どうせ疑われるなら――友人3人の絆が崩壊。束縛女、浮気男、略奪女…本当に悪いのは誰?

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-09-24 21:19
投稿日:2025-09-12 11:45

異様な束縛とひどすぎる悪口

「開口一番、『彼の休みに何の用?』『もしかして、栄太を狙ってる?』と責められたんです。あまりの剣幕に驚きました。事情を説明しても、まったく聞き入れてもらえませんでした。それでも、何とか黒染めを終え、お客様は満足して帰ってくれたのですが…」

 この一件を境に、空気は一変する。

 栄太さんからは「さっきはごめん。結婚してから束縛が激しくて…」とLINEが届き、休日は連絡禁止、男友達との飲み会もNG。

 さらには『女性客には極力触れないで』『十和子と仲良くしないで。あの子、意外にあざといの』とまで言われたという。

「ひどい言われようで驚きました。しかも、結婚してからの栄太は痩せて、顔色も冴えなくなっていて…『結婚相手を間違えたかもしれない』と弱音を吐くこともありましたね」

どうせ疑われているならいっそ…

 そしてある夜。残業を口実に、栄太さんと2人で飲みに行った十和子さんは、ついに一線を越えてしまう。

「半分は絵美への怒り、半分は栄太に安らいでほしい一心でした。どうせ疑われているのだから、いっそ…という気持ちで」

 その後も栄太さんから「今日、少しだけ会えないか」と誘いが続き、2人の関係はズルズルと続いていった。

「不倫が最低なのはわかっています。でも、気づけば私も彼に惹かれ始めてしまって…」

本当に悪いのは誰?

 ここで立ち止まって考えたい。本当に悪いのは誰か?

 もちろん、絵美さんの過剰な束縛は、夫婦関係を確実に壊した。だが一方で、十和子さんと栄太さんの「不倫関係」が始まった時点で、もはや「被害者」ではなく「加害者」にもなっている。

 束縛されて苦しんでいる夫を見て「救いたい」と思う優しさは理解できる。だが、それを「不倫」という形で実行してしまえば、結果的に誰も救えない。むしろ、3人全員が傷つく。

 不倫とは、最初こそ「癒し」や「逃げ場」のように感じても、結局は現実から目をそらすだけの刹那的な逃避に過ぎない。

 彼は妻との問題を解決しようとせず、ただ外に逃げただけ。そして十和子さんも「彼を守る」という言い訳で、自ら泥沼に足を踏み入れた。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


高身長男性に惹かれる女性必読 「ウドの大木」にご注意を
 結婚相談所の書類にある「身長」を書く欄。相手を選ぶ時に、背の高さを条件にする女性がいまだ多いということでしょう。でも、...
孔井嘉乃 2019-03-18 17:24 ラブ
マンネリ解消にオススメ 照れずにできるスキンシップの方法
 パートナーに「くっつきたい」と思っているのに、スキンシップのタイミングが取れないまま日々が過ぎていく。そうしていつの間...
孔井嘉乃 2019-04-12 05:55 ラブ
市川海老蔵の変貌にみる 男が遊び人から「卒業」する日
 一時期は“稀代のプレイボーイ”として連日週刊誌に話題を振りまいた歌舞伎俳優の市川海老蔵さん。 「灰皿テキーラ」と...
しめサバ子 2019-03-15 08:19 ラブ
超年の差も…女性教師と中学男子が“禁断の恋”をする時代?
 先日、驚くような事件が起きました。中学生徒とテーマパークに出かけてキスをしたとして、千葉県の44歳の担任教師が懲戒免職...
内藤みか 2019-03-15 06:00 ラブ
果たして「男はオオカミ」なのか?全ては女性次第だったり?
 先日、久々に「男はオオカミなんだから」というセリフを聞きました。でも、「本当にそうかな?」と、ふと思った筆者です。実の...
孔井嘉乃 2019-10-31 16:11 ラブ
「失礼しました」多用の女性をハイスペ男子が選ばない理由
 昨今、「申し訳ありません」の代用として「失礼しました」を多用する風潮が強くなっている気がします。しかし、この「失礼しま...
並木まき 2019-04-17 03:29 ラブ
究極のモテは「わたし、気になります!」な好奇心旺盛女子
「わたし、気になります!」  こちら、大人気TVアニメ「氷菓」のヒロイン・千反田える (ちたんだえる)の決めゼリフ...
しめサバ子 2019-03-13 15:55 ラブ
男性の脳を刺激 “香りマーケティング”は恋愛でも使えます
 結婚につながる恋のコンサルタント山本早織です。第1回目の「結婚につながる恋コラム」では、五感で男性を刺激する、最も効果...
山本早織 2019-03-25 07:40 ラブ
不倫からの略奪愛に長けた女性に見られる“危ない傾向3つ”
 不倫をしている女性の中には、「いつかは正妻から彼を略奪したい」と目論む女性も珍しくないようです。人の家庭をぶち壊してま...
並木まき 2019-04-14 03:08 ラブ
恋愛相談を女友達にするなら…絶対に知っておきたいルール
 恋愛中は「少しでも誰かに話したい!相談したい!」と思うのが女性です。そんな時にじっくり話を聞いてくれるのが、気のおけな...
孔井嘉乃 2019-04-13 02:02 ラブ
ナンパからの恋愛ってあり? ナンパでも誠実な男の見分け方
 ナンパ=チャラい、というイメージから「ナンパで始まる恋なんて絶対無理!」と思っている方も多いのではないでしょうか。実際...
しめサバ子 2019-04-10 03:27 ラブ
嫉妬心を消すには「逃げる」or「立ち向かう」の2択しかない
 仕事で活躍する同僚、好きな人の彼女、スタイルが良く笑顔が素敵な女友達、芸能人――。例えを挙げればキリがないほど、誰もが...
孔井嘉乃 2019-03-08 18:39 ラブ
上げ底に比例? シークレットシューズを履いた男のプライド
 ノンフィクションでお届けしている「ザンネンな恋の話」。今回は、身長168cmのモデル体型のんちゃん(仮名)が出会ったハ...
田中絵音 2019-03-28 20:58 ラブ
男性の「ちょっと距離を置こう」は何日? 結論を急ぐ女性へ
 お付き合いをしている男性からの「ちょっと距離を置こう」の言葉。「いつまでって何日!?」と、つい問いたくなりますよね。そ...
孔井嘉乃 2019-04-11 06:28 ラブ
【渋谷編・上】“いきなり恋人”からカジュアルに宗旨替え!
 もたもたしてる間に、幼なじみは結婚して子育てするなど教科書のような人生を歩み始めた――。アラサーに突入して焦燥感が高ま...
高輪らいあん 2019-04-22 23:05 ラブ
男の褒め言葉「かわいい」は「ブスじゃない」と同義だった
 合コンなどの前情報では、女性が「かわいい子を連れていくね!」と言っても、信じない男性が多いと聞きます。「女の言う“かわ...
並木まき 2019-04-08 01:48 ラブ