「海苔の佃煮チンジャオロース」具と絡む濃厚なコクと照り

コクハク編集部
更新日:2019-12-28 06:00
投稿日:2019-12-28 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、意外な組み合わせの「海苔の佃煮チンジャオロース」のレシピを教えていただきました。

海苔の佃煮が調味料代わり

「いろいろな調味料を使っていそうな料理に見えるでしょう? でも、海苔の佃煮が味のポイントになっているのでほとんど使っていないんです」

 口に頬張ると中華の脂っこさやしつこさがまったくないうえ、不思議なことに佃煮感もありません。肉やピーマンによく絡んだ濃厚なコクと照りで、お酒がどんどん進みます。

 そういえば中華料理店のチンジャオロースに使われるオイスターソースはカキを主原料にしているので、岩海苔とは磯つながり。調味料として使うのも大アリです。

 卜部さんは、今まであったようでなかった組み合わせや代用を考えるのが得意。主婦層に人気が高い関西のテレビ番組で料理担当もしています。神田川俊郎氏の孫弟子にもあたるそうです。家にいるような、気取らない和空間の店内で、白い割烹着姿がまた落ち着きます。

「大和撫子とか大正ロマン、モボ・モガが大好きで、偶然ですが、店が入っているビルの名前もYAMATOです」

 スタッフは全員女性。コースターや置物など至るところで女性ならではのこまやかさや気遣いを感じます。ここは麦焼酎「なでしこ」で決まりですね!

【材料】

・牛肉切り落とし  150グラム
・片栗粉 大さじ1
・ゴマ油      大さじ2
・シメジ   2分の1パック
・赤パプリカ   2分の1個
・黄パプリカ   2分の1個
・ピーマン       2個

調味料
・岩海苔      大さじ2
・酒        大さじ1
・ゴマ油      大さじ1
・カツオ節       適量

【レシピ】

1. 牛肉に塩コショウ(分量外)と片栗粉をふり、ゴマ油を絡め揉み込む。
2. シメジをさばき、パプリカとピーマンをマッチ棒状に切る。
3. フライパンにゴマ油(分量外)をひき、牛肉を炒め、2を入れてしんなりするまで炒める。
4. 酒でのばした岩海苔を加え、カツオ節を天盛りにして出来上がり。

本日のダンツマ達人…卜部吉恵さん

▽うらべ・よしえ
 広島県出身。管理栄養士として3年間、食品会社で研究開発に携わったあと、病院で栄養指導を行う。患者を指導していくなかで栄養指導型の食事どころがあればという思いが募り、28歳で「和旬 撫子」を開店。


▽「和旬 撫子」
 旬の素材を用いた「四季かヲる料理」をコースで提供している。栄養指導型でカロリーやバランスにこだわり過ぎるよりも、おいしく食べる方が心が健康になり、人にとって“栄養”になるという思いがどの料理にも込められている。
大阪市中央区東心斎橋1―6―19 YAMATOビル2階
℡06・6281・8411

(日刊ゲンダイ2019年3月20日付記事を再編集)

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