旬の牡蠣を使って平たいお皿で作る「牡蠣の中華風茶碗蒸し」

コクハク編集部
更新日:2020-10-14 06:00
投稿日:2020-10-14 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇のビストロ「Refuge」の大城忍さんに、牡蠣のエキスをあますことなく食べる「牡蠣の中華風茶碗蒸し」のレシピを教えていただきました。

白醤油が引き出す素材のウマ味

 今が旬の海のミルクは生でもよし、揚げてもよし。そのエキスを、あますことなく食べるなら、茶碗蒸しでしょう。

「卵液のだしは市販の中華スープのもとで構いませんが、白醤油を使うのが肝。卵液や牡蠣(カキ)の色合いを損なうことなくウマ味を引き出してくれますから。白醤油がなければ、ナンプラーやしょっつるでもおいしいですよ」

 茶碗蒸しにナンプラーを用いるとは、変幻自在の大城劇場ならでは。

 スプーンで一口。口の中は牡蠣一色で、磯の香りの後から、ネギ油の風味と花椒が追いかけてきて、全体が中華風にまとまります。わずか2つの食材で、この風味と一体感はスゴイ。そのままなら日本酒やワインですが、ラー油を垂らすと、キリッとした唐辛子のせいか、紹興酒や焼酎をロックで飲みたくなります。味の変化でお酒がさらに進みます。

 肝心の蒸し方は?

「水を張った鍋で弱火で蒸します。ほら、和食の蒸し碗ではなく、比較的平たい皿を使うのがポイントです。そうすると、卵液層の厚みが薄く、かつ表面積が広くなるので、均一に蒸しやすくなりますから」

 レシピサイトなどには鍋での蒸し方について、「中火で2分、弱火で8分、火を止めて……」などと書かれていますが、蒸し碗のケース。平たい皿には、当てはまりません。何パターンか試して、自分なりのベストタイミングをマスターするのも、食欲の秋を満喫するだいご味です。

【材料】

・牡蠣 4~6個

〈卵液〉
・チキンスープ 150㏄
・卵 75㏄
・塩 少々
・砂糖 少々
・白醤油 少々
・花椒 少々
・サラダ油 少々
・白ネギみじん切り 少々

【作り方】

(1)市販の中華スープのもとでチキンスープを用意したら、卵と調味料を混ぜて卵液をつくる。
(2)1に牡蠣を入れて蒸す。
(3)2に白ネギのみじん切りをのせたら、花椒をかける。
(4)サラダ油を熱して、3の白ネギにかける。

本日のダンツマ達人…大城忍さん

▽おおしろ・しのぶ
 四川飯店で四川の調理法をマスターすると、フレンチ店で修業。ソーセージも好物で、その作り方を会得。「自分が好きなものを出していたら、こんな店になっちゃった」

▽Refuge
 パテ・ド・カンパーニュや和牛ホホ肉の赤ワイン煮とともに、水餃子と汁なし担々麺。不思議なメニュー構成ながら、どれも超本格的。予約必須。沖縄県那覇市安里388-10。

(日刊ゲンダイ2018年10月6日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


やさしくしみる「ビシソワーズ」ほのかなニンニク風味が魅力
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・銀座の「bar NIKOKO」の乾喜代子...
芸能界御用達のロケ弁「鳥久」実食レポ 2021.12.18(土)
 大田区蒲田にお店を構える「鳥久本店」。テレビのバラエティー番組などで、度々話題に上るお弁当屋さんで、芸能界で人気のある...
肉汁が口にジュワーッと…「肉焼売」焼売オン焼売のぜいたく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
蒲田で発見! 魅惑のソーセージ自動販売機 2021.12.15(木)
 コロナ禍で、自動販売機が一大ブームになりました。  非接触で商品を売買できるという利点を生かし、冷凍ラーメンやら...
煮込まない「もつ煮込み」 沸騰したら火を止め余熱で火入れ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
アップルパイLOVE♡聖地の青森弘前で堪能 2021.12.14(火)
 好きなパンランキング6位(日本能率協会総合研究所調べ、2020年)に入るぐらい支持率の高い「アップルパイ」。実はりんご...
「生ホルモンとピーマン辛味噌炒め」ピーマンの切り方に秘訣
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
マヨ甘酢でさっぱり「マカロニサラダ」ゆかりと大葉を混ぜて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
「白菜コッチョリサラダ」うま味と風味広がるピリ辛生キムチ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・駒場東大前の「菱田屋酒場」の菱田アキラさ...
「苺のパンケーキ」3選。2021.12.11(土)
 待ちに待った苺の季節。今回は、苺がトッピングされたオススメのパンケーキをご紹介したいと思います! カフェでほっとひとい...
ほっこり温かい「山形内陸風の芋煮」牛肉の甘味が口に広がる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
ねっとり軟らか「押し麩の醤油麹焼き」クセになり過ぎる食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
まだ買える⁉無印のカカオトリュフに夢中 2021.12.7(火)
 冬季限定で絶賛販売中の無印良品「カカオトリュフ」(全5種)、これ、本当にすごい。11月に入ってすぐ、お店でなんとなく目...
「マッシュルーム、トマト、チーズのホイル包み」肉厚が最高
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
プリプリでしょっぱ美味!「玉こんにゃく」熱々でも冷めても
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・御茶ノ水の「麺ダイニング ととこ」の菅原...
京都の「餅菓子」4選。2021.12.4(土)
 12月の京都は風情があって魅力的。冬にかけて旅行を計画している方も少なくないと思います。京都にはおいしい食べ物がたくさ...