕上がりに
原さんが作る料理は、ワインが進むのに塩加減は最低限。すっきりと酸が効いていて、香りやテクスチャーの変化がおのずとワインを呼ぶのです。
「店ではもちろん丁寧な仕事をしますが、自分で作って食べる“ダンツマ”は、作るのも食べるのも気楽が一番。そして、お酒の邪魔をしないことが大事です。料理人とはいえ、市販品に手を加えたり、レンチンで野菜に火を入れたりも普通にしますよ」
ツナ缶を使ったピーマンとツナのサラダは、ピーマンにサッと火を入れてしんなりさせるのがポイント。茹でても、焼いても、ラップに包んでレンチンでも何でもいいそうです。茹で加減もお好みで。シャキシャキ感を残したければ、サッと茹でるだけでOKです。
「イメージとしては、トンナートソースでパプリカのマリネを食べる感じです」
トンナートソースとは、北イタリア・ピエモンテ州の郷土料理で、ツナとマヨネーズのソース。野菜だけでなく肉料理にも合う万能ソースです。
「ツナ缶はオイル漬けのほうがリッチな仕上がりになります。インゲンなど青みのある野菜だったら何でも合いますよ」
合わせるお酒は意外にも芋焼酎のソーダ割り。
「自宅では大体『黒霧島』のソーダ割りにレモンをきゅっと搾って飲んでいます(笑い)」
材料(2人分)
・ピーマン 5個
・ツナ缶(小) 1缶(70グラム)
・マヨネーズ 大さじ1
・しょうゆ 小さじ2分の1
・かつおぶし 適量
レシピ
(1)ピーマンは半分に切って、ヘタと種を取り、食べやすい大きさに切って、好みの硬さに茹でる
(2)ボウルに水気を切った1、オイルを切ったツナ缶を入れ、マヨネーズ、しょうゆを加えて和える
(3)器に盛り、かつおぶしをかける
本日のダンツマ達人…原耕平さん
▽原耕平(はら・こうへい)
1985年、神奈川県生まれ。服部栄養専門学校在学中から東京・麻布十番「ラ・コメータ」でアルバイトをし、卒業後そのまま就職。その後、表参道「フェリチタ」(現在は閉店)の岡谷文雄シェフの下で2年間修業。25歳でイタリアに渡り、1年間の修業を経て帰国。麹町「ロッシ」で再び岡谷シェフのもとで腕を磨く。神保町「ジロトンド」料理長を経て、2019年10月に独立。33歳で芝公園に「イタリア料理 樋渡」をオープン。
▽イタリア料理 樋渡
店名は原さんの実家の屋号。モットーは、日本の食材を生かしながら、本物のイタリア料理を作ること。8月12日には店から徒歩2分の場所に立ち飲みもできる総菜店「芝惣菜所」もオープン。東京都港区芝2-15-4。
(日刊ゲンダイ2021年8月31日付記事を再編集)
フード 新着一覧