秋だからこその逸品「秋刀魚のアチャール」旬の味覚が大変身

コクハク編集部
更新日:2021-11-09 06:00
投稿日:2021-11-09 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・下北沢の「タコムマサラダイナー」の藤田一也さんに、「秋刀魚のアチャール」のレシピを教えていただきました。

「大阪でカレーにハマったんですが、たこ焼きにもハマったんです」

 藤井さんが本格的にたこ焼きを探求し始めたのには、あるきっかけがありました。大阪・ミナミのバーでお酒を飲んでいた時のこと。馴染みのバーテンダーとたこ焼き談議をしていたところ、「たこ焼きは、生粋の大阪人じゃないとわからない」と言われました。

「もう悔しくて。たこ焼きを語れるくらい食べてやろうと、100軒以上は食べました」

 昼休みのたびに、一度に数店舗のたこ焼きを買い、食べ比べ。それぞれの店に味の特徴があることを痛感し、たこ焼き愛が、カレー愛と同レベルまで高まっていったのです。

「粉とスパイスは合う。家でタコパとかやって試しに入れたらおいしいやん! かねて独立を考えていたのですが、カレーもやりたいし、好きなたこ焼きもテーマにしたい、じゃあスパイスたこ焼きをやろう、となったんです」

 今回の秋刀魚のアチャールは、「秋」だからこその逸品。手に入らないスパイスは省いてもいいですが、あった方が味に奥行きが出ます。

材料

・秋刀魚 3本
・油 200グラム(100グラムずつ使う)
・おろしショウガ 大さじ1
・おろしニンニク 大さじ1
・青唐辛子 1本
・レモン果汁 30㏄
・塩 15グラム

ホールスパイス
【A】
・マスタードシード 3グラム
・フェヌグリーク 2グラム
・チリ 3本
【B】
・ニゲラ 1グラム
・フェンネル 1グラム
・アジョワン 1グラム

パウダースパイス
・ターメリック 4グラム
・パプリカ 4グラム
・チリ 5グラム
・ブラックペッパー 3グラム

レシピ

(1)秋刀魚は頭と内臓を取って下処理をし、適当なサイズに切って軽く塩を振る
(2)油100グラムを鍋に入れ、ホールスパイスAを入れ、中火から弱火の絶妙な火加減で火にかける。焦げ感が出始めたら、ホールスパイスBを加える。スパイスの香りが出てきたところでニンニク、ショウガ、青唐辛子を入れ、弱火で炒める
(3)パウダースパイスと塩を入れてしっかり混ぜたら残りの油100グラムを加える。秋刀魚を入れ、ごく弱火で30分ほどかけて煮る(コンフィ)。こうすると骨まで軟らかくなる
(4)冷めたらレモン果汁を入れて混ぜ合わす。冷蔵庫で一晩以上置く。1週間ほどは日持ちする
(5)好みでショウガの千切り(分量外)を添える

本日のダンツマ達人…藤田一也さん

▽藤田一也(ふじた・かずや)
 1980年、愛媛県生まれ。進学先の大阪でカレーとスパイスに興味を持ち、ゲーム制作会社就職後は仕事の合間にカレーを自作。2005年「ヤムカレー」(現・旧ヤム邸)代表の植竹大介氏と出会い、13年に「旧ヤム邸」へ転職。17年「旧ヤム邸シモキタ荘」開店のため東京進出。20年に退社し、植竹大介氏、「薬膳和鍋 Lotus Pot」(大阪・西天満)代表の小松佳苗氏の3人で「㈱ビーキュウ」を創業。翌21年、諸店舗「タコムマサラダイナー下北沢」を開業。

▽タコムマサラダイナー下北沢
 スパイスとダシが香る「スパイスたこ焼き」が主商品。「インドにないアチャール」「スパイス冷菜」「ポテサラ風スパイスサブジ」など、酒に合うつまみや、藤田さんならではのスパイスカレーも必食。今年8月30日には旧ヤム邸とのコラボ店「タコムマサラ日比谷」を日比谷フォートタワー1階に開店した。東京都世田谷区北沢2―32―8 SSビル2階A店舗。

(日刊ゲンダイ2021年10月27日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


肝を加えてコクを出す「サンマとクリームチーズのリエット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇のビストロ「Refuge」の大城忍さん...
ボージョレに合う!はちみつが隠し味のコク旨♡カプレーゼ
 この時期が来ると、デパートやスーパーの食品売り場は(待ってました!? の)“ボージョレムード一色”になりますね♪ ぐっ...
ぐっち夫婦 2020-01-15 14:56 フード
「コンビーフのトマト煮」簡単&豪快調理なのに優しい味わい
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さんに...
「ホタテと春菊のワサビ和え」茹でずに焼くのが味の決め手
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
お肉を使わないからサッパリヘルシー「白いマーボー豆腐」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・小樽のロードレストラン「シルフィード」の...
「タコ、ジャガイモ、オリーブのサラダ アンチョビー風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...
「トマトとナスのラタトゥイユ」作り置きすれば何かと便利
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の創作居酒屋「じんから」の堅谷博さん...
シンプルだからこそ素材にはこだって作りたい「ウフマヨ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
醤油が効いたキレのよさ…かえしを使った「そば屋の焼き鳥」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の「そば処 築地長生庵」の松本憲明さん...
玉ねぎとチーズの食感が食欲を誘う「セルベル・ド・カニュ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
ぐっち家のド定番!ブロッコリーとクリチのごまおかか和え
 今回はぐっち夫婦が普段からよく作る「クリームチーズ」を使ったおつまみをご紹介します! クリームチーズというと、なんとな...
ぐっち夫婦 2019-11-17 20:32 フード
ひよこ豆の粉を使った「パジア」 おいしさの決め手は水加減
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
「蒜泥白肉」豚バラ肉にニンニクをたっぷり絡めてがっつりと
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
酸味と辛味でお酒がすすむ「イカとレタスのチョレギサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
干し貝柱のうま味がたっぷり「簡単おいしいシューマイ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、干し...
カリカリ&トローリ…自分好みに作れちゃう「自家製厚揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...